TRIZ教科書 (案内と資料)


TRIZの40の発明原理一覧とIT/ソフト分野の適用例(概要リスト)

Umakant Mishra (インド)著、中川 徹 (大阪学院大学) 監訳

出典:  『TRIZ 実践と効用 (4) IT とソフトウエアにおける問題解決アイデア集
      −TRIZの発明原理で分類整理−』 
      Umakant Mishra 著、中川 徹 監訳、
      クレプス研究所刊、 2014年 8月

掲載:       2014年 8月29日
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 編集ノート (中川 徹、2014年 8月26日) 

ここには、出版案内ページのサブページとして、本の目次部分、すなわち、40の発明原理の一覧(サブ原理のテキストを含む)を掲載します。

また、目次をさらに拡張して、TRIZの40の発明原理一覧とIT/ソフト分野の適用例(概要リスト)示します。

 

本ページの先頭 『IT とソフトウエアにおける問題解決アイデア集』出版案内のページ 発明原理一覧 発明原理-IT/ソフト事例一覧   英文ページ

  40の発明原理一覧 (兼 目次) (Umakant Mishra 著、中川 徹 監訳)

 

1. 分割

1.1   システムやオブジェクトを分離した独立な部分や区分に分割する

1.2   一緒にしたり、ばらばらにしたりが容易になるように、システムをモジュール化する         

1.3   断片化や分割の程度を増す

2. 分離

2.1   オブジェクトから望ましくない部分や有害な機能を取り除く

2.2   望ましくない性質や機能の原因や媒体を取り除く           

3. 局所的性質

3.1   オブジェクトやシステムあるいは環境の構造を、均一から不均一へと変化させる            

3.2 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトの特定部分を変化させて、その対応する機能を効率よく実現させる       

3.3 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトやシステムの特定部分を変化させて、特定の局所的な条件に適するようにする    

4. 非対称

4.1 オブジェクトやシステムが対称的なら、それを非対称にする、あるいは線対称を破る       

4.2   オブジェクトがすでに非対称あれば、非対称の程度を増大させよ     

4.3   オブジェクトやシステムの形状を変えて、外部の非対称性に適合させる         

5. 併合

5.1. 空間的に併合する:  同一あるいは関連するオブジェクトや操作を物理的に結合あるいは併合し、空間的に一緒に働くようにする  

5.2   時間的に併合する: オブジェクトや操作や機能を結合あるいは併合し、それらが時間的に連続的または並列的に振る舞うようにする           

5.3.  空間的にも時間にも併合する: オブジェクトや機能を結合あるいは併合して、空間的にも時間的にも一緒に振る舞うようにする

6. 汎用性

6.1   複数の機能を実行する一つの新しいオブジェクトあるいはシステムを作り、それによって、既存の複数のシステムの必要性を無くす            

7. 入れ子

7.1   一つのオブジェクトまたはシステムを、もう一つのものの内部に置く   

7.2.  一つのオブジェクトあるいはシステムが、別のものの適当な穴を通り抜けられるようにする

7.3.  入れ子の階層の数を増す、あるいは、スタック式やカスケード式の配置を用いる             

8. 釣り合い

8.1   オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、揚力を与える何かと組み合わせる

8.2   オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、環境と相互作用させて揚力を得るようにする

9. 先取り反作用

9.1 一つの作用がストレスや有害な効果を生ずる場合、反対の作用と事前の [反対方向の] ストレスを導入して、有害な効果を制御する           

10. 先取り作用

10.1 有効な作用を、それが必要となる前に (完全にあるいは部分的に) 実行する

10.2 オブジェクトを事前に配置して、それらが最も便利な時と所で作用を起こすようにする    

11. 事前保護

11.1 緊急用のバックアップを導入して、オブジェクトの潜在的に低い信頼性を補償する

12. 等ポテンシャル

12.1 オブジェクトやシステムを上げるあるいは下げる必要があるなら、オブジェクトの環境を再設計して、バランスを導入し、上げ/下げの必要を無くさせる 

13. 逆発想

13.1 反対あるいは逆の作用を使って、問題を解決する            

13.2 可動オブジェクトを固定し、固定オブジェクトを可動にする 

13.3 オブジェクトやシステム、あるいはプロセスを、「逆さ」にする

14. 曲面

14.1 直線的な部分を曲ったものに変え、平らな表面を球面に変える      

14.2 ローラ、ボール、螺旋 (らせん)、およびドームを使う          

14.3 直線運動を円運動に変える 

15. ダイナミック性

15.1 オブジェクトやシステムが固いあるいは柔軟性を欠いているなら、それを可動にし、あるいは柔軟にする       

15.2 オブジェクトやシステムを部分に分割して、それらが互いに相対的に動くことができるようにする

15.3 オブジェクトやシステムを(その機能性を変えることにより)適応的にして、さまざままな動作条件下で最適な性能を達成するようにする    

16. 部分的な作用または過剰な作用

16.1 厳密な作用の実行または厳密な結果の獲得が可能でないならば、作用または結果の「やや少なめ」か「やや多め」を達成するようにする   

16.2 作用が重要であり、部分的な作用では問題を引き起しかねないなら、多めまたは余分に行なった方がいい 

16.3 ある作用が難しいかまたは高価であり、将来容易に処置できるならば、少なめにするかまたは部分的にしかしないほうがよい        

17. もう一つの次元

17.1 オブジェクトが直線や平面を動く時、直線や平面の外を動くことを考える

17.2 オブジェクトやシステムの「裏側」を使用する      

17.3 あるオブジェクトやシステムの「別の向き」または「配置」を使用する   

17.4 別の方法を用いる 

18. 振動

18.1 オブジェクトを振動させる、揺らす        

18.2 振動数を増大する、変える   

18.3 オブジェクトやシステムの共振周波数を用いる    

19. 周期的作用

19.1 連続動作を周期的または脈動的な動作に置き換える       

19.2 作用がすでに周期的であるなら、外部条件に合うように周期を変える            

19.3 作用の合間を使用して、他の有用な作用を実行する        

20. 有用作用の継続

20.1 オブジェクトまたはシステムのすべての部分を十分な効率で絶え間なく動作させる      

21. 高速実行 (急ぎ)

21.1 非常に高速に実行し、有害な副作用を排除する

21.2 不要なステップを飛ばしスピードを速くする        

22. 災い転じて福となす 

22.1 有害なオブジェクトまたは操作を使用し、有益な効果を提供する     

23. フィードバック

23.1 フィードバックを導入して、プロセスや作用を改善する

23.2 フィードバックをすでに使っているなら、それを動作条件の変動に適応できるようにする 

24. 仲介

24.1 二つのオブジェクトやシステムや作用の間に、仲介を導入する         

24.2一時的仲介を導入し、機能が完了すれば消える(あるいは容易に除去できる)

25. セルフサービス

25.1 オブジェクトやシステムが、(インストール、構成、修復、保守、その他すべての操作を自分で実行することにより) 自分自身に奉仕できるようにする     

25.2 廃棄物または未利用資源を利用する  

26. コピー  

26.1 利用困難、高価、複雑、危険、あるいは壊れやすいオブジェクトとシステムの代りに、単純で安価なコピーを使用する 

26.2 オブジェクトやアクションを、光学コピーや、赤外線や紫外線コピーで置き換える        

26.3 オブジェクトやシステム、あるいは機能の、仮想コピーやシミュレーションを用いる          

27. 安価で処分可能

27.1 高価なオブジェクトやシステムを置き換えて、多数の安価で短寿命なオブジェクトにする

28. メカニズムの代替/もう一つの知覚

28.1 機械的手段を置き換え、感覚的手段 (視覚 (光学),聴覚 (音響),味覚,触覚、あるいは嗅覚)またはその他の手段(磁気的,電磁気的,熱的などの)を用いる             

28.2 内部のメカニズムや構造、言語、フォーマット、コードを変える         

29. 空気圧と水圧の利用

29.1 固体の部分やシステムの代わりに、気体および液体を用いる           

30. 薄くて柔軟

30.1 柔軟な殻と薄い膜を、固い構造の代りに組み込む            

30.2 柔軟で薄い膜を利用して、オブジェクトやシステムを環境から切り離す          

31. 穴 (多孔質)

31.1 オブジェクトを多孔質にする、あるいは多孔質の要素を加える          

31.2 オブジェクトがすでに多孔質であるなら、何か有用なものをその孔に入れる     

32. 色の変化 

32.1 オブジェクトやその部分または外部環境の色を変えて、そのオブジェクトの可視性を変化させる

32.2 オブジェクトやその周囲の透明性を変える         

33. 均質性 (互換性)

33.1 相互作用をしているオブジェクトを、同じ材料(あるいは性質が一致する材料)で作る

34. 排除と再生

34.1 オブジェクトやシステムの要素で、機能をすでに完了したものを排除する        

34.2 オブジェクトやシステムの部分で、使い切ったものや消耗品を、動作中に修復する        

35. パラメータの変更

35.1 オブジェクトやシステムのパラメータを変更する   

36. 変換と移行

36.1 非互換あるいは使用できないデータや、ファイル、フォーマット、テクノロジを変換して、互換性があり使用可能なデータや、ファイル、フォーマット、テクノロジにする            

36.2 古い非互換のデータやフォーマット、テクノロジから移行して、互換性のあるデータやフォーマット、テクノロジを使う    

37. 拡大/縮小

37.1 オブジェクトやその構成要素を拡大 (または縮小)して、有用な効果を達成する            

38. 強化/質の向上

38.1 オブジェクトやシステムを置き換えて、更新されたあるいはより進んだオブジェクトやシステムにする           

38.2 特徴や機能を加えて、オブジェクトやシステムを改善する             

39. 平静 (不活性雰囲気)

39.1 通常の環境を置き換えて、不活性な環境にする 

39.2 オブジェクトやシステムに、中性の部分あるいは不活性な要素を加える          

40. 複合

40.1 複合した (あるいは複数の) 材料を、均一な (あるいは単一の) 材料の代わりに用いる  

 


 TRIZの40の発明原理一覧とIT/ソフト分野の適用例(概要リスト)

発明原理
サブ原理/説明

適用事例(概要リスト)

1.

分割

1.1   システムやオブジェクトを分離した独立な部分や区分に分割する プロジェクトを分割する   大規模アプリケーションを複数のモジュールに分割する    文書の分割   データベースの分割    分散コンピューティング   ネットワークセグメント   ドメインの分割   帯域幅の分割   メモリの分割   ディスクの分割
1.2   一緒にしたり、ばらばらにしたりが容易になるように、システムをモジュール化する ビジュアル開発   モジュラーハードウェア   ファイルの分割  データパケット  色分解
1.3   断片化や分割の程度を増す 多層アーキテクチャ  サーバ負荷の分割  GUI (グラフィックユーザインタフェース) 画面の分割

 

2.

分離

2.1   オブジェクトから望ましくない部分や有害な機能を取り除く マシンを取り外す。  アクセスを除去する  ユーザを外す  ファイルを取り除く  望ましくないコードを除去する  広告をブロックする  ロッキング  データを移行させる  追加機能を取り外す  表示をしない  もはやタイピングしない  現実のものを取り除き、仮想のものを使う
2.2   望ましくない性質や機能の原因や媒体を取り除く 余分なマシンや周辺機器を取り除く  ワイヤとケーブルを取り除く  接続を外す  機能を取り除く  人間による操作を排除する

 

3.

局所的性質

3.1   オブジェクトやシステムあるいは環境の構造を、均一から不均一へと変化させる カスタムインストール  種々のバージョンとエディション  特殊効果を加える
3.2 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトの特定部分を変化させて、その対応する機能を効率よく実現させる ネイティブドライバ  さまざまな圧縮率でのビデオ圧縮  クラス継承  専用計算機  さまざまなポインティングデバイス  さまざまなストレージデバイス  さまざまなグラフィックフォーマット  マークアップ言語
3.3 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトやシステムの特定部分を変化させて、特定の局所的な条件に適するようにする   ローカルな実行  ローカライズ  さまざまな通信メディア  ローカル対グローバル  ユーザプロファイル  文脈依存のマウスポインタ  文脈依存

 

4.

非対称

4.1 オブジェクトやシステムが対称的なら、それを非対称にする、あるいは線対称を破る 特殊文字  非対称なマウスポインタ  コンピュータハードウェアにおける非対称性  非対称圧縮  プラグとコネクタ
4.2   オブジェクトがすでに非対称あれば、非対称の程度を増大させよ      構文の強調表示  非対称なユーザインタフェース
4.3   オブジェクトやシステムの形状を変えて、外部の非対称性に適合させる  人間工学的なコンピュータデバイス  非対称型データ転送  カスタムインストール  非対称処理  非対称なスキルと経験

 

5.

併合

5.1. 空間的に併合する:  同一あるいは関連するオブジェクトや操作を物理的に結合あるいは併合し、空間的に一緒に働くようにする ファイルを併合する  ファイルをアーカイブ化する  データベースを併合する  メールマージ  コラージュ: グラフィックスを併合する  結合したデバイス  連結によりアドレスを創り出す  マルチプロセッサシステム  複数ディスクを併合する  技術の融合
5.2   時間的に併合する: オブジェクトや操作や機能を結合あるいは併合し、それらが時間的に連続的または並列的に振る舞うようにする  マルチスレッディング  マルチタスキング  グループウエア  サーバインテグレーション
5.3.  空間的にも時間にも併合する: オブジェクトや機能を結合あるいは併合して、空間的にも時間的にも一緒に振る舞うようにする 配列変数  ユーザをグループ化する  ネットワークとサーバを統合する  マルチメディア  組込みシステム  データを同期させる

 

6.

汎用性

6.1   複数の機能を実行する一つの新しいオブジェクトあるいはシステムを作り、それによって、既存の複数のシステムの必要性を無くす  汎用デバイス  デュアルモード/マルチモード  多目的ソフトウェア  プラットフォーム独立  言語独立  同一の媒体でさまざまなコンテンツを運ぶ  ユニバーサルフォーマット  ユニバーサルファイル名  標準とプロトコル  ユニバーサルユーザビリテイ (普遍的な使い勝手)  ユニバーサルアイデンティファイア (普遍的な識別子)  マルチプロトコルネットワーク  パブリック変数

 

7.

入れ子

7.1   一つのオブジェクトまたはシステムを、もう一つのものの内部に置く  ファンクション呼出しを入れ子にする  検索の中での検索  入れ子のオブジェクト  入れ子のリレーション  ポインタと参照  一つの文書をもう一つの文書の中に入れる  画像の中の画像  マルチホスティング  Windows 上のWindows  木構造
7.2.  一つのオブジェクトあるいはシステムが、別のものの適当な穴を通り抜けられるようにする ファンクションで引数を受け渡す  クエリをURL に渡す  トンネリングとカプセル化  パイピング   ソケットとポート  コネクションプール
7.3.  入れ子の階層の数を増す、あるいは、スタック式やカスケード式の配置を用いる スタックの管理  カスケードメニュー   カスケード接続デバイス  プリンタスプール

 

8.

釣り合い

8.1   オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、揚力を与える何かと組み合わせる スプラッシュスクリーン  制御データ  支援技術  視覚手法  聴覚 (オーディオ) 手法  触覚手法  より多くの文書  作業を自動化する。  冗長度を加える  セキュリティ対策
8.2   オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、環境と相互作用させて揚力を得るようにする 環境を利用する  監視プログラムを使う  より多くキャッシングして、より速いアクセスを  アクセラレータを使用する

 

9.

先取り反作用

9.1 一つの作用がストレスや有害な効果を生ずる場合、反対の作用と事前の [反対方向の] ストレスを導入して、有害な効果を制御する システムの保護  データ保護  ソフトウェアプロテクション  サーバ保護  書込み保護  不正行為の防止  侵入防止  ユーザ誤り防止  危険な操作の前の用心  ユーザ問題の防止  システムクラッシュの防止  災害防止  データの検証  エラー処理/例外処理  欠陥の防止  ソフトウェアのテストと品質管理

 

10.

先取り作用

10.1 有効な作用を、それが必要となる前に (完全にあるいは部分的に) 実行する データの事前ロード  キャッシング  前処理  フォーマット済みのディスク  事前チェック  前払いサービス
10.2 オブジェクトを事前に配置して、それらが最も便利な時と所で作用を起こすようにする 計画と予算策定  システムを分析する  設計とモデリング  プロトタイピング  文書化  事前調整  規則を事前に定義する  変数の事前定義  データを事前編成する  前処理  準備行動

 

11.

事前保護

11.1 緊急用のバックアップを導入して、オブジェクトの潜在的に低い信頼性を補償する 電源障害対策  システムフォールトトレランス  ディスク/ストレージのフォールトトレランス  データベースのフォールトトレランス  サーバフォールトトレランス  ネットワークフォールトトレランス  ウェブサイトフォールトトレランス  ソフトウェアフォールトトレランス  電話障害の管理  ユーザフォールトトレランス  デフォルト値の使用

 

12.

等ポテンシャル

12.1 オブジェクトやシステムを上げるあるいは下げる必要があるなら、オブジェクトの環境を再設計して、バランスを導入し、上げ/下げの必要を無くさせる 高性能なOS には高性能ハードウェア  部屋の明るさを調整する  ディスプレイをバランスさせる  サーバ負荷をバランスさせる  プロセッサ負荷をバランスさせる  等電位環境  トラフィック負荷をバランスさせる  ハードウェアをバランスさせる  リソースをバランスさせる

 

13.

逆発想

13.1 反対あるいは逆の作用を使って、問題を解決する リバースエンジニアリング  逆関数  ロールバック(逆戻し)  ダメージを回復するために動作を元に戻す(undo)  プッシュ 対 プル  前と後
13.2 可動オブジェクトを固定し、固定オブジェクトを可動にする  固定を可動にする、また、その逆  逆選択  仕事のやり方を変える  内部 対 外部  人間志向にする
13.3 オブジェクトやシステム、あるいはプロセスを、「逆さ」にする 順序を逆にする  上下逆さま  方向を変える  技術を逆にする  逆検索

 

14. 

曲面

14.1 直線的な部分を曲ったものに変え、平らな表面を球面に変える  ビジュアルコンポーネントの形を変える  グラフのスタイルを変える  ハードウェアの形
14.2 ローラ、ボール、螺旋 (らせん)、およびドームを使う  らせん状の形  フォワーディング (転送) とリダイレクション
14.3 直線運動を円運動に変える  リング型トポロジー  SDLC (ソフトウェア開発ライフサイクル) の反復モデル  ローテーションによる配分  非線形パスを利用する  2段階プロセス

 

15.

ダイナミック性

15.1 オブジェクトやシステムが固いあるいは柔軟性を欠いているなら、それを可動にし、あるいは柔軟にする  モバイルコンピューティング  アニメーション型グラフィクス  動的ウェブサイト 動的割当て  ダイナミックGUI コンポーネント  可変データ型 
15.2 オブジェクトやシステムを部分に分割して、それらが互いに相対的に動くことができるようにする 相互に関連する動き  アップデートと同期  インタラクティブにする
15.3 オブジェクトやシステムを(その機能性を変えることにより)適応的にして、さまざままな動作条件下で最適な性能を達成するようにする  適応型のメニュ  適応型GUI コンポーネント  フレックスタイム  ダイナミックデータ   オンザフライで処理する  オンデマンド  適応型オペレーション 

 

16.

部分的な作用または過剰な作用

16.1 厳密な作用の実行または厳密な結果の獲得が可能でないならば、作用または結果の「やや少なめ」か「やや多め」を達成するようにする  メモリタイプを選択する  フォントを調整する  最も近いものを選ぶ  幅のあるオプションを提供する  丸めと近似  スピードを調整する  最良適合メモリ割り当て
16.2 作用が重要であり、部分的な作用では問題を引き起しかねないなら、多めまたは余分に行なった方がいい 予備を確保する  少なめに行うのは危険  多めにすると特別な利点が得られる  多いほうがよい  まず多めに行い、それから調整する
16.3 ある作用が難しいかまたは高価であり、将来容易に処置できるならば、少なめにするかまたは部分的にしかしないほうがよい 作用が難しいか高価なとき  作用が危険なこともある  より少なく行うことが特別の利点を持つこともある  まず少なめに実行し、それから調整する

 

17.

もう一つの次元

17.1 オブジェクトが直線や平面を動く時、直線や平面の外を動くことを考える 単層から多層へ  シングルユーザからマルチユーザへ  単一プラットフォームからマルチプラットフォームへ  一次元から多次元へ  ハードウェアにおける次元の増大  音における、より多くの次元  グラフィックスにおける、より多くの次元  テキスト表現における、より多くの次元  GUI における、より多くの次元  
17.2 オブジェクトやシステムの「裏側」を使用する 裏側を使用する  内部対外部  水平 対 垂直  
17.3 あるオブジェクトやシステムの「別の向き」または「配置」を使用する 表現形式を変える  画面レイアウトを変える  構成レイアウトを変える
17.4 別の方法を用いる  別の媒体を用いる  別の技術を用いる  別のやり方をする

 

18.

振動

18.1 オブジェクトを振動させる、揺らす 触覚メッセージとして振動を用いる  注意を引くためにイメージを振動させる   その他の目的に振動を用いる
18.2 振動数を増大する、変える 振動数を変える  データ伝送に高周波を用いる  
18.3 オブジェクトやシステムの共振周波数を用いる   音声変換に振動を用いる  自然な感じを得る共振周波数  人間工学的な使用のための振動  

 

19.

周期的作用

19.1 連続動作を周期的または脈動的な動作に置き換える 周期的(定期的)なバックアップ  周期的な保存  周期的な選出  周期的更新  定期的な失効  蓄積転送
19.2 作用がすでに周期的であるなら、外部条件に合うように周期を変える バックアップ頻度  評価頻度  保守頻度  ジョブのスケジューリング  キープアライブ要求   
19.3 作用の合間を使用して、他の有用な作用を実行する 多重タスク処理  インターバルを有効活用する  アイドル時間を用いる

 

20.

有用作用の継続

20.1 オブジェクトまたはシステムのすべての部分を十分な効率で絶え間なく動作させる  24 時間×365 日間  連続動作  反復的な作用  データ同期化  継続した接続性  コネクション型トランザクション  継続的なエラー訂正  何もしていないまたは非生産的な作用をすべて排除する

  

21.

高速実行 (急ぎ)

21.1 非常に高速に実行し、有害な副作用を排除する 高速ブートオプション  高速リフレッシュ  バーストモード  ファーストトラック  リアルタイムシステム   
21.2 不要なステップを飛ばしスピードを速くする 高速ブート  高速スキャン  高速コピー  高速保存  高速アクセス  仲介を除去する  ジャンプを使う  サンプルを使用する、シリーズ全体ではない  不要なことを避けてスピードを向上する

 

22.

災い転じて福となす

22.1 有害なオブジェクトまたは操作を使用し、有益な効果を提供する 情報をもつ広告  競争が生産性を高める  ハッカたちは役に立つ  海賊版が積極的な効果を持つ  ウイルスも役に立つ  遅さが光る  古いものは黄金  空き時間を活用する  廃棄リソースを活用する  無料サービスでも稼げる

 

23.

フィードバック

23.1 フィードバックを導入して、プロセスや作用を改善する フィードバックを受取確認に使う  フィードバックで健康状態を検査する  フィードバックによる検証と信頼性  プロジェクト管理のためのフィードバック  警告、警戒、エラーのメッセージ  イベント駆動プログラミング  イベントロギング  ウェブサイトで使用されるフィードバック  対話型ソフトウエア
23.2 フィードバックをすでに使っているなら、それを動作条件の変動に適応できるようにする  ロギングのカスタマイズ  フィードバックのカスタマイズ  オーディオフィードバック  自動フィードバックメカニズム  適応型システム

 

24.

仲介

24.1 二つのオブジェクトやシステムや作用の間に、仲介を導入する    ハードウェアインタフェース  コネクタとアダプタ  ネットワークインタフェース  ソフトウェアインタフェース  アプリケーションプログラミングインタフェース  ユーザインタフェース  データベースインタフェース  ミドルウェアとブローカ  エージェント  ファイアウォール  中間言語
24.2一時的仲介を導入し、機能が完了すれば消える(あるいは容易に除去できる) バーチャルマシン  一時ファイル  バッファとキャッシュ  仮バージョン

 

25.

セルフサービス

25.1 オブジェクトやシステムが、(インストール、構成、修復、保守、その他すべての操作を自分で実行することにより) 自分自身に奉仕できるようにする 自動修理  自動保護  自動修正   自動保存   自動同期   自動検出  自動解析   自動ダイアリング  自動返信  サイズの自動変更  自動テスト  自動実行  自動更新  自動構築  自動シャットダウン  自動繰り返し
25.2 廃棄物または未利用資源を利用する 処理のアイドル時間の利用  未使用のリソースを利用する  未使用か無駄なディスクスペースを利用する  自動隠蔽

 

26.

コピー

26.1 利用困難、高価、複雑、危険、あるいは壊れやすいオブジェクトとシステムの代りに、単純で安価なコピーを使用する  データのバックアップ  バックアップサーバ  ディスクミラーリング  継承  データベースの複製  キャッシングとバッファリング
26.2 オブジェクトやアクションを、光学コピーや、赤外線や紫外線コピーで置き換える     光学コピーを使用する  電子コピー  画像スキャニング  スクリーンキャプチャ  デモソフトウエア  
26.3 オブジェクトやシステム、あるいは機能の、仮想コピーやシミュレーションを用いる   現実を仮想で置き換える  デジタルセキュリティ  シミュレーション  スクリーンエミュレーション  ディスクイメージ  ニューラルネットワーク

 

27.

安価で処分可能

27.1 高価なオブジェクトやシステムを置き換えて、多数の安価で短寿命なオブジェクトにする 使い捨てのコンピュータ  使い捨てメモリ  使い捨てソフトウェア  バーチャルシステム (仮想システム)   シミュレーション  人間オペレータの代わりをする  プロトタイピング  一時的あるいは短寿命のオブジェクト  一時的接続

 

28.

メカニズムの代替/
もう一つの知覚

28.1 機械的手段を置き換え、感覚的手段 (視覚 (光学),聴覚 (音響),味覚,触覚、あるいは嗅覚)またはその他の手段(磁気的,電磁気的,熱的などの)を用いる  磁気的なものを光学的なものに置き換える  手作業をデジタルに変換する  現実を仮想で置き換える  コマンドの種々の代替モード  音声のコマンドを使う  代替の触覚的方法を使う  ジェスチャコマンドを使用する  ソフトキーボードを使用する
28.2 内部のメカニズムや構造、言語、フォーマット、コードを変える    重いものを軽いものに変更する  構造化されていないものを構造化されたもので置き換える  記号とコードを使用する  グラフィックスのフォーマットを変換する  技術を置き換える  アナログからデジタルに変更する、またその逆に変更する   手作業から自動作業へ変更する  単純なオブジェクトを動きのあるオブジェクトで置き換える

 

29.

空気圧と水圧の利用

29.1 固体の部分やシステムの代わりに、気体および液体を用いる   液晶ディスプレイ  ジェルを充填したケーブル  ジェルによる緩衝効果  コンピュータを冷却するのに液体を使う  液体ソフトウェア  可変データタイプ

 

30.

薄くて柔軟

30.1 柔軟な殻と薄い膜を、固い構造の代りに組み込む   シンクライアント  フレキシブルケーブル  紙のように薄い機器  アウトライン表示  軽量ウェブページ  軽量コンポーネント  圧縮  ショートカットとリンク  略号または頭字語  最小化
30.2 柔軟で薄い膜を利用して、オブジェクトやシステムを環境から切り離す フィルタとスクリーン  保護レイヤ  分離レイヤ

 

31.

穴 (多孔質)

31.1 オブジェクトを多孔質にする、あるいは多孔質の要素を加える     マージン  ハードウェアポート  拡張スロット  通気孔  排水口  パイピング  トンネリング  通信ポート
31.2 オブジェクトがすでに多孔質であるなら、何か有用なものをその孔に入れる  プロトコルをポートに割り当てる  境界と埋め込み文字  穴にフィルタを配置する

 

32.

色の変化

32.1 オブジェクトやその部分または外部環境の色を変えて、そのオブジェクトの可視性を変化させる GUI の色を変更する  ハードウェアの色を変える  テキストの色を変更する  構文の強調表示  操作中の項目の強調表示  警告表示に色を利用する  状態変化を表示するのに色を使う  使用できない項目の灰色表示  表示のスタイルとフォーマットを変更する
32.2 オブジェクトやその周囲の透明性を変える    透過にする  目に見えなくする

 

33.

均質性 (互換性)

33.1 相互作用をしているオブジェクトを、同じ材料(あるいは性質が一致する材料)で作る ハードウェア互換性  ソフトウェア互換性  バージョンの互換性  GUI の互換性  プラットフォームの互換性  言語の互換性  テクノロジの互換性

 

34.

排除と再生

34.1 オブジェクトやシステムの要素で、機能をすでに完了したものを排除する 自動切断  自動隠蔽  自動シャットダウン  Throw とcatch  
34.2 オブジェクトやシステムの部分で、使い切ったものや消耗品を、動作中に修復する   自動接続  メモリの割り当てと取り上げ  ディスクスペースの割り当てと取り上げ  コンポーネントのロードとアンロード  キャッシュの期限切れと更新  

 

35.

パラメータの変更

35.1 オブジェクトやシステムのパラメータを変更する    オブジェクトのプロパティを変更する  文書のプロパティ  グラフィックスのプロパティ  表示のプロパティ  映像プロパティ  音響パラメータ  アプリケーションのパラメータ  読出し/書込みパラメータ  圧縮パラメータ  選択パラメータの変更  ソートパラメータの変更  優先度の変更

 

36.

変換と移行

36.1 非互換あるいは使用できないデータや、ファイル、フォーマット、テクノロジを変換して、互換性があり使用可能なデータや、ファイル、フォーマット、テクノロジにする  型の変換  データ変換  ファイルの変換  コード変換  ビデオ変換  グラフィックスの変換  オーディオの変換  フォーマットの変換  メディアの変換  語の変換
36.2 古い非互換のデータやフォーマット、テクノロジから移行して、互換性のあるデータやフォーマット、テクノロジを使う     テクノロジの移行  データの移行  ソフトウェアの移行  ドメインの移行  相転移 [およびフェーズの移行]

 

37.

拡大/縮小

37.1 オブジェクトやその構成要素を拡大 (または縮小)して、有用な効果を達成する    ファイル名の拡張  ファイルを拡張 (あるいは圧縮) して性能を高める  メモリの拡張  GUI の拡張による可視性向上  拡張性の拡大  負荷テストのための負荷の拡張  サーモスタット  

 

38.

強化/質の向上

38.1 オブジェクトやシステムを置き換えて、更新されたあるいはより進んだオブジェクトやシステムにする 保護されたプロトコルを使用する  信号の増幅  アクセラレータ  ハードウェアとソフトウェアのアップグレード  改善されたテクノロジの使用  賢い材料の使用
38.2 特徴や機能を加えて、オブジェクトやシステムを改善する  知能の追加  ハードウェアへの機能の追加  コプロセッサの追加  セキュリティ機能の追加  データベースにメタデータを追加  パッチとフィックスをソフトウェアに追加する  ソフトウェアの機能を改善する  技術標準を改善する  資源を改善する  

 

39.

平静 (不活性雰囲気)

39.1 通常の環境を置き換えて、不活性な環境にする  ソフトウエアデモ  セーフモード  ウィルスのない環境  定額料金制
39.2 オブジェクトやシステムに、中性の部分あるいは不活性な要素を加える    HTML の<PRE> </PRE>タグ  静的IP アドレス  行/列の凍結  静的な要素

 

40.

複合

40.1 複合した (あるいは複数の) 材料を、均一な (あるいは単一の) 材料の代わりに用いる  複合キー  複合アドレス  複合データベース  複合アプリケーション  アプリケーションスイート  複合文書  複合ファイル  複合グラフィックス  複合システム  複合コマンド  複合ネットワーク  複合GUI  複合手法

 

       

 

 

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最終更新日 : 2014. 8.29    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp