TRIZフォーラム | |
「札寄せ」しながら考える (6) 〜 日本社会の貧困を考える [A] 高齢者の貧困化 (1) 下流老人とは何か | |
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中川 徹、2015年 9月12日 |
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責任編集: 中川 徹(大阪学院大学) | |
掲載: 2015. 9.17 |
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編集ノート (中川 徹、2015年 9月11日)
「日本社会の貧困を考える」という本シリーズを始める趣旨は、全体親ページ を参照ください。また、「高齢者の貧困化」について、藤田孝典著『下流老人』をテキストとして選定しました私の意図、およびこの書の全体構成については、親ページを参照ください。
本ページは、テキストの第1章を、「札寄せ」ツールを使って「見える化」したものです。第1章の構成は以下のようです。
『下流老人−一億総老後崩壊の衝撃』、藤田孝典著、朝日新書520、朝日新聞出版、2015年 6月30日刊、pp. 19-44。
第1章 下流老人とは何か
下流老人とは、いったい何か
下流老人の具体的な指標 3つの「ない」 --- (1) 収入が著しく少「ない」、(2) 十分な;貯蓄が「ない」、(3) 頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)
下流老人の何が問題なのか? --- 悪影響1 親世代と子ども世代が共倒れする、 悪影響2 価値観の崩壊、 悪影響3 若者世代の消費の低迷、 悪影響4 少子化を加速させる
下流老人の社会的な問題−まとめ
『下流老人』(藤田孝典著) 「第1章 下流老人とは何か」 (「見える化」ノート、中川 徹)
その本文を抜書き・要約しつつ書き出し、私自身が理解するところに従って、「札寄せ」ツール(片平彰裕作成)を用いて、図示(「見える化」)したものです。その作り方は、「はじめに」のページで書いたものと同様ですので、本ページには仕上がったものだけを掲載します。上記の本の詳細な読書ノートであると、ご理解下さい。
(1) 第1章前半、「下流老人とはいったい何か、具体的な3つの指標」についての、見える化図(詳細版)。
(2) 第1章前半、「下流老人とはいったい何か、具体的な3つの指標」についての、見える化図(簡略版)。
この図を簡単に文章化すると、以下のようです。
私は、「下流老人」=「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義している。生活相談から見えてくる「下流老人』の特徴はつぎの3点である。
(1) 収入が著しく少ない。生活保護レベルを生活補助費+住宅補助費とすると、首都圏に住む一人暮らしの高齢者の場合月額約13万円(年額約150万円)である。国際的な貧困のとらえ方として、「相対的貧困」という概念がある。対象者が属する共同体(国や地域)の大多数に比べて貧しい状態にあることを言い、具体的には統計上の所得の中央値の半分以下の所得しか得られない人を言う。この概念では、一人暮らしの場合年収122万円となり、上記の生活保護レベルとほぼ同等である。このレベルになると、住居、食事、医療、介護などで、普通の家庭にあるべきものがないケースが増える。
(2) 十分な貯蓄がない。収入(年金など)が低いと貯蓄を取り崩すことになるが、それが少ない/無いと、生活上のトラブルに襲われると、たちどころに破たんする。
(3) 頼れる人間がいない(社会的孤立)。近年の核家族化により、周囲に頼れる家族がいないのが普通になっている。
要するに、「下流老人」はあらゆるセーフティネットを失って、憲法で保証する「健康で文化的な生活」ができなくなっている状態である。現在、約600万人〜700万人の「下流老人」がいると推定されている。
(3) 第1章後半、「下流老人の何が問題なのか?」についての、見える化図。
この図を簡単に文章化すると、以下のようです。
「下流老人」が増えていることの問題は、当事者だけのことでなく、以下のような悪影響をもたらすことが問題である。
悪影響1. 親世代(高齢者世代)と子ども世代(現役世代)が共倒れする。
悪影響2. 長寿が幸せ、敬老、命の大事さなどの価値観が崩壊する
悪影響3. 若者・現役世代が貯蓄する必要があり、消費が低迷、経済が低迷する。
悪影響4. 少子化を加速させる。なお、下流老人が生まれる/増える原因は、第3章で考察する。原因と結果が循環している面がある。
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最終更新日 : 2015.11.29 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp