TRIZフォーラム: 読者の声

読者の声 (2016年 6月〜7月)

小林 晃、 飯田陽一、岩崎不二子、唐木田健一、 大岩 元、 Fさん、 村田朋美、 竹中章郎、 鳥居達生、 長谷川陽一、村上俊一、 笹間史子、 匿名老人I、 池添康正、 芳岡隆三、 岡ミチオ、 三井斌友、中川 徹;

某先生、M. W.先生、日野克重、 笹間史子、K. A.さん、岩切陽子、島田宗洋(救世軍清瀬病院)、砂田登士夫、M.I.さん、反町勝、K. I.さん、中川 徹

責任編集: 中川 徹(大阪学院大学)

海外からの読者の声は英文ページを参照ください

「読者の声の索引ページ」も参照下さい

掲載: 2016. 7. 5; 7.31

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  編集ノート (中川 徹、2016年 7月 4日) 

読者の皆様から折に触れていただいた感想・ご意見を、まとめて掲載させていただいているページです。

6月28日づけで、「私の研究のまとめ」(参議院議員選挙を控えての所感)というページを掲載しましたが、その同じ資料を6月24-27日に約250人の友人・知人の方々に郵送でお送りしました。今回はこれらに関連して沢山の方から返信をいただきました。ここに掲載させていただき、感謝します。

簡単な表形式で紹介させていただきます。

2016. 6. 20 小林 晃、中川 徹 USITにおける根本原因分析の位置 (質問と返答)
2016. 6.28  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
2016. 6.28 飯田陽一、岩崎不二子、唐木田健一 短信(資料についての感想など)
2016. 6.29 大岩 元 「見える化」の図解とKJ法、日本語プログラミングの教育、
2016. 6.29 Fさん 「自由」の勝者のありかたの問題
  村田朋美 個別技術を社会のシステム技術に位置付ける
2016. 6.30 竹中 章郎 短信
  鳥居 達生 自由と愛の相克
  長谷川陽一、村上俊一、 短信
2016. 7. 1 笹間 史子 「見える化」の効用、学生たちの選挙参加
  匿名老人I  短信(有効と考える施策3つ)
2016. 7. 2 池添 康正 短信(高齢者の問題)、
  芳岡 隆三 短信(経済学のありかた)
2016. 7. 3 岡 ミチオ

短信(「見える化」、「自由」と「愛」、地球環境の問題)

  三井 斌友 短信(安倍政権批判、小柳義夫さんの連載記事)
2016. 7.5  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
2016. 7. 3 M. W. 先生 「見える化」という方法
2016. 7.5 日野 克重; 中川 徹 科学方法論とCrePSとの関係? 理論、問題、言語。
  笹間 史子; 中川 徹

『下流老人』とその関連の書籍、「見える化」のツール

2016. 7.6 K. A. さん 『下流老人』、財源の問題
2016. 7. 7 岩切 陽子; 中川 徹 「見える化」について
2016.7. 8 島田 宗洋; 中川 徹 『下流老人』の「見える化」図、緩和医療について
  砂田 登士夫; 中川 徹 問題解決における解決策の創出と実現の段階
2016.7. 9

M. I. さん

「見える化」、95才のいま
2017.7. 10 反町 勝 『下流老人』と「自由 vs. 愛」
 

K. I. さん

「下流老人」の問題、定年退職後のいま
     
 
本ページの先頭 小林晃(USIT質問) ホームページ更新(2016. 6.28)

大岩元

鳥居達生 ホームページ更新(2016. 7.5) 日野克重 笹間史子 岩切陽子 島田宗洋 砂田登士夫    

「読者の声の索引ページ」

英文ページ


 読者の声

 小林 晃 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.20    USITにおける根本原因の解明

ここ数年社内の原価企画・管理のシステム開発に専念しておりましたが、60歳の定年まであと2年半となり 再び、社内改革の一つとして創造的課題解決の展開に取り組む機会を得ました。

改めてUSIT(TRIZ)の手順をまとめているのですが、その中で

STEP1 問題を定義する
  ・望ましくない効果、  ・課題宣言文、  ・図解、  ・考えられる根本原因、  ・関連する最小限のオブジェクト

STEP2 問題を分析する(現在のシステムの分析)
  ・空間、時間特性分析、  ・機能的関係、属性分析

という手順がありますが、その中で現在のシステムの分析を実施する前に、考えられる根本原因や、それに関連する最小限のオブジェクトを特定する 手順となっております。

昨年弊社担当が実務課題を使って、USITを試みたケースでは ともすると、根本原因の特定がなかなかできず(設計者の思いこみもありそうで)、先にある程度問題が発生している箇所を絞ったうえで 機能や属性を分析したり、特に時間、空間特性の分析みたいなものをやった上で、気付きを得て、根本原因が特定(推定)でき、それをもって アイデア出しをするような場合が、半数くらいあったと聞いております。

先に根本原因を特定(仮決定)したほうが、あとの分析の的が絞り易い気がしますが、実務の根本原因推定は難しい場合が多く、拙速に 特定すると、間違った方向にいってしまう危険もはらむかと思います。

逆に理想システムの分析(Particle法)以外の分析も先にとことん実施し、根本原因を決めてから、Particle法やアイデア出しを実施する 手順も実務にはあるのかなと思います。この際は、あまりに総花的に分析を実施すると時間が多くかかって、原因がかえって絞り難くなる 危険があるかと思います。

実務では、課題が解決できれば手順は臨機応変でも良いかとも思いますが、そのような曖昧さをSHARPにそぎおとして誰でも 同じ手順で、良い結果を出せる手順を目ざしたのでUSITだとすると、やはりきちんと決めたほうが良いかとも思います。

そもそも私の根本原因決定のUSITの中の位置付、及びそれに続く分析の位置づけの認識不足が上記迷いを生んでいる原因かもしれません。 お忙しい所、まとまりのない質問文で申し訳ございませんが、何かアドバイス頂けるとありがたいです。

  中川 徹  ==>  小林 晃 さん    2016. 6.25  

小林さん自身が再び、創造的問題解決のテーマに取り組まれるとのこと、良い成果を挙げられるよう期待しています。

(1)  ご質問の「根本原因分析」については、USITでも、CrePSでも、第1箱、第2箱、第3箱のそれぞれの段階で、実は繰り返し深める作業をしているのだと、思います。  

根本原因といってもよいし、(問題の起こる)メカニズムといってもよいわけですが、それを、(USITの前の)第1箱の段階でも当然考えています。原因やメカニズムをまったく考えないで問題を取り上げることは実際にはしない(そうでないと問題を絞り込めない)。  

第2箱の段階は、「現実の世界」でどこまで考えたのかを確認しているものです。それが、本当に物理的に見て正しいだろうかと再確認をしている。  

第3箱に行く段階で、現在システムの分析を、空間・時間・属性・機能という複数の観点からしていますが、それらを総合して問題のシステムのメカニズムを明らかにしている。それは、根本原因を明らかにしている(再確認・修正している)ことでもあります。  

理想を考えることも、現在の問題の何かを根本的に変えようと考えていることでもあります。だからこの段階で、問題の(欠陥の)根本原因がわかることがある。

(2)  USITのプロセスを固いものと考えることは、私は賛成しません。Sickafusさん自身はもっと直観的、直接的のところがあります。  

わたしは、それを6箱方式のように「データフロー」で表現しました。  
データフローとフローチャートは(一見同じ情報を書いているようにも書けますが)、その精神が違うと思っています。いつの段階でどんな情報を得るようにするとよいのか、という観点から記述してある。   

ただ、実践においては、その実施にいろいろな臨機応変の変化があり、それを許容することが必要と思います。  

担当の方がいろいろなケースを体験しておられるのは、大いに良いことだと思います。 ご発展を祈ります。

 小林 晃 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.27    

お忙しいところ返信ありがとうございました。

●「根本原因分析」((問題の起こる)メカニズム)については第1箱、第2箱、第3箱のそれぞれの段階で、実は繰り返し  深める作業をしている

●第2箱の段階は、「現実の世界」でどこまで考えたのかを確認しているものです。それが、本当に物理的に見て正しいだろうかと  再確認をしている

●第3箱に行く段階で現在システムの分析を複数の観点からして根本原因を明らかにしている(再確認・修正している)こと

●理想を考えることも問題の(欠陥の)根本原因がわかることがある

等いろいろ気づきが得られる助言を頂き感謝します。

またデータフローに関しましては
   フローチャート:   USITを実施する上での手順、順番等の流れに重きをおいて記述したもの
   データフロー:   USITを実施する上で、各箱で、どのような情報を得るべきかに重きをおいて記述したもの

と理解し、必要な情報を得るために手順を固く考えることはしないと理解しました。

先生のHPで改めてCrePSの資料も読み込んでみます。

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 6.28 付け) 

編集者より:  「私の研究のまとめ: 科学技術分野の創造的問題解決法から、社会的問題の根本を考え直す」 (参議院議員選挙を控えての所感)(中川 徹)

(注: このホームページ掲載の内容を、HPへの掲載に先立って6月24-27日に約250名の方に、プリントと冊子を同封して郵送しました。実物を見て返信くださった方が沢山あります。)

 


 

 飯田 陽一 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.28   

貴兄の論文拝受いたしました。藤田孝典さまの本はまだ拝見していなかったのですが、貴兄の「論点と可視化(図示)とまとめ」は非常にわかりやすく、これからお互いに議論をすすめて行くうえで、問題点を的確に把握できると思いました。我々も老年期にはいって、ご指摘の社会制度や経済の問題はいつも重要な関心事です。

老年期のもう一つの重要な問題は、今回あまり触れられていませんでしたが、老年期の社会的孤立と心の問題ではないでしょうか。今年は、当方自治会の役員を仰せつかって、福祉部長をやっています。主にシニアの方々のお世話をすることがおもな役割ですが、ひとり暮らしの方々に一緒に楽しんでもらう機会をつくったり、お世話をしています。その時にも、お互いに痴呆症の話題がよく出てきて、私たちの共通の不安になっています。

当方、定年退職後はいままでの仕事をはなれてしまいましたが、貴兄はまだ仕事を頑張っておられるのに敬意を表します。わたしは、定年後札幌から50年ぶりに関西に帰ってきて、新しい環境に慣れるのにずいぶん時間がかかりました。この頃やっとこちらの環境に慣れて、いままでできなかったことをやろうと思っています。そのひとつは、関西は昔から日本の歴史の宝庫なので、それを実際にみて歩くことを楽しみにしています。高校時代に習った日本の歴史は知識だけでしたが、それを実際にみることは非常に面白いものです。特に大阪府には隠れた名所がたくさんあり、観光案内や書物にもあまりのっていないところを訪れるのを楽しみにしています(一例:大阪から大和路線の途中に高井田駅があり、下車してしばらく行くと、横穴式古墳があります。森の中の断崖にたくさんの洞窟が彫られていて、すべてむかしの古墳で、関西では大変めずらしい。柏原市の歴史資料館あり)。

 

 岩崎 不二子 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.28   

先日は、力作のお仕事の冊子をお送り下さいましてどうも有難うございました。 元の本を読んでないのですが、何となく内容が分かるような気が致しました。 日頃不勉強で、面倒なことは避けて通っているものですから、私自身も大変危 ういのですが。
欲を言えば、もっと簡単なレジメもできればいいなあと思った次第でございます。

お陰様で元気にしております。6月初めには、上高地から明神池、乗鞍の小さ な山などハイキングをしてきました。

  中川 徹  ==>  岩崎 不二子 さん    2016. 6.28  

返信ありがとうございました。 ハイキングをしておられるとのこと、お元気で素晴らしいですね。 沢山の資料をお送りして恐縮です。

『下流老人』に関する24頁の冊子から、1ページだけを選択し、さらに簡略化したものが、資料[4] の図です。近い将来に、現在の全国平均年収 400万円の人たちが、その老後に「下流老人」になるリスクが極めて高いことを言っています。   

 

 唐木田 健一 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.29   

諸資料をお送り下さいましてありがとうございました。拝読いたします。

私の学生時代においても選挙結果は自民党が多数を占めていましたが、知的社会の世論は明らかにそれとは異なっていました。現在ではすでに、知的社会は崩壊してしまったようです。個人がそれぞれ地道に活動していくほかはありません。お仕事の御発展をお祈りいたします。

 


 大岩 元 (慶應大学環境情報学部、名誉教授) さん  ==> 中川 徹   2016. 6.29   

なつかしい筆跡を宛名書きに発見して、胸をおどらせて開封しました。

私が長年追求してきたプログラミング教育が、世界中で小学生から行なうことが始まって 忙しくなりました。

その中で、私の創造活動の方法論として、 KJ法を利用してきました。
慶応の私の研究室のウェブサイト、 http://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/ の中で一番アクセスのあるのは、私の授業メモです。
KJ法とググルと、ウィキペディアの次に出てきます。 http://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/lectures/kj/kj.html
ここには、私が発見したKJ法のキモが書いてあります。
関連資料も http://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/kj.html からダウンロードできます。

「下流老人」の可視化は、私の主張する原則通りに作られています。 1度ゆっくり時間をとって、Triz、CrePS との関係を議論するのが よいと思いました。

関係する、もう1つの私の研究はHCPチャートです。
目的を手段に展開する過程を図解して構造化されたプログラムを設計する 方法論ですが、プロジェクト一般の計画段階で有効です。 http://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/projects/2005hcp/index.html
この方法で、Computer Scienceの基礎概念である抽象化を 教育することができます。これができない人が非常に多いです。

プログラミングについては、日本語プログラミングが決定的に重要だという 結論に達しました。
情報処理学会にのった論文を添付します。

図解化は、母語による言語化とともに、創造活動の原点だというのが、 これらの研究を通じての私の結論です。
とりあえずの感想と近況の御報告まで。

  中川 徹  ==>  大岩 元 さん    2016. 6.30  

返信ありがとうございました。 『下流老人』の「見える化」の図を評価いただき、ありがとうございます。この図を作るのに使った「札寄せツール」の作成者の片平 彰裕さんに、CCさせていただいています。

KJ法のページと、添付いただいた論文を読ませていただきました。  
「識字教育」(リテラシー教育)として、大きな観点で書いておられること、大事なことと思います。  
HCP は、いくつもの構造化チャートの中で、やはり一番素晴らしい ものと思います。実際のプロジェクトで使っておられるのですね。

 大岩 元 さん  ==> 中川 徹   2016. 7. 3    

ホームページ転載は大歓迎です。

今、文科省は日本の教育体系を21世紀型に転換しようとしています。 http://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pf_pdf/20130627_4.pdf 
創造活動はその中心課題です。 プログラミング教育に関する最近のエッセイを添付します。

 


 F さん  ==> 中川 徹   2016. 6.29   

TRIZ、CrePS、 そして「下流老人」問題への具体的適用に関する資料をお送りくださいましてありがとうございました。まだ十分に目を通していない段階ですが、現在の日本の社会状況に対する洞察と示唆に富んだものと感銘を受けました。

藤田氏の著書、私は読んでおりませんが、読者の書評の中に「自己責任」とか「生活保護へのタカリ」とかの意見があるとのことで、やはりそうか・・・と思いました。日本だけでなく世界的に、「負けた人」、「弱い人」に対して冷たく不寛容な風潮がどんどん強くなっているように感じています。

なぜそうなったのか、私はもちろん専門家でないのでよくわからないのですが、1991 年のソ連邦の崩壊の後、そんな傾向が顕著になってきたような気がします。「自由」を基盤として発達した資本主義が種々の負の側面を持ったため、それに対抗して発生した社会主義は「愛」の一形式であったと言えるのではないかと思います。しかし産業・経済のやり方として社会主義はうまく行かないことが明確に証明されて、いわゆる冷戦は西側の勝利に終わったわけです。

それで自由競争、競争原理万能みたいな考え方が広がって、上に記したような「負けたのは、その人の責任」という意見が多くなったように思います。

今回いただいた「論考」の結びに記されているとおり、「自由」が第一原理であることは間違いないことですが、自由と自由の衝突すなわち競争の結果、勝者と敗者が生ずるのは必然で、全員が勝者になることはありえないでしょう。世の勝者はこのことを十分理解してほしいと私は常々考えています。

勝者が敗者に対して配慮を欠くとすると、それは結局自由という第一原理を否定することになる、と思うのですが、これに気づいていない勝者が多すぎます。そういう人たちで社会が進むと、いつかは歪みが蓄積し、社会の不安定要因が増大します。つまり勝者は自身が成功を収めてきた社会の秩序を壊す ― 自分で自分の首を絞めることになるでしょう。

敗者・弱者への思いやりは、第二原理の「愛」を持ち出さなくても、第一原理の「自由」を守るという理由だけでその必要性が理解できると私は考えているのですが・・・。

資料をお送りくださった趣旨とはずいぶんずれてしまいましたが、最初に感じたことを記させていただきました。

 

 村田 朋美 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.29

いつも情報を頂いて恐縮です。私が果たすべき義務は忘れておりません。頑張って原稿をお送りするつもりです。  

今日は横浜での再生エネルギー展に行ってきました。個別技術(例えば超微細加工ができるレーザー技術で針の先に横穴をあけるとか、シリコンウェイファーにひずみなく微細な加工が初めて可能になる)のブースでは、「ビジネスとしては弱いこと、もっと 多様な応用先を考えビジネスモデルを考えることが必要、技術のリスクマネジメントができていない」ことを伝え、是非、TRIZ をネットで見て、参考にしなさい、とPRしておき ました。

皆さん意外に視野が狭く、発想を広げる努力が足りません。個別の技術を社会のシステム技術(最終製品群が生きる姿)の中に位置づけることが下手です。   [(注: 中川) このテーマで原稿を書いてくださる予定です。]

 

 竹中 章郎 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.30

このたびはTRIZについて興味ある資料をお送りいただき、有り難う ございます。たいへん参考になります。相変わらずご活躍されてい ることをうれしく思います。

小生は若い連中を啓蒙し、研究と教育をサポートすることで楽しく やっています。お会いできる機会があることを期待しています。

 


 鳥居 達生 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.30

突然資料を送っていただき、中を見て二度驚きました。 ホームページも一部拝見しました。

高齢者の貧困問題は困難な大問題です。 有効な政策とそれを実行する力・エネルギーをいかに作り出すかです。
それに今、一番の問題は 自衛隊の海外派兵を可とする戦争法です。

自由と愛の相克は確かに人類の生存の矛盾です。
自由(自己愛、自己肯定、自信、誇りなど)生きる上で必要です。
人間は一人では生きていけません。社会的に共同して生きるしかありません。
隣人愛(許すこと)は自由と統一されなければなりません。
個々の自由は、一般に対立、矛盾します。

それを解決する方法が民主主義(弁証法)だと思います。
前提は、個人の尊厳、対等平等です。
エンゲルスは真の平等,真の自由は共産主義といいました。 何が真かは永遠の課題ですが

  中川 徹  ==>  鳥居 達生 さん    2016. 6.30  

返信いただき、ありがとうございます。

自由と愛の相克(「自由 vs. 愛」)の根源的な問題に同感をいただきありがとうございます。  
「平等」という概念がまた、難しい問題を含んでいる。「平等」と「自由」とが矛盾する面がある。   
それでも「人間の個人の尊厳、個人としての本質的な平等」 が、人類文化の前提(「倫理」)であると思っています。

取り急ぎお礼まで


 

 長谷川陽一 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.30

富山県の公立高校で 世界史の教師をしていた伯父へいただいたメールを転送しました。

(返信(中川): 『TRIZホームページ』は公開ですから、その更新案内のメールも、いつも転送歓迎です。 )

「社会問題の因果関係の図示」 は 非常に重要で、 それを まざまざと図示できれば 一般の人たちが 問題の構図 と 採るべき対策 を理解できるのは勿論のこと、 現政権さえ 考えを改める可能性までありうると思います。  
(「財源はどうするんだ?」という話に必ずなるので、一筋縄にはいきませんが。)

 

  村上俊一 さん  ==> 中川 徹   2016. 6.30

別便でお送りいただいた資料、下流老人、創造的問題解決、その他を拝見いたしまし た。

下流老人の資料をみて、将来に大いに不安を覚えました。創造的問題解決のこと は中川様がYMの会などで毎回説明していらっしゃいますが、もう一つわからないとこ ろがあり、歯がゆく思っています。次のYMの会で教えていただけるとありがたいで す。

 


 

  笹間 史子 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.1

いつもHPのお知らせをありがとうございます。そしてこのほどは おいそがしいなか、メールに加え冊子もお送り いただきまして、 ありがとうございました。

勉強不足のため、いつまでたっても TRIZをよく分かっておりませんが、先生のお送りくださる メールやサイトを拝見しては、主体的に、そして創造的に 問題に向き合うことの重要性について、そして、それが決して 技術的な問題に限られたことでなく、大小さまざまな問題に 適用できるのだということについて、認識を新たにしています。

見える化された『下流老人』は、本を読み返すように、初めから 最後までじっくりとたどりながら、より深い理解を目指すのに 使えるのはもちろんのこと、ちょっとあいた時間にどこかの頁を 見るだけでも、個々の論点について(さっと短時間で)振り返る ことができ、大変ありがたく拝見しております。視覚的な効果ですね。

先生が示してくださった「本の見える化」は、今後、 私自身が読んだ本についての理解を確認し、深めるためにも、 また授業で学生たちへの課題としても、使っていけたらと思い ます。

格差の拡大、人間が制御しきれない力に大きく依存を続ける エネルギー政策、我々に安心して生きていくことのできる 世の中を作ってくれるとは思えない新憲法草案...。 安倍政権の向かう方向に私は大きな疑問を持っています。 新聞などで報道される選挙予想を見ても、この方向は大きく 変わりそうにありません。それでも、我々みなが選択していく 未来と、1人1人の一票に希望を持ちつづけたいと思います。

教員という立場上、学校で自分の政治的な考えについて 述べることは(基本的に)しません。しかし、選挙参加を勧める ことはできます。先週も2回生のゼミで選挙に行こうと語りました。 以前と違い、今では大学生は全員有権者です。私は20歳で 初めて投票したときの、初めて政治に「参加した」ときの、 涙が出るような感動が忘れられません。学生たちも、40代の 私とはまた違った視点から、私よりも長くこの日本で生きて いく立場から、じっくり考えて(いえ、仮にじっくり考えなかった としても、それでも)一票を行使してほしいと思っています。

  中川 徹  ==>  笹間 史子 さん    2016. 7.1

メールありがとうございます。 いろいろ積極的なご感想を書いて下さり、「あぁ、そんな風に使ってくださっているのだ」とうれしくなります。  

先便で、「Amazonのカストマーレビューを、学生のレポート課題の参考資料の一つとして批判的に読ませる」という感想を書いて下さっていたのは、私自身にも参考になりました。

ところで、笹間先生は『下流老人』の原書をお読みになりましたか?今回のメールには、そのうえで、本とこの「見える化」との関係を書いてくださっているのでしょうか?

いま、「見える化」のツールを作られた片平彰裕さんと一緒に、この札寄せツールとその使い方の紹介の記事を準備しているところです。Excelで使いますので、非常に簡単です。もし、原稿を読んで、試用いただけるとありがたいのですが。笹間先生はもちろんですが、ほかの先生でも興味を持ってくださる方はあるでしょうか?


 

  匿名老人 I さん  ==> 中川 徹   2016. 7.1 

貴氏作成資料により、書籍「下流老人」の内容論理が平易に分析図式化されていて、問題の重要性が良く分かりました。

世界が羨む様な日本人の長寿振りですが、これを実りある成果とする事が大切と思います。人間活動の地球規模化に伴う種々の影響に対処する為の妥当な施策が必要でしょう。差し当たり以下の施策が有効と思料致します。

1. 「生活保護」の扶助内容を必要に応じて選択出来るものとし、受給条件を緩和する。過度な困窮前に発動される支援網を構築提供する。

2. 年金制度を改革して’積み立て方式’に移行させる。更に保険料に累進性を持たせる。

3. 過多な資産に課税して、社会的公正、流動性の実現を目指す。

  池添 康正 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.2   [仮名遣い ママ]

お手紙とクレスプに関する資料、受け取りました。

名誉教授になられた後も このやうに人間や社会に関する問題に積極的に取り組んで 活躍なさってをられるご様子、驚き感謝です。駒場でハンドボールの練習、三鷹のバプテスト教会でのお交はりなどを 思ひかへして、なるほど中川くんはさうなんだと納得です。

僕は 「下流老人 (藤田孝典著)」をまだ読んでゐません。近いうちになんとか読んでみたいと思ひます。自分をふくめたご近所の老人、教会の仲間、その他を見まはして思ひ当たることがあります。 しかし、個人でも老人問題は大変です。社会でのそれは さらに輻輳してゐて大変です。 イエスさまは 「貧しい人たちはいつもあなた方といっしょにゐる(ヨハネ12章8節)」と言はれました。家庭や教会、地域社会の役割が大きいといふことでせう。

 

  芳岡 隆三 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.2 

わざわざ貴重な資料を送っていただき有難うございます。

私は TRIZ そのものをよく理解できているとは言えませんが、ぼんやりとこの方法論が社会学や経済学の 分野に広がる可能性があるのではないか、またそれを期待したいなと感じていました。 経済学は「経世済民」という言葉から出たように、世を導き民をたすける学問でなければなりません。 しかし、近年のノーベル賞受賞者をみても判るように経済学はその本来の機能を見失い、格差の拡大に 役立つような学問(学問といえるかどうかぐらいです)に堕落しています。 CrePS の概念は経済学を駆逐するかも知れません。 それを願望しています。

日本では非正規雇用者が4割を超えていますが、到底まともな国の姿とは言えません。 一部の新自由主義者によって牛耳られているうちに、とんでもない格差社会に変貌してしまいました。 (世界的にも同様の現象が起きているというか欧米の方が先なのでしょうが トランプ現象もその象徴でしょう) 経済学者はこういう問題に関心がないのか、また異を唱える学者は活躍の場を失う構造になっています。 格差や貧困の問題とどう向き合うのか。 新しいアプローチの世界では経済学には退場してもらうしかなく、CrePS のような新しい概念がとって代わる事が期待されます。


 

  岡 ミチオ さん  ==> 中川 徹   2016. 7.3

先日TRIZ資料(封書)一式受け取りました。関連するメール2通も受信しています。

残念ながら私には「創造的な問題解決の方法論」の基本がよく理解でいていないので、CrePS含めてコメントできません。昔学んだQC(QA)手法等を想起します。   

「下流老人」[の「見える化」資料] は先日の甲陽会でいただいて読ませていただきました。「見える化」は確かによく出来ていて(本の要旨の一連の図示化)、これを見れば、本は読まなくても内容は理解できます。  ただ素人の私にはTRIZとの本質的な関連がよく理解出来ません。すみません。         

「自由」と「愛」の趣旨はまったくその通りだと思います(自由vs愛)。 ただ「愛」という言葉がベストなのでしょうか。ちょっと違和感を感ずるのですが。

今の日本は「優しさ」「謙虚さ」を忘れ、無視?し 秘密保護法、自衛隊戦争の参画?マスコミ統制等々。そして規制撤廃、自由競争、自己責任の論理、格差の拡大−−「やさしさ」「思いやり」のない強者の論理の社会です。

その意味で 貴兄のメールの趣旨「−−格差の拡大と人々の貧困化をもたらしている現政権が、今回の参議院選挙で、平和憲法を改悪する勢力に達することを阻止するべき」とのご意見には私も賛同致します。

また私が今最も危惧しているのは、原発も含めた地球環境の問題(地球温暖化、大気汚染、水汚染、環境破壊等)であり、これらに起因する地球規模での自然災害の拡大、地球破壊?への動きが確実に迫っていることです。

ではまた。健康第一で、夏場を乗り切りましょう。益々のご活躍お祈り致します。    

  中川 徹  ==>  岡 ミチオ さん    2016. 7.3

返信ありがとうございます。いろいろ、賛同いただいており、心強い限りです。 いくつか、返答します。

(a)  『下流老人』の「見える化」資料は、TRIZとは独立したものです。私が、TRIZ (あるいはCrePS) を社会問題に適用していこうとしたときに、「高齢者の貧困」の問題をテーマとしてとりあげた。そのテーマをまず自分で理解するためにこの本をとりあげ、その論旨をできるだけ明瞭に示せるように「見える化」 (図解)をした、ものです。

(b)  「自由」が人類文化の第一原理(第一の目標、スローガン)であり、「愛」が第二原理であると捉えています。「愛」は、仏教の慈悲や、キリスト教の愛や、日本文化の思いやり、また母の子に対する愛情などをすべて含めたものです。


 

  三井 斌友 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.3

お久しぶりです。先に資料一式をお送り下さり、まことにありがとう ございます。もう大阪学院大学を定年退職なさり、柏市に戻っておら れるのですね。小生も2年前に同志社大学を「第二の定年」で退いて からは、少し楽をしながら暮らしています。

浅学にして TRIZ のことはよく存じませんが、在職時からたいへんご 努力をなさっていることは、うかがっています。お送り下さった資料 を拝読し、小生なりの理解に努めたいと思っています。

それにしても 日本社会の現状はたいへん憂慮すべき状態であることには同感します。 そのなかで、安倍晋三を先頭とする輩が行っている「政治」の改革が 必要なことにも、全く同感です。

話は変わりますが、小柳義夫さんはよくご存じと思いますが、小柳さ んが最近の『応用数理』(日本応用数理学会の会誌)に「応用数理の 遊歩道」と題する随筆を連載していて、その第1回(本年3月号)で は、最少二乗法に関する回想を書いています。これはご存知でしたで しょうか?

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 7. 5 付け) 

読者の声 (2016年6月〜) [和文ページ] 小林 晃、 大岩 元、 Fさん、 村田朋美、笹間史子、 匿名老人I さん、他計17名

編集ノート(中川 徹、2016. 7. 5)   私は7月6日〜14日に旅行のため不在にします。メールなどは15日以降に処理いたします。(参院選挙は期日前投票をすませました。)

 


  某 先生  ==> 中川 徹   2016. 6.26    [注(中川): 文面を書き直し、要旨だけにしております。]    (掲載: 2016.7.31)

科学の最先端の創造的な(独創的な)研究が沢山、TRIZとか創造性技法とかとは関係なしに達成されている。

また、そこでは、誰にでも使える/いつでも使えるような簡単な「創造的な研究を行う方法」があるとは考えられていない。

科学の最先端の人たちで集まって「創造的な研究の方法論」に関連して(より広いテーマで)複数回のシンポジウムを開き議論したことがあるが、共通の方法論があるという認識にはならなかった。

これらの経験から、TRIZの技法や新しいCrePSという方法論については(その方向をおぼろげながら理解しているつもりであるが)、最先端の科学の研究方法に直接的に深く関係しているとは思えない。

  中川 徹  ==>  某 先生    2016. 6.30      [注: 発信日付訂正(2016. 9.10)]      (掲載: 2016. 7.31)

ばたばたしておりまして、きちんと考えて書くことができませんので、取り急ぎ、今思っていることを、簡単に書きます。   [以下、別ページ参照。]

編集ノート(中川 徹、2016. 7.27)   本件は大事なテーマですので、返事を独立ページにしました。
     学術界における「創造的な研究の方法」とは? 「創造的な問題解決の一般的方法論(CrePS)」は寄与しうるのか? (掲載: 2016. 7.31)


  M. W. 先生 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.3

先日は、貴兄の素晴らしい論文をお贈り下さり、有難うございました。

文章として書かれたものの論理を、「見える化」することは、あらゆる分野に応用できる、画期的な技術であり、素晴らしいご研究と思いました。

私は先月に、自宅の庭先で転び、右肩を骨折してしまいました。翌週に手術して接骨し、今はアフターケアしているところです。姪たちに手助けしてもらい、ひとり暮らしができていますので、ご心配なく。


  日野 克重 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.5

猛暑が続いていますが、お元気でお過ごしのご様子なによりと存じます。 このたびは貴重な資料をお送りいただきありがとうございます。 ほぼ同じものは、先立ってご紹介いただいたWeb上でも拾い読みしておりましたが、今回書面でも再読させていただきました。 以下、ごく浅い理解にもとづく雑感です。

・ CrePSによる統合は壮大です。何より利用者にとってありがたいことでしょう。

・ より広く、CrePSと科学方法論との関係はどうなのでしょうか?

・ 教育は超重要と思います。問題解決法のようなことこそ教育界で導入が検討されるとよいですね。  
      (1点きざみの評価、AO入試、秋入学、早期英語教育等々のようなことばかりが事沙汰される教育政策は空疎だと思います)

・ 「独創」「創造性」は、キーワードの一つと理解しましたが、これらはどういう意味で使われているのでしょうか?  
      (たとえば、小中高でも、それらは必要なのでしょうか?)

・ 政治問題については、経済、教育のほかに、安全保障やテロの問題も大きいですね。

当方日頃つらつらと、「理論・問題・言語」ということ (ex. 数学、記述、プログラムなど) について愚考&実験を続けています。その過程で最近小さな発見をしました:-)。

『広中平祐の数学教室(下)』の中に、πの値を評価する前提として(したがってπの値は使わずに)円弧と線分の大小関係を示す所があるのですが、そこの証明がどうもまどろこしい (つまり本質をついていない) と感じたので自分ならどうするかとやってみたところ、案外うまくいきました。と言ってももちろん中高生の練習問題のようなものです。(既知周知のことではあるのでしょうが、こういう具体例で考えるのは楽しいです)。

  中川 徹  ==>  日野 克重 さん    2016. 7.23

7月5日にメールをいただいておりましたが、旅行の前日で、大急ぎでHPの更新作業をしておりましたために、見落としになってしまっており、大変失礼しました。 いくつも重要な観点を提示してくださっていますので、  取り急ぎ簡単に返答いたします。

(1) CrePS のビジョンを評価していただきありがとうございます。これを一緒にやって下さる(沢山の)方を求めております。

(2) 「科学方法論とCrePSの関係」というのは、非常に大事なテーマであると思っています。   

先日、大先輩の先生から、次の趣旨のコメントをいただいたこと があります。   

「科学の最先端の創造的な(独創的な)研究が沢山、TRIZとかとは関係なしに達成されている。
また、そこでは、誰にでも使える/いつでも使えるような簡単な方法があるとは考えられていない。科学の最先端の人たちで集まって議論したことがあるが、創造的な研究の方法論といったもので共通のものがあるという認識にはならなかった。   
これらの経験から、新しいCrePSという方法論が、最先端の科学に関係するものとは考え難い。」   

この問題提起は重要なことを含んでいると思います。 私は、6月30日にその先生に概要的な返事を書きました。(中略)

編集ノート(中川 徹、2016. 7.23)   この部分はを独立ページを参照ください。 (掲載: 2106. 7.31)

(3) 教育の場で、このような「創造的な問題解決の方法」を子どもたちに分かるように、身につくようにすることも大事なことです。ロシアや東欧・北欧を中心に、TRIZベースの創造性教育が試みられています。技法(ツール)でなく、考え方を伝えることが大事なことです。

(4) 「創造性」は、「自分で(自分たちで)考え出す/作り出す」ことです。それが「客観的に」正しいか、新しいかは、(望ましいことですが)「創造性」の必要条件ではありません。   

「独創性」になってくると、広い範囲で類似の既存のものがないことというニュアンスが入ってきます。

子供たちにとっても、「教えられたことの適用」だけでなく、上記の意味の「創造性」は必要です。「創造性」は子供のうちからずっと育てられるべきものと思います。

日野さんのメールを『TRIZホームページ』に掲載させてください。証明問題も面白いと思いました。

 


  笹間 史子 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.5

すぐにご返信をいただきながら、お返事がすっかり遅くなるうちに、HP更新のお知らせをいただいてしまいました。

『下流老人』はしばらく前に読みました。大変興味深く読み ましたが、読みながら、私たちがここまで「お金」に頼って 生きている現状にあらためて大きな疑問も感じました。 (もちろんこれは、著者の問題提起、分析、提言などには 直接関係ありません。)
野草を食べて飢えをしのいだ人の例が出てきます。生活 が困窮し、野草を食べねば飢えをしのげないというのはきわめて深刻な状況です。しかしこれは、普段食べられる ものに囲まていながら、私たちは飢えでもしないかぎりそれを食べようとしないということでもあります。私たちの 多くにとって、食べ物は100%お金を出して買うものになっ てしまっています。食べ物しかり、サービスしかり。お金は 便利なツールですが、これに頼り切った私たち(とりわけ 都市生活者の)暮らしは、現在のような急速に変化し、 また格差の広がる社会ではリスクが高いと思います。 身の周りから、少しずつでも変えていけたらと思う今日 この頃です。 すっかり脱線してしまいました。

最近は類似・関連トピックを扱った書籍が多く出ており (同じ著者による『貧困世代』、『下流中年』、『老後破産』 など)、これらもぱらぱらと眺めていたところでした。

先日 「見える化」した『下流老人』をお送りいただき、あらためて書籍と並べながら内容を振り返ろうと思っていたのですが、 まだできておりません。

お教えいただきました「札寄せツール」、もしよろしければ 使わせていただきます。

  中川 徹  ==>  笹間 史子 さん    2016. 7.5

(1) 「札寄せツール」は片平彰裕さんの作成で、すでに無償で一般公開されています。片平さんの「第一考舎」というサイトからダウンロードください。 http://dai1kousha.html.xdomain.jp/zukou2.html#download    
このサイトもずいぶんの蓄積がある、ユニークなものです。

(2) このツールの思想、使いかた、使用例などを、片平彰裕・中川徹で原稿準備中です。片平さんがほぼしあげられて、中川の部分が未完です。 ここに添付しますので、マニュアル代わりにし、また、原稿の改良の示唆をください。 (片平さんのソフトの中にもきちんとした説明がありますが、この新しい原稿がきっと一番簡潔でわかりやすいと思います。)

編集ノート(中川 徹、2016. 7.28)   本件(2)を、「札寄せ用具と図的思考(片平・中川)」の解説論文として掲載しました。その第1部を参照ください。


 

  K. A. さん  ==> 中川 徹   2016. 7.6

此の度は、「日本社会の貧困」、殊に「高齢者の貧困化」をテーマとした貴重な資料をお送りいただき、有難うございました。

私自身も年令80台となり、いただいた資料で取り上げている案件は日頃から痛切に考えさせられているもので、本資料により現状と問題点、更には目指す解決の方向などについて、更に認識を深めることができました。

殊に、「論点の可視化」は、問題点を理解・認識する手法として、本当に素晴しく、自分の認識が未だ不十分であったことも反省させられました。更かてお礼申し上げます。

ただ、本件について非常に残念に思いますのは、対処すべき深刻な問題が多々あるにも拘らず、所詮は根本的な解決策に必要な財源(お金)が不足しているということではないでしょうか。

例えば、担当している関係省庁にしても専門家であり(?)問題の所在は認識していても財源の目途がつかぬことから、動きが取れないというのが現実だと思います。いずれにせよ、財源確保のためにどんな方策があるか、難しい検討が必要です。

以上、簡単な感想を述べさせていただきましたが、この度「創造的な問題解決の方法論」『TRIZ』の一端に触れることができましたことは収穫でした。


  岩切 陽子 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.7

いつもTRIZのメールを送信していただいております鹿児島の岩切です。 先日は資料の方も郵送していただき、ありがとうございます。興味深く拝読させていただきました。

メールに出てくる札寄せツールとはどのようなものなのか紙面で広げて見る事ができました。 事象やアイデアを附箋に書いてホワイトボード等に貼り付けていくアナログな思考法は経験した事がありますが、Excelを使うとより自在性や便宜が高まり思考の発展に繋がりそうです。

そして「見える化」=ビジュアライゼーションの重要性も確認できました。 よく「何が問題か分かれば90%は解決したようなものである、だから問題解決能力というより問題発見能力が大事」といわれます。

また複数で討議する時の土台となるという事も合点がいきました。 それぞれの発言のベースとなっている認識が違っているのに気付かないまま進んでも有意な議論とはなりません。 漠然としたものを明確にし共有するのに最適なツールなのでしょう。

その札寄せの図を眺めていて私も取り上げられていたテーマについて思い浮かぶ事がありました。 「どの地点にいるかではなく、どの方向を向いているかだ」というような格言を目にしたことがあります。 様々な原因が重なり生活保護を受ける状態に至った人でも、高齢で病気になったり寝たきりになった人でさえも、何か必ず前向きに出来る事があるはずです。 今の自分を嘆くのではなく肯定して、今日よりは明日、という小さな目標を設定しスモールステップを踏んでいけばいいのではと感じます。
生活保護を受給する条件として何かボランティア的な事をする、地域の清掃でもいいし人手不足が問題となっている介護施設関係で簡単なお手伝いをするようにする事なども考えられます。 人の役に立っている、人に喜んでもらえる、自分にも出来る事がある、ということが自尊心や生き甲斐になりうるからです。

また家賃の負担が重い事に関しては、高齢化社会において他に問題となっている事の一つである空き家の活用もできます。 一定期間以上空き家を放置すれば高い税金を課し、生活保護を受給する方々が助け合って生活するシェアハウスの場として公共の使用に供すれば免除するなどです。 もちろん入居者のプライバシーは確保されるようにしケアマネージャーのような人が共同生活がうまくいくようにサポートします。 他の問題と組み合わせると違った視点の発想も出てきます。

そして「原則は、高齢者が働かなくても生活できるようにすること」という札にも目が止まりました。 今の定年制度の原型は戦前平均寿命が55歳くらいだった時に作られたのだそうです。 定年後の余生は5年くらいという事が前提だった制度を、人生80余年の現在に、定年年齢の設定を大きく修正しないで適用しています。
60代以降は義務から解放されて好きな事だけをできるのがベストかもしれませんが、社会人になる前の20余年と合わせて人生のうち半分の期間を働かないで過ごすのは国家状況的に不可能なので次善のコースとして生涯現役で働けるという事を喜びとするように価値観を変えた方がいいのかもしれません。
前述させていただいたように、人は何かする事があった方が幸せでいられる、「動物」というのはやはり「動く」べき生命体なのでは、と当たり前の事に気付かされます。 そうすることで心身共に健康で良い人生を送れるからです。

以上のような事などを次々に想起させられ、札寄せ図の効果の一端を実感しました。 6箱方式の具体と抽象を行き来するというやり方も機会があれば身近な問題に使ってみようと思います。

資料をいただいて、中川さんが取り組まれていらっしゃる事のほんのガイドライン的なところだと思いますが、少し垣間見させていただいたような気がしました。
高齢者の貧困は中国でも将来予測され韓国では既に顕在化しているそうですし、また少子高齢化は全ての諸国が帰結する人口構成であり、日本は課題先進国としてモデルケースになる使命があります。
神様は越えられない課題は与えないといいますし、歴史が示しているように、どんなに光明が見えなさそうな事でも、人類の叡知の集積で解決していくのでしょう。

中川さんとご同志の方々もその一翼を担われていらっしゃっており、今後のご活躍も心よりお祈り致します。 そして活発に動かれるためにも、どうぞ健康第一でお過ごしくださいませ。 このたびはありがとうございました。

  中川 徹  ==>  岩切 陽子 さん    2016. 7.16

メール、ありがとうございました。旅行に出ており、昨日帰国しました。

札寄せによる「見える化」に関していろいろ感想を書いて下さり、ありがとうございます。 岩切さんがいろいろなことに興味を持って考えておられることが分かり、うれしく思います。

岩切さんの今回のメール(あるいはそれを推敲いただいたもの)を 『TRIZホームページ』の「読者の声」のページに掲載させていただけないでしょうか? 実名/ニックネーム/イニシャル のどれでも対応できます。それでも実名で出させていただけますと、お父さんのことを覚えているYMCAの仲間たちの目に触れて、ああ岩切哲郎さんの娘さんが元気にしておられるのだと、懐かしく思い出してくれることと思います。

どうぞお元気でお過ごしください。


  島田 宗洋 さん (救世軍清瀬病院)  ==> 中川 徹   2016. 7. 8

先日は、「「自由」vs. 「愛」:人類文化を貫く主要矛盾―『下流老人』に対する人々の議論を踏まえ、その根底を考える」と題する論考をお贈りくださり誠に有難うございました。大変興味深く読ませていただきました。

7月5日(火)仕事が終わった後、18:00から、わたしの職場(救世軍清瀬病院)で第14回「清瀬祈り会 Kiyose Prayer Meeting」がありました。キリスト者医科連盟の重鎮(順天堂医科大学名誉教授)で現在はわたし達の同僚、稲葉裕(ゆたか)先生を中心に約5名の医師で「清瀬祈り会 KPM」を行っております。今回は、わたしが司会役だったので貴兄の力作、藤田孝典著「下流老人」第3章の論点可視化の図示をコピーして参加者に紹介しました。共に考える契機にしたいと考えたからです。

この問題は、命を脅かす疾患や不治かつ末期の患者さんのお世話をさせていただいているわたし達の職場にとっても非常に重要な喫緊の課題です。紹介の許可をいただきありがとうございました。

「下流老人」の可視化図示を出席者に配ってわたしから簡単に説明させていただきました。この問題は決して自己責任レベルの問題ではありません。自由には責任が伴ないます。マクロ経済だけに関心を示して適正な富の分配を後回しにしたり、この問題に自己責任を持ち込むような為政者は排除して行かなければならないと思います。国民に誠実な政策を行なうことが政治家の使命であって、何がしの経済大国であり続けることや世界をリードしたいと思うような傲慢さとは本来的には何の関係もないとわたしは考えています。誠実な考え方をする政治家に活躍して欲しいものです。

追伸:僭越ながら現在の当院紹介を兼ねて、今年の前期昇天者記念会でのわたしのあいさつ文をPDFで同封させていただきます。

  中川 徹  ==>  島田 宗洋 さん    2016. 7.16

7月8日にメールをいただいておりましたが、旅行に出ておりましたため、返信が遅れまして、失礼しました。

添付ファイルでいただきました、貴挨拶文の「緩和医療や終末期医療のあり方や考え方」について読ませていただき、非常に参考になりました。  

自分自身についても、近親者についても、だんだんと、老いのあり方、死のあり方を深く考える時期になっておりますから、このことから目をそらさずにいたいと思っております。

このPDFの文書を一つの関連ページとして独立に掲載させていただく ことはできるでしょうか?

『TRIZホームページ』はもともとは技術分野からスタートしていますが、できるだけ広い視野で大事と思ういろいろな方の記事(国内/海外)を掲載させていただけるようにお願いしております。

 編集ノート(中川 徹、2016. 7.23) 本件の掲載の快諾をいただきました。独立ページを参照ください。


  砂田 登士夫 さん  ==> 中川 徹   2016. 7. 9

下流老人を題材としたTRIZの資料を頂戴し有難うございました。 下流老人という言葉そのものは昨今の社会的課題として認識して いましたが、具体的な事柄は不勉強で把握していませんでしたが、 資料を拝見して勉強になりました。

現役のころには幾つかの問題解決法を経験しましたが、現状から 課題を抽出して整理するまでは各方法論で進められたのですが、 その解決策を創出し、かつそれを実践に移すという段階になると、 関係する人々の置かれた環境や利害関係や、各人の育ち、経験の 違いなどから一朝一夕にはことが運ばず頭が痛かった記憶が 残っています。

それにしても、何時までも緻密な、かつ論理的な思考に取り組ま れていることに敬服です。
当方は、論理的な領域から離れて、昔の写真やビデオを取り出し てブルーレイ化するなど、感覚的な世界に入ってしまいました。 家内からアルバムが邪魔だから、そろそろ身辺整理兼ねて何とか せよ、という下命に従ってですが。 写真を前に自分なりにストーリを立ててビデオ化し、タイトルや 音楽を入れて試聴しては悦に浸っていますが、家内からは音楽のダメ出しが続き、映画製作者の苦労が分かった気がしています。

今は週に2〜3回泳いだり、春秋の天気の良い日には昔の仲間と ゴルフに行ったりと健康と体力維持に気を付けています。

中川さんも健康にだけは十二分に配慮されて、今後とも深い論考 に取り組まれること祈っています。

  中川 徹  ==>  砂田 登士夫 さん    2016. 7.16

メールをいただき、ありがとうございました。

解決策を創出し、実践に移すという段階は、確かに難しいことですね。  

諸技法で「解決のアイデア」を出すまではできますが、技法が出してくるものは、いわば「素人の思い付き」の段階 であることが多く、その中で何が本当のカギになるアイデアなのかの判断は、やはりその問題の分野をよく知っている人でないとできないことと思います。(これが 6箱方式の第4箱です)

さらに、きちんとした解決策に組み上げる(第5箱)、そして、それを実践に移し成功させる(第6箱)ことは、技法ではなく、その(アイデアの)分野の素養・技術・ビジネスなどがすべて揃わないとできないことです。

この第4箱から第6箱に至る部分は、工学や経営などの各分野の本来的な分担であると思います。そのような力、体制と組み合わさった仕事をしていかないといけないのでしょう。

上記の第4箱で、一見「素人の思い付き」のようであっても、いろいろな分野の広い一般的な知識から導出したもので、その固有分野だけで考えていた専門家とは違った観点のアイデアを出してくることが「発明の技法」のエッセンスであると思っています。


 

  M. I. さん (95才) ==> 中川 徹   2016. 7. 9

思いがけず「日本社会の貧困」を可視化しながら考える〜の「論点の可視化とまとめ」をお送りいただき、びっくり致しました。皆様の事もおなつかしく時々三鷹時代を思いだしてしておりますが、それよりも95才になりまして神様から充分すぎる人生を戴きながら、長生きの意味、何か先ゆきの不安、この老人の心もとなさに悩まされる自分の信仰の弱さが私を暗くしています。明日は選挙ですが、いくら公報を見ましても私の心を明るくする、これからの日本を明るくする党も個人もなく、もやもやしております。

中川さんのこの図示は私にもよく分かり、-17-頁の[10]にたどりつきました。ホッとしてお礼状のペンをとりました。私は足も弱りヨタヨタしていますが、娘のトナリで何とか過しております。奥様に呉々もよろしくお伝え下さいませ。

  反町 勝 さん  ==> 中川 徹   2016. 7.10

「下流老人」についての論考では、「自由」と「愛」の矛盾ということが今ひとつ小生の頭ではすっきり理解できないところですが、ヒマにまかせてぼちぼち考えます。

丁度、この本を読んでいましたので興味は大いにありますね。

  K. I.  さん  ==> 中川 徹   2016. 7.10

先日は、ご力作をお送りいただきありがとうございました。

自分には関係ないと思っていました「下流老人」が他人事でないことを感じました。年収だけでなく、健康に孤独(ふれあい)と、生きがいそのものが危うくなっています。

今日は参議院選挙の投票日でしたが、最近の政治は大きな政治志向で、身近な問題が置き去りにされているような気がしております。

定年退職後、市が主催する「100歳大学」に通っています。その内容は、「栄養」「運動」「会話」を中心とした、個人の生活の充実と、参加できる「場」の醸成に主眼が置かれています。まさしく先生が提言為されています「自己防衛策」や「政策の検討と提言」に似ています。

定年後は、これまでの人生をご破算にして、家内と「向き合い・寄り添う」ことを遂げようと考えています。

 

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最終更新日 : 2016. 9.10   連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp