Darrell Mann : ICMM Book  第7章 私はいま、どこにいるのか?

『イノベーション能力成熟度モデル (Innovation Capability Maturity Model (ICMM)) 入門編』

   第7章 私はいま、どこにいるのか?

Darrell Mann (Systematic Innovation, 英) 著 (2012年、IFRプレス)

中川 徹 和訳(大阪学院大学&クレプス研究所) (2021年 2月 19日)

掲載:  2021. 2.23

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  編集ノート (中川 徹、2021年 2月19日)

 Darrelll Mann の本の第7章です。本ページの記述は第1章と同様で、詳細目次、導入のための簡単な解説、そして本文です。訳文中の、( )は著者の挿入句など、[ ]は訳者の補足です。

 


 

 本章の詳細目次

第7章  私はいま、どこにいるのか?

7.1 イノベーション能力(ICMMレベル)の自己判定のための25の質問表

質問概要:  リーダーの役割、  成功する変化、  激動する市場の成功要因、  安定した市場の成功要因、  価値(Value)、  戦略の役割、  顧客ニーズの決定、  顧客以外のニーズの決定、  イノベーションの必要の決定、  イノベーションのタイミング、  目標と方向付け、  変化を現行ビジネスに統合、  顧客への正しい質問、  事業変更のための買い付け、  事業計画活動、  無駄(なもの)は?、  破壊的脅威に対する戦略、  厳しい状況でやる気にさせる、  錯綜したものを管理する、  未来の見方、  未来を予測する、  リソース(資源)、  学習、  成長、  リーダーシップ

7.2 質問表のスコアリングとICMMレベルの判定

レベル判定のやり方、 世界の事例、 スコア判定の作業表、 回答のスコア表

 


 

 本章への導入 (中川 徹、2021. 2.19)

あなたおよびあなたの組織が、イノベーションに関連して、どのような意識を持っており、どのような活動方針と実情にあるのかを知ることは、著者がコンサルタントとして指導・助言するためにも、またあなたが本書のいろいろな記述から適切な記述を読み取るためにも、必要なことです。そこで、ここに25項目の質問表を掲載し、読者が自分あるいは自分の組織の意識状況に近い回答を5つの選択肢から選ぶように指示しています。できるだけ正直に答えることにより、次節の方法で、ICMMのイノベーション能力の自己判定ができます。

質問の項目はその概要を詳細目次に示しました。5つの選択肢は、いろいろな著名な指導者たち(たとえば、Michael Porter, Peter Drucker, 科学者、政治家など)の文から選ばれているものも多くあります。各選択肢の順番はランダムに配置し、イノベーション能力のレベルを直接には類推させない工夫がしてあります。個別の回答は、(原書の各ページに記入欄がありますが)後述の「作業表」のページをコピーして、順次書き込むことをお勧めします。

すべての質問に回答してから、本章の最後のページの「スコア表」を使って、回答番号からスコアに変換し、「作業表」の指示に従って、記入していきます。そして、合計スコアから、ICMMのレベルの判定が得られます。世界の諸企業のレベル分布、および数件の著名なイノベーション企業の例を見ることもできます。

次章以下を読み進む前に、ぜひこの自己判定をしてみることを、著者は勧めています。

 

本ページの先頭

本書ICMMのトップページ 

本章の目次

導入(中川)

本文の先頭

7.1 質問表 (25項目)

7.2 スコアリングとレベルの判定

スコア表

 

 

 

編集後記

英文ページ


 

 原著第7章の和訳

 

 第7章  私はいま、どこにいるのか?

 

「私は現実が嫌いですが、それでも最高の場所です。
おいしいステーキを手に入れるのに。」
Woody Allen

 

あなたの組織のICMM(イノベーション能力成熟度モデル)による [イノベーション能力を]十分に評価するには(従業員の数によって異なりますが)、通常、1日から2日の対面インタビューとオンラインアンケートが必要です。ベータ版の顧客との経験から私たちが知ったのは、「私たちは [ICMMの] どのレベルにいますか?」という質問をして、実用的な [後の実行計画を判断するのに耐えうる] 答えを得るのには、これが必要最小限の時間であることでした(誰もが本当に忙しいですよね?)。この [調査をするという] 課題がより複雑になるのは、(大規模な組織では特に)一つのビジネスユニットの進化は、他のビジネスユニットの進化と、多かれ少なかれ違っている、からです。

 

7.1  イノベーション能力(ICMMレベル)の自己判定のための25の質問表

それにもかかわらず、この入門書をすべての読者の皆さんにできる限り関連性のあるものにすることは、私たちの義務です。そこで、[訳注: 以下の数文は文章の順序を替えて訳出しました。] あなたに、以下の25項目の質問表に答えていただき、あなた(あるいはあなたの組織が) ICMMのどのレベルにいるかを、自己診断できるようにしました。この質問表は、[従来から使用している]完全なアンケートから、大急ぎで作った簡略版であり、決して最終的なものではありません。この質問表に答えていただくと、[後述の採点法により] あなたがICMMスケールの5つのレベルのどこにいるかが、自己判定できます。その理解の上で、本書の残りの部分をお読みいただくと、そこに出てくる言葉をあなたの現在の環境の文脈と結び付けて考えることができ、より良く吸収できることでしょう。

(他の質問表でも同様ですが、)これを最大限に活用したいなら、どうぞ正直に答えてください。質問の意図は、あなたが「これが私たちが現在いるところです」という観点からできる限り正直に回答くださることです。また、(「正しい答え」がすぐに明らかになる多くの調査とは違って、)隠れている無形の要因のいくつかを調べる目的で、本質問表ではわざと答えをランダムに配置してあります。

次のページから始まる各質問は、[半] ページごとに一つあり、回答の選択肢が5つあります。あなたの課題は、あなたの組織の現在の状況に最もよく合う答えを一つ選ぶことです。[訳注: 原書のサイズA5に対し、訳書サイズをB5にし、各ページに2質問を配置して、コンパクトにしています。]

採点表は、25番目の質問の直後のページにあります。(もし、あなたがすでにこの表を見ていた場合には、それが少々複雑なことに気付いたでしょう。…それは本アンケートを進める最善の方法について、おそらくよいヒントを与えたことと思います。すなわち、[ともかくこれらの質問を順番に答えていき、] 各質問に対するあなたの答えを右下の箱に書いていきましょう。そして [全質問に回答した] 後で、それらの意味を読み解くために、採点表のページの説明にしたがって、処理ください。

[訳注: なお、本書に直接書き込まず、スコアのページの記入表をコピーして使うとよいでしょう。]

 

Q1: 組織におけるリーダーの役割に関して、私たちの見解に最も近いものはどれですか?

A: 「径が導くだろう所についていくな。径のないところを行き、跡を残せ。」Ralph Waldo Emerson

B: 「他の人々を導くことができるためには、人は独りで前進する意思がなければならない。」Harry Truman

C: 「もしあなたの行動が他の人々を刺激して、もっと夢を見させ、もっと学ばせ、もっと実行させ、そしてもっと成長させるなら、あなたはリーダーです。」John Quincy Adams

D: 「リーダーは実際的で現実主義者でなければならない、そしてしかも、空想家と理想主義者の言葉を話さなければならない。」Eric Hoffer

E: 「リーダーの仕事は、彼の人々を彼らがいる場所から彼らが行ったことがない場所に連れて行くことである。」Henry Kissinger

Q1

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q2: 成功する変化が始まるのは、....

A: 会社のトップからの明確に述べられたビジョン。

B: 意図と境界を明確に定義し、その後、チームにどのように進む(「旅」をする)かを自分たちで考えさせる

C: 望ましい行動を促すために褒賞構造を導入する

D: 組織内の非線形の「ピンチ」ポイント [隘路] を識別し、活用する

E: 「燃えるプラットフォーム」タイプの切迫感を創造する

Q2

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q3: 激動する市場では、次の10年間の主要なビジネス成功要因は、次の能力です。

A: 明確に伝達されたコースを操縦し続ける

B: 品質を向上させる

C: 新しいルールを導き出し、採用する

D: 自己組織化された適応システムを作成する

E: 才能を発揮する

Q3

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q4: 安定した市場では、次の10年間の主要なビジネス成功要因は、次の能力です。

A: 自己組織化された適応システムを作成する

B: 才能を発揮する

C: 新しいルールを導き出し、採用する

D: 品質を向上させる

E: 明確に伝達されたコースを操縦し続ける

Q4

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q5: 「価値(Value)」は次の要素によって決定されます。

A: 顧客がサービスまたは製品から得る利益の量で、コストを差し引いたもの

B: 有用な顧客の結果の、すべてのネガティブなものの合計に対する、比率

C: 顧客のトリプルボトムラインで定義されたポジティブとネガティブの比率

[訳注: トリプルボトムライン: 組織の活動パフォーマンスを、経済的側面・環境的側面・社会的側面の3つの軸で評価をすること]

D: 有用な結果の、すべてのネガティブなものの合計に対する、顧客が認識した比率

E: 製品やサービスが提供する利益から、そのコストを差し引いた差

Q5

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q6: 組織における戦略の役割に関して、私たちの見解に最も近いものはどれですか?

A: 「戦略の根底にある原則は永続的であり、テクノロジーや変化のペースに関係しない。」 Michael Porter

B: 企業は非常に矛盾している(一貫性がない)必要がある。一方で、戦略の継続性を維持しなければない。しかし、他方ではまた、継続的に改善することに長けている必要がある。」Michael Porter

C: 「戦略とは選択をすることである。それは故意に違う [ものになる] ことを選ぶこと。戦略の本質は、何をしないかを選択すること。」Michael Porter

D: 「戦略は、企業が独自性を追求する領域を示す。満足している顧客は、すべての中で最高のビジネス戦略である。」Michael Porter

E: 「戦略の本質は、達成しようとすることに限度を設ける必要があるということ。」Michael Porter

Q6

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q7: 組織は、現在および新たに起こりつつある顧客ニーズの決定について、どのようにしていますか?

A: セールス&マーケティングチームは、新たなニーズについて、技術部門と意思疎通する責任がある。

B: お客様の世界とその周辺での非連続性を探している。

C: 定期的に顧客満足度調査を実施している

D: 私たちは定期的に「現場(Gemba) を訪問」して、特にニーズに対するサービスの不足と過剰を探している

E: 私たちのお客様のニーズは変わらない

Q7

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q8: 組織は、顧客以外のニーズの決定について、どのようにしていますか?

A: 非連続性をグローバルに追跡し、これらを使用して、私たちが解決できる新たに起こりつつある問題を特定する

B: 競合他社に対する私たち自身のベンチマーク [比較] テストを行う

C: 業界の優先順位の変化と、さまざまな属性間のバランスを、積極的に追跡している

D: 隣接または関連する業界セクターを含め、同様の出力 [製品・サービスなど] ニーズを持つものを、積極的に調査する

E: 新しい顧客が来て、私たちを見つける

Q8

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q9: 組織は、どんなタイプのイノベーション(技術的またはビジネスなど)が必要かを、どのように決定していますか?

A: バリューネットワークのシミュレーションモデルを維持し、定期的なシナリオプランニング戦略セッションを実行する

B: 定期的に顧客ニーズのレビューを行う

C: イノベーションは、組織内の技術部門の責任である

D: 技術部門とマーケティング部門の間で、定期的な会議を開催している

E: 私たちはバリューチェーン全体で定期的にコミュニケーションを取り、サイロ [縦割り組織、たこつぼ] を解消する機会を探している

Q9

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q10: 組織はイノベーションのタイミングの決定について、どのようにしていますか?

A: 私たちはよく知っている較正済みの市場で、立ち上げ試行を実施する

B: 私たちは自分たちを「ファストフォロワー(速い追随者)」と考えている。他の誰かにリスクを負わせ、私たちはよりうまく実施する

C: 業界内の非連続性や対立を積極的に探している

D: 私たちは他の業界の変化で、自分たちの業界に影響を与える可能性のあるものを積極的に探している

E: タイミングは、顧客の入力によって決まる。もし顧客が変更を希望するなら、私たちがそれを届ける

Q10

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q11: 組織の目標と方向付けの見方を、最もよく例示するのは:

A: 「目標による管理が機能する。―目標を知っていれば、90%の時間あなたは [管理] しないでよい」Peter Drucker

B: 「あなたよりも優れた人を雇い、そして彼らに実行を任せよ。...卓越した者を目指す人々、ルーチンに安住しない人々を探せ。」David Ogilvy

C: 「あなたが見つけることができる最高の人々であなた自身を囲み、権限を委任し、あなたが決定した政策が実行されている限り干渉するな。」Ronald Reagan

D: 「適切な人材を選び、彼らに翼を広げる機会を与え、その背後にキャリア(航空機)として報酬を置くなら、彼らを管理する必要はほとんどない。」Jack Welch

E: 「あなたのトップマネージャーたちを金持ちにせよ、そうすれば、彼らはあなたを金持ちにするだろう。」Robert H. Johnson

Q11

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q12: 組織は、変化を現行ビジネスモデルに統合するための、最良の方法を決定することについて、どのようにしていますか?

A: 私たちは通常、バリューチェーンのかなりの部分を、イノベーションプロセスに最初から最後まで関与させます。

B: イノベーションと日常業務は2つの非常に異なる活動であり、異なるスキルを持った人たちで扱う必要がある。

C: 私たちは非連続な変化を一つの複雑なシステムとして管理し、行動に望ましい変化をもたらすことができる小さな入力を積極的に探す

D: 新しいイノベーションの統合が問題になることは、いまだかってありませんでした

E: 私たちはどんな引き継ぎの問題に対しても、それを処理するためのタスクフォースを設置します

Q12

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q13: 組織は、顧客に尋ねるべき本当の「正しい」質問を決定するのに、どのようにしていますか?

A: 私たちはヘンリー・フォードの言葉を借りて生きています。「もし私が顧客に何を望んでいるのか尋ねたら、彼らはもっと速い馬を求めたでしょう」。だから、大きな問題については、顧客に尋ねに行くことはしない。

B: 私たちは、顧客が私たちに「望んでいる」というものと、彼らが本当に望んでいるものとが、違うことを理解しており、だから、顧客トライアルを実施する

C: 私たちは「顧客は常に正しい」という信念に従って生きている

D: 広範な顧客テストは、顧客が本当に何を望んでいるかを判断するための、最も信頼できる手段である

E: 「ファストフォロワー(速い追随者)」であることは、顧客のニーズを誤解するのを避けるための最良の戦略である

Q13

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q14: 事業を変更するための「買い付け」のクリティカルマスを達成するための最良の方法は?

A: 「木を知っているので、私は忍耐の意味を理解している。草を知っているので、粘り強さを評価できる。」

B: システムを転換点にまで推進する周辺要因を創生し利用する

C: 人々の気持ちに影響を与える「真実」を見つける

D: 事実の明確で論理的な分析を、人々に提示する

E: 「経営陣の、継続的で不撓不屈の努力、粘り強さ、そして決意が、その日を勝ち取るだろう。」

Q14

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q15: 事業計画活動のどの見方が、私たち自身のものと最もよく一致しますか?

A: 「綿密な計画は、人が行うすべてのことを、自ずから表わすことができるだろう。」Mark Caine

B: 「計画は、すぐにハードワークに降ろされない限り、善意にしかすぎない。」Peter Drucker

C: 「決して振り返るな、あなたがそちらに行くことを計画していない限り。」Henry David Thoreau

D: 「最初に戦略的ビジョンがない限り、戦略的計画は無価値だ。」John Naisbitt

E: 「計画は無価値だ。計画することがすべてだ。」Dwight D. Eisenhower

Q15

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q16: 無駄(なもの)は?

A: あらゆるビジネスシステムの、本質的な副産物だ。

B: 「ある人の廃棄物は、別の人の資源だ。」

C: 最終顧客のための価値の創造以外の、いかなる目標のために費やされたいかなる活動または資源は、あらゆるコストで除去するべきものだ。

D: システム内または周辺での、イノベーションの可能性の主要な源である。

E: 収穫逓減の法則に従って除去が可能。次第により大きな努力を費やす必要があり、得られる利得はどんどん小さくなる。

Q16

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q17: 破壊的な脅威に対する最善の戦略は?

A: 信頼できる早期警報システムを、創生し保守する

B: ディスラプター [破壊的脅威を与える可能性のある企業] を、早期発見し、[M&Aで] 獲得する

C: ディスラプターがやってくる前に、[自分が] ディスラプターになる。

D: 脅威の可能性が重要でなくなるだけの、十分大きな規模の位置に到達する。

E: 脅威が発生する前に、脅威を先取りするための、プロアクティブな知的財産権の生成戦略

Q17

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q18: [状況が] 厳しくなったときに、チームをやる気にさせるには?

A: 人々をやる気にさせることはできない。意欲を削ぐことを避けること、それだけ。

B: 人々のやる気を維持する最良の方法は、陣頭指揮を執ること。

C: 人々のやる気を維持するための最良の方法は、困難な時期を予測して回避すること。

D: 「私たちが恐れていることをせよ。そうすれば、恐れは確実に死ぬ。」

E: 各個人はさまざまに違っているが、比較的少数の典型的な性格の人たちがいて、それぞれに明確に定義できる動機づけ(要因)を持っている。

Q18

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q19: 錯綜(したもの) (complexity) を管理するための最も適切な方法は?

A: 「単純に考えよ、馬鹿!」

B: 「感知し、分析し、応答する」

C: 「感知し、方向付け、配列し、応答する」

D: 「プローブを設け、感知し、応答する」

E: 「感知し、カテゴリ分類し、応答する」

Q19

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q20: 未来の見方について、私たち自身のものと最もよく一致するのはどれか?

A: 「変化は生命の法則である。そして、過去や現在だけを見ている人々は、きっと未来を見逃すだろう。」 John F Kennedy

B: 「未来は、自分の夢の美しさを信じる人々のものだ。」 Eleanor Roosevelt

C: 「未来は過去と同様に、現在に影響を与える。」Friedrich Nietzsche

D: 「未来を予測する最良の方法は、それを創造することだ。」Peter Drucker

E: 「未来についての最もよいことは、それが一度に一日ずつ来ること。」 Abraham Lincoln

Q20

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q21: 未来を予測する

A: 「経済学者たちは、彼らがユーモアのセンスを持っていることを示すために、小数点1桁の予測値を出す」

B: 「決して予測をするな、特に未来については。未来に備えるための最善の方法は、最も機敏になること。」

C: シナリオプランニングは、蓋然性のある未来の全体像を構築するための、最も賢明なアプローチだ。

D: 可能性のある非線形性を特定し、それらの関係をマッピングし、適切な「早期警告」信号を作成すること、がすべてである。

E: 「未来を予測する最良の方法は、それを創造すること。」

Q21

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q22: リソース(資源)

A:「「さもなければ」ということを想像する勇気が、私たちの最大のリソースである。」

B: リソースとは、再生可能および再生不可能な、物理的または仮想的な、エンティティであり、利用可能性が制限されていて、利益を得るためには消費する必要があるものである。

C: 資源の供給と需要の管理は、世界経済を動かす主要な手段である。

D: 時間が最も希少なリソースであり、それが管理されない限り、他の何も管理することはできない。

E: リソースとは、システム内またはシステム周辺のエンティティであり、そのポテンシャルの最大限にまで活用されていないものである。

Q22

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q23: 学習

A: 「学習は、変化に遅れないようにする生涯のプロセスである。」 Peter Drucker

B: 最大の学習は類推と比喩から来る

C: 現代の組織にとって最大の学習課題は、何を学ばずにいる必要があるかを学ぶことだ。

D: あなたの最も不満な顧客は、あなたの最大の学習源だ。

E: 「私たちがすべての学習を忘れたときにだけ、私たちは知り始める。」

Q23

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q24: 成長

A: 「成長のための成長は、癌細胞のイデオロギーだ。」

B: ビジネスは成長と変化であり、それはいくつかの災害を補うための、損失と絶え間ない新しい宝物を意味する。

C: 成長への鍵は、より高次元の意識を、私たちの認識に、導入することだ。

D: 成長は経済安定の主要な原動力の一つです

E: どんなシステムも、その成長には基本的な限界がある。

Q24

読者回答

 

スコア

 

 

 

Q25: リーダーシップについての見方で、私たち自身の見方と最もよく一致しているのは?

A: 「リーダーの仕事は、彼の人々を彼らがいまいる場所から、彼らがいままで行ったことがない場所に連れて行くことです。」 Henry Kissinger

B: 「径が導くだろう所についていくな。その代わりに、径のないところを行き、跡を残せ。」 Ralph Waldo Emerson

C: 「私はかつて、組織を運営するのは、交響楽団を指揮するのと同等であると思っていた。しかし(いまは)、そのとおりではないと思う。もっとジャズに似ている。もっと即興がある。」 Warren Bennis

D: 「例は、他の人々に影響を与えるのに、「主なもの」ではなく、「唯一のもの」である。」Albert Schweitzer

E: 「すべての偉大な指導者たちは、共通に一つの特徴を持っている。それは、当時の人々が持つ大きな不安に対して、はっきりと立ち向かった意欲である。これが(他には比べものがない)、リーダーシップの本質である。」 John Kenneth Galbraith

Q25

読者回答

 

スコア

 

 

 

 

7.2  質問表のスコアリングとICMMレベルの判定

以下に、質問表のあなたの回答について、個別質問に対するスコアの判定、そして質問表全体についてのレベルの判定方法を説明します。

[訳注: なお、個別質問についてのスコア表は、原書出版(2012年)以後微少修正され、2020年末に正誤表が添付されてきましたので、この訳書では、改訂版を使っています。また、原書では、スコアがテキストでの一覧表示でしたが、訳書では、一覧表の形式にして、わかりやすくしました。下記の説明で、(1)(2)(3)は訳書で工夫したものです。]

(1) 作業表: スコアの整理のためには、次ページの作業表をコピーしてお使いください。あなた自身の個人の考えの回答、あなたの仲間の人たちの個々の回答、あなたの部署や組織の一般的な考えの回答など、複数のセットを作るのに有用です。また、自分でも、年月を置いてやってみれば変化もするでしょう。

(2) 個別回答の記入: (本書に直接記入せず)個別の質問への回答(A, B, など)を、作業表の回答欄に順次記入していきます。

(3) 個別回答のスコア記入: 次々頁のスコア表を参照して、自分の各回答のスコア(1, 2, ...5) を、作業法のスコア欄に記入します。また、その右の 5つの数字のうちの該当するものを○で囲んでください(これをスコア分布表と呼びます)。

(4) ICMMレベルの簡単な判定: スコア分布表を縦方向に見て、回答のスコア1の数、スコア2の数、などを数えて、下欄に数を書き込みます。そして、どのスコアが一番多いかを見ます。もし、(たとえば)スコア2が一番多く、それが12件以上あり、その他の回答は他のスコア(の一部または全部)に散らばっているなら、」あなたの組織はICMMのレベル2にあると判定します。

(5) ICMMレベルのより科学的な判定法:  25の質問すべてから、スコア数を合計します。これには、スコア値×そのスコアの個数を計算して、合計するとよいでしょう。そのスコアの合計数を作業表のスコア合計の欄に記入します。

この合計ポイントを使って、あなたの(組織の)ICMMレベを次のように判定します。

合計スコア   25 〜 35     ==>   あなたの(組織の) ICMM  レベル 1
合計スコア   36 〜 60     ==>   あなたの(組織の) ICMM  レベル 2
合計スコア   61 〜 85     ==>   あなたの(組織の) ICMM  レベル 3
合計スコア   86 〜 105    ==>   あなたの(組織の) ICMM  レベル 4
合計スコア  106 〜 125    ==>   あなたの(組織の) ICMM  レベル 5

次章では、これらのレベルが実際に何を意味するのかを探ります。

そこに行く前に(あなたを元気づけるか、それとも、落胆させるかは分かりませんが)、世界の他の組織の平均的状況と比較する方法を次に示します。

レベル1    32%、 
レベル2  38%、 
レベル3   28%、 
レベル4    2%、 
レベル5    <0.01%                                          

あるいは、あなたがもう少し具体的に知りたいなら、ここに執筆時点 [2012年] での、いくつかの有名企業の分布状況を示しておきます。

レベル3: Samsung、Google、Intel、  
レベル4: GE、Apple、Procter & Gamble、
レベル5: WL Gore

 

作業表: 回答の記入、個別回答のスコアの記入、ICMMレベルの判定

質問

質問概要

回答

 

スコア スコア分布表

(A,..E)

(1,...5)

  (○で囲む)

Q 1

リーダーの役割

 

 

 

2

3

4

5

Q 2

成功する変化

 

 

 

2

3

4

5

Q 3

激動する市場の成功要因

 

 

 

2

3

4

5

Q 4

安定した市場の成功要因

 

 

 

2

3

4

5

Q 5

価値(Value)

 

 

 

2

3

4

5

Q 6

戦略の役割

 

 

 

2

3

4

5

Q 7

顧客ニーズの決定

 

 

 

2

3

4

5

Q 8

顧客以外のニーズの決定

 

 

 

2

3

4

5

Q 9

イノベーションの必要の決定

 

 

 

2

3

4

5

Q 10

イノベーションのタイミング

 

 

 

2

3

4

5

Q 11

目標と方向付け

 

 

 

2

3

4

5

Q 12

変化を現行ビジネスに統合

 

 

 

2

3

4

5

Q 13

顧客への正しい質問

 

 

 

2

3

4

5

Q 14

事業変更のための買い付け

 

 

 

2

3

4

5

Q 15

事業計画活動

 

 

 

2

3

4

5

Q 16

無駄(なもの)は?

 

 

 

2

3

4

5

Q 17

破壊的脅威に対する戦略

 

 

 

2

3

4

5

Q 18

厳しい状況でやる気にさせる

 

 

 

2

3

4

5

Q 19

錯綜したものを管理する

 

 

 

2

3

4

5

Q 20

未来の見方

 

 

 

2

3

4

5

Q 21

未来を予測する

 

 

 

2

3

4

5

Q 22

リソース(資源)

 

 

 

2

3

4

5

Q 23

学習

 

 

 

2

3

4

5

Q 24

成長

 

 

 

2

3

4

5

Q 25

リーダーシップ

 

 

 

2

3

4

5

 

 

 

個数

 

 

 

 

 

   回答スコア合計:                レベル判定: 

レベル スコア範囲

@ 25 - 35

A 36 - 60

B 61 - 85

C 86 - 105

D 106- 125

 

回答日

回答者

回答の観点(立場)

 

スコア合計

判定レベル

判定記入者

 

 

 

 

 

 

 

スコア表: 個別回答 (A, B, ... E) から スコア (1, 2, ... 5) に変換

質問

 質問概要

回答A

B

C

D

E

Q 1

リーダーの役割

4

1

5

2

3

Q 2

成功する変化

1

3

2

5

4

Q 3

激動する市場の成功要因

1

2

4

5

3

Q 4

安定した市場の成功要因

5

3

4

2

1

Q 5

価値(Value)

2

3

4

5

1

Q 6

戦略の役割

2

3

4

1

5

Q 7

顧客ニーズの決定

2

5

3

4

1

Q 8

顧客以外のニーズの決定

5

2

3

4

1

Q 9

イノベーションの必要の決定

5

3

1

2

4

Q 10

イノベーションのタイミング

3

2

4

5

1

Q 11

目標と方向付け

4

5

3

2

1

Q 12

変化を現行ビジネスに統合

4

3

5

1

2

Q 13

顧客への正しい質問

5

4

1

3

2

Q 14

事業変更のための買い付け

3

5

4

1

2

Q 15

事業計画活動

2

3

1

4

5

Q 16

無駄(なもの)は?

4

3

1

5

2

Q 17

破壊的脅威に対する戦略

2

3

5

1

4

Q 18

厳しい状況でやる気にさせる

3

2

1

5

4

Q 19

錯綜したものを管理する

1

3

4

5

2

Q 20

未来の見方

4

2

5

3

1

Q 21

未来を予測する

1

2

3

5

4

Q 22

リソース(資源)

5

1

2

3

4

Q 23

学習

1

4

3

2

5

Q 24

成長

3

2

5

1

4

Q 25

リーダーシップ

3

4

5

1

2

 

 

 

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本章の目次

導入(中川)

本文の先頭

7.1 質問表 (25項目)

7.2 スコアリングとレベルの判定

スコア表

 

 

 

編集後記

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最終更新日 : 2021. 2.23    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp