TRIZシンポジウム 2005: 論文

TRIZ適用事例: 壁登りロボットの開発

Valery Krasnoslobodtsev, Richard Langevin (Technical Innovation Center, 米国)
第1回TRIZシンポジウム (主催: 日本TRIZ協議会)、
2005年 9月 1日〜3日、ラフォーレ修善寺、伊豆市

[掲載:2006. 3.17]

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編集ノート (中川徹、2006年 3月17日)

本稿は、標記のように、日本TRIZ協議会主催の第1回TRIZシンポジウムにおいて、半年前に発表されたものです。実際問題にTRIZを適用した非常にいきいきとした事例です。方法としては、少し簡略化した形のARIZを使っています。私の「第1回TRIZシンポジウムの紹介」 ('Personal Reort') では、この発表をつぎのように (英文で) 紹介しました。

バレリ・クラスノスロボツェフとリチャード・ランジュビン (Technical Innovation Center, 米国) が、「TRIZの適用事例: 壁登りロボットの開発」という表題で発表した。この論文では、壁登りロボットを開発した実地のプロジェクトについて述べていて、それは1986〜1998年にサンクトブルグ国立工科大学 (旧ソ連およびロシア) で実施されたものである。そのロボットの基本デバイスは真空吸引式の脚である。初期段階での難しさは、登る壁やガラスにひびなどがある場合にも、脚の吸いつきの効果を保つことであった。かれらの解決策は、一つの脚を弾性膜を持った多数の吸引セルに分割することであった。彼らはこの弾性膜のアイデアを「小さな賢人たちのモデリング法(SLP)」で説明した (このアイデアは非常に巧妙なもので、私自身理解するのに随分時間を要した)。12年間にわたる実地開発での装置の発展を、TRIZの観点から説明している。これらの開発の一部始終におけるTRIZ流の思考プロセスについて著者が語っていることが非常に興味深い。著者はTRIZCON2005でも別の事例について同様の発表をおこなっている (中川の学会報告を参照されたい)。

このHTMLページには、論文の概要だけを和訳して掲載します。論文そのもの (英文) および発表スライド (英文) はPDFファイルで英文ページに掲載しています。

注:  日本TRIZ協議会は昨年12月に、「第1回TRIZシンポジウムで発表された諸論文を、TRIZ協議会の公式ホームページに掲載することをしない」という決定を (いろいろな理由で) いたしました。本論文の掲載は、著作権者である著者の要望に基づき、『TRIZホームページ』の通常ページに編集者の判断で行っています。


「第1回TRIZシンポジウム」 (一般発表論文)

TRIZ適用事例: 壁登りロボットの開発

Valery Krasnoslobodtsev, Richard Langevin (Technical Innovation Center, 米国)
第1回TRIZシンポジウム (主催: 日本TRIZ協議会)、
2005年 9月 1日〜3日、ラフォーレ修善寺、伊豆市

概要:

本論文はロボット用の真空吸引脚の開発過程において、発明問題解決のアルゴリズム (ARIZ) を実地に適用した際に考慮したことを述べたものである。また、TRIZの技術進化のトレンドも、この自律型壁登りロボットの新しい構造を開発するのに使用した。このロボットの用途は、空間的に任意の方向に向いた表面 (例えば、店のショーウィンドウ、ガラスの玄関ホール、原子炉の壁、石油タンク表面など) のクリーニング、仕上げ、診断などを行なうものである。真空吸引型の脚とロボットの新しい設計を開発するにあたって、ARIZおよびその他のTRIZツールを適用することが大いに役立った。この真空吸引型の脚およびロボットの具体的な方式とデザインを記述する。新しい真空吸引脚はさまざまな表面で利用でき、でこぼこな表面、割れ目がある表面でも使えることが特徴である。本論文では実際のロボットの写真とその性能を (ビデオで) 示す。このプロジェクトの成果は、20件の特許となり、そのうちのいくつかは現行のロボットの設計にも実施している。本論文は、実際に性能が測定されている実地のTRIZ適用事例が欲しいと思っているTRIZユーザにとって有用であり、その解決策を開発するのにTRIZをどのように使ったかを例示したものである。

 

論文 (英文) (PDFファイル、982KB、24頁) ここをクリック

発表スライド (英文) (PDFファイル、1156KB、2スライド/ページ、全 32スライド) ここをクリック

 

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最終更新日 : 2006. 3.17     連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp