TRIZ/USIT事例: TRIZ シンポジウム 2007論文
オートロックドア方式のマンションで不審者の侵入を防ぐ方法 −身近な社会&技術問題へのTRIZ/USITの適用事例−
日本TRIZ協議会主催 第3回TRIZシンポジウム、2007年8月30日〜9月1日、東芝研修センター (横浜市港北区)
中川 徹 ・ 藤田 新 (大阪学院大学)

[掲載:2007. 9.13]

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編集ノート (中川徹、2007年 9月 9日)

本論文は、先日(8月30日〜9月1日) 日本TRIZ協議会主催で開催しました「第3回TRIZシンポジウム」で、発表したものです。シンポジウムは参加者202名 (うち海外 11名) で充実したものになったと思っています。主催者の協議会としてまとめをしようとしておりますし、私自身も恒例の「Personal Report」を英文で書きたいと思っていますが、作業はこれからです。取り敢えずまず自分の発表をこの『TRIZホームページ』に掲載させていただきます。

この論文の趣旨を説明するのには、論文概要を読んでいただくのがよいかと思います。

いわゆるマンションにおいては、オートロックドア方式を採用して、玄関でのセキュリティを確保しようとしている。カードキーなどを持たない外来者は、室内の居住者と (ビデオ) インターホンなどで連絡を取って玄関ドアを開けてもらわないと入れないのがルールである。しかし、実際には、不審者が容易にこの玄関を入れることがよく知られている。住人を装い、他の住人の後に続いて入ればよい。この問題は、技術以上に、人々の心理や社会ルールが関係する。本研究は、TRIZ/USITによる標準的な分析法を使い、また原因-結果の関係を RCA+ 図に表現することによって、根本の矛盾を明確にし、解決策を考察した。その解決策は技術的側面と心理・社会ルール的側面の両方を含んだものである。本研究は、非技術の問題に対してもTRIZ/USITが素直に適用できることを示すものである。

この発表の成立の過程は、大きくいって2段階あります。

(1) 藤田 新 君 (大阪学院大学情報学部、2007年3月卒業) の卒業研究。

中川のゼミでの同君の卒業研究のテーマとして、2006年6月に同君の発案でスタートした。ゼミで中川がリードしつつ、同君を中心に学生たち5人で討論して分析や考察を進めた。問題の構造、特に問題の根本原因が明らかになり、解決策の基本的な方向が明確になった。同君の卒業論文概要 (2007年1月25日) としてまとめ、『学生による学生のためのTRIZホームページ』に掲載した。またこれをベースに、TRIZシンポジウムに発表申込みをし、論文概要を和・英で書いた。

(2) 中川 徹による TRIZシンポジウムの論文およびスライドの作成 (2007年 7月下旬)。

発表の原稿を提出するにあたって、解決策がまだすっきりしていなかったため、まず論文原稿を執筆しつつ、解決策の論理を立てる作業をした。この過程で、「物理的なドアの開閉制御は従来通りとし、その上に情報システムによる論理的なドアを作る」という概念が明確になった。その後、スライドを作り、特に最終解決策を明確な構想として示すことができた。

この第二段階があったことで、本発表は明確な解決策の構想を打ち出すことができ、内容的に非常にしっかりしたものになったと感じています。

この論文の特徴は、オートロックドアの問題を、技術だけの問題とは考えなかったことです。技術分野では、「伴連れ問題」と呼ばれて永年の懸案だったといいいます。これを技術で解決しようとすると、狭くてガチガチで不便なシステムになり、ドアに挟まれる危険との矛盾が解決しなかったのです。この論文では、マンションの建物玄関という状況に限定して、そこでの人の心理について注目しています。たまたますぐ後ろから見知らぬ人が来たときに、「私はドアを開けて入りますが、あなたは一旦ドアが閉まってから、自分で鍵を開けて入りなさい」という住人は恐らくいないでしょう。そんなことがいえる人はいない、そんなことをいわなくてもよいような、もっと自然なルールにしないと実効のあるシステムにはならないというのが、この論文の基本的なスタンスです。そのルールを確立し、すべての住人が、そして来訪者が自然に従えるようなドアのしくみ (行動のルールと実際に物を動かす機構) にすることが、この論文でねらったことです。--具体的な解決策は、論文を読んでください。

この論文は、私自身にとっても、また日本のTRIZ/USITにとっても、大きな収穫です。「身近な問題を創造的に解決した事例を作る」というのは、大学教育にとっても、企業研修/実践にとっても、重要なことです。考える方法を具体的に説明でき、やさしく分かるようにできるからです。また、人間の心理や社会ルールの問題をも扱えたということが大きな収穫でした。TRIZにしてもUSITにしても、技術分野以外にも使えるのだ、と確信できたからです。

ただ、TRIZ/USITを身についたものとして使っていますから、どこにどう使っているのかは読み取り難いかもしれません。分析や解決策の組み立てのいろいろな段階に、明示的に記述している以上に、TRIZおよびUSITの指針が入ってきているのですが、それをこまごまと説明することまではできていません。自分でもその説明には少し時間を要するでしょう。この解決策を総括した私の結論は、「TRIZ発明原理28: メカニズムの代替に対応して、機械的/物理的なドアから、情報的/論理的なドアに移行した」ということでした。これは、この解決策の普及を推進する場合の非常に分かりやすいスローガンになりますが、自分でもそれが明確に意識できたのは随分後になってからです (解決策を検討しているときには、そのような原理を言葉で言うことはなく、身についた考え方として自然に使っていた。後になってそれが明確になり、それを言葉として表現したのです)。

TRIZシンポジウムでの発表直後の休憩時間に、警察庁で長い経験を持ちいまは知財の仕事をしているという方から、「クールな解決策ですね。実際に社会で使えるものに成りそうですね」と言っていただきました。ぜひ、普及させたいと思っています。

本ページはつぎの構成にしています。

(1) 概要紹介:  TRIZシンポジウム2007 に提出した論文概要 (2007年5月13日)   HTML

(2) 初期成果:  藤田 新: 大阪学院大学情報学部 卒業論文概要 (2007年 1月25日提出)  PDF (2頁) (学生ホームページ掲載: 2007. 3.18)

(3) TRIZシンポジウム 論文集掲載論文  (2007年 8月6日提出)   HTML形式  + PDF (8頁、382 KB)

目次:     

1. はじめに

2. 問題の設定
        2.1  問題を取り上げたきっかけ
        2.2  問題の取り上げ方
        2.3  問題の定義

3. 問題の分析
        3.1  空間の特徴の分析
        3.2  時間の特徴の分析
        3.3  オートロックドアその他の現行安全対策
        3.4  不審者の立場になって、攻略法を考える
        3.5  根本原因の考察 (1) ドアの開放時間の長さ
        3.6  根本原因の考察 (2) 住人の側の心理の問題
        3.7  根本原因の考察 (3) 別の人と一緒になったときの対処法
        3.8  問題の総合的な把握 (分析のまとめの方法)
        3.9  問題の核心の理解 (分析の結論)

4. 解決策の検討
        4.1  解決策の生成のやり方と方針
        4.2  「住人が不審者をいれてしまう」ことの対策
        4.3  「たまたま複数グループが一緒になったとき」のルール作り
        4.4  ドアの開放・解錠時間が長い問題への解決策
        4.5  新しいオートロックドア制御システムの要点

5. 結論

参考文献

(4) TRIZシンポジウム 発表スライド (2007年 8月6日提出)  PDF (2スライド/頁、18スライド、159KB)    英文スライド

 

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(1) TRIZシンポジウム2007 に提出した論文概要 (2007年5月13日)

オートロックドア方式のマンションで不審者の侵入を防ぐ方法
−身近な社会&技術問題へのTRIZ/USITの適用事例−

中川 徹 ・ 藤田 新 (大阪学院大学)

概要

いわゆるマンションにおいては、オートロックドア方式を採用して、玄関でのセキュリティを確保しようとしている。カードキーなどを持たない外来者は、室内の居住者と (ビデオ) インターホンなどで連絡を取って玄関ドアを開けてもらわないと入れないのがルールである。しかし、実際には、不審者が容易にこの玄関を入れることがよく知られている。住人を装い、他の住人の後に続いて入ればよい。この問題は、技術以上に、人々の心理や社会ルールが関係する。本研究は、TRIZ/USITによる標準的な分析法を使い、また原因-結果の関係を RCA+ 図に表現することによって、根本の矛盾を明確にし、解決策を考察した。その解決策は技術的側面と心理・社会ルール的側面の両方を含んだものである。本研究は、非技術の問題に対してもTRIZ/USITが素直に適用できることを示すものである。

内容説明

本研究は、TRIZ/USITを身近な問題解決に適用するという、情報学部での卒業研究をベースにしている。

問題の分析には、空間的特徴の分析、および時間的特徴の分析を行った。この際、セキュリティを破ろうとする不審者の立場から、いろいろなやり方を考察した (破壊分析法)。その結果、「不審者はオートロックドアが開いているタイミングを狙ってするりと入ることができる」ことが明確になった。

このような不備の原因を議論し、それらの議論をまとめて、原因-結果の関係を、Valeri Souchikov が提唱するRCA+ 図 (根本矛盾分析) の形式で記述した。この結果、問題が生じる原因、および従来から適切な解決策が取れない矛盾の構造が明確になった。

これらの矛盾を解決するためにTRIZ/USITの考え方を使い、いくつかの解決策を提案した。その主要な解決策は以下のようである。

(a) 現在の自動ドアは、通常10秒程度開いている。==> 住人通過後に速く応答するように、小部分で閉鎖する、あるいはセンサーで違反を検知・警告する。

(b) 現在は、住人が不審者をつい入れてしまう。==> 住人に「自分たち以外を入れさせない」原則を徹底させる。また、いま入ろうとしている自分たちの人数をシステムに教えるようにする。

(c) 現在は、たまたま2グループが一緒になったときにシステムのルールが有効でない。==> グループ別のルールを強化する。人数を明示してグループをシステムに判別させる。

現在のシステム、その問題の原因、および解決策の方向をまとめた全体図を以下に示す。


(2) 初期成果:  藤田 新: 大阪学院大学情報学部 卒業論文概要 (2007年 1月25日提出) 

                『学生による学生のための TRIZホームページ』 掲載 (PDF)  (2007. 3.18 掲載)

               PDF (2頁)    (237KB) (再掲載: 2007. 9.13)

 


(3) TRIZシンポジウムの論文集に掲載した論文

 

オートロックドア方式のマンションで不審者の侵入を防ぐ方法

−身近な社会&技術問題へのTRIZ/USITの適用事例−

中川 徹 ・ 藤田 新 (大阪学院大学)

日本TRIZ協議会主催 第3回TRIZシンポジウム、

2007年8月30日〜9月1日、東芝研修センター (横浜市港北区)

論文集

 

概要

いわゆるマンションにおいては、オートロックドア方式を採用して、玄関でのセキュリティを確保しようとしている。カードキーなどを持たない外来者は、室内の居住者と (ビデオ) インターホンなどで連絡を取って玄関ドアを開けてもらわないと入れないのがルールである。しかし、実際には、不審者が容易にこの玄関を入れることがよく知られている。住人を装い、他の住人の後に続いて入ればよい。この問題は、技術以上に、人々の心理や社会ルールが関係する。本研究は、TRIZ/USITによる標準的な分析法を使い、また原因-結果の関係を RCA+ 図に表現することによって、根本の矛盾を明確にし、解決策を考察した。その解決策は技術的側面と心理・社会ルール的側面の両方を含んだものである。本研究は、非技術の問題に対してもTRIZ/USITが素直に適用できることを示すものである。

1. はじめに

著者の一人 (中川) は、技術革新のための技法として、TRIZ (発明問題解決の理論) に注目し、さらにそれをよりやさしく実践しやすくすることを目標として、USIT (統合的構造化発明思考法) を改良・発展させ、それらの研究・教育・普及を試みてきた。

その活動の中での目標にはつぎのものを含む。

これらの活動目標の中には、専門の技術を身につけた技術者の人たちや研究者の人たちと一緒にやるとよい項目も多い。しかし、著者のように大学で学部学生を相手に授業やゼミをし、教育活動をしている中で、上記の目標の一部を自然に (知らず知らずに) アプローチしていて、新しい観点を開いている場合がある。

本研究は、著者の一人 (藤田) の大阪学院大学情報学部における卒業研究をベースにした報告である。「身近な問題にTRIZ/USITを適用して、自ら創造的な問解決を図る」ことを目標として卒業研究を行った。

藤田は、自分が住んでいるマンションでのオートロックドアのシステムの安全性に不安を感じていたので、その解決を卒業研究での問題として取り上げた。

ゼミでは合計5人の学生と教師 (中川) で、TRIZ/USITをベースとしたいろいろな方法を使って議論し、検討した。中川が議論の方向をリードし、藤田およびゼミ生たちが議論の中身を出していくことを基本にした。この議論の過程とその結果とを以下に報告する。また、後日中川が一層深めた解決策を [ここに] 提示する。

2. 問題の設定

2.1 問題を取り上げたきっかけ

情報学部における4回生の卒業研究として、中川がゼミ生に課しているのは「身近な問題を一つ取り上げて、TRIZ/USITを用いた創造的問題解決を試みよ」という課題である。学生たちは、通常4年生の夏休み前に、実際にとりあげるべきテーマを選定して、準備に入る。

学生たちは、自分でテーマを探して持ち込むことが基本である。テーマの候補を各自がゼミで提案すると、そのテーマの背景、意義、アプローチのしかた、などをゼミ全員で議論し、とりあげるに相応しいかどうかを判断する。

藤田は、大阪市内のマンションに両親と共に住んでいるが、マンションの玄関に標準的なオートロックドアシステムが採用されているにも関わらず、そのセキュリティに不安を感じていた。特に、いろいろなニュースで、不審者が侵入して子どもを高階の廊下から落して死なせたり、ストーカ行為などの被害があったことが報道されており、自分のマンションでも同様のことは起こりうると感じていた。

藤田が「オートロックドアのシステムを採用しているマンションでのセキュリティの向上」というテーマを提出したとき、その必要性や社会的意義はゼミ生および中川が直ちに共感するものであり、卒業研究テーマとして採用することは即決で決まった。

2.2 問題の取り上げ方

「マンションでのセキュリティの向上」という広いテーマでいえば、建物玄関のドアシステムだけでなく、マンションの建物全体の構造 (玄関やその他の出入り口)、エレベータや階段の構造、管理人と監視システム (監視カメラなど)、建物玄関と各戸間のインターホン、フロアでの廊下と各戸の配置、各戸の玄関ドアなど、いろいろなものが関係していることはすぐに分かる。それらが何段階もの階層的な構成をもった防御手段を構成している。

その中で、防御体制の最前線にあって、全体の要になっているのが、建物全体の玄関ドアであるといえる。そして現在の典型的な技術がオートロック方式のドアである。そこには、厳重な鍵があり、ビデオつきのインターホンがあって各戸の室内と繋がっており、各戸から遠隔操作でドアを開けることができ、監視用のビデオカメラなどが、備わっている。

ところが、そのオートロックのドアを、不審者が容易に通り抜けられることは、ほとんどみんなが知っている。不審者が住人の振りをして、他の住人の後からすっと入れば容易に入れる。閉まりかかったドアでも、引っ張ればまたすぐに開く。

不審者がマンションの玄関ドアを一旦入れば、あとはいろいろな所に行ったり、身を潜めたりできるから、防御の最後の砦は各戸の玄関ドアにならざるをえない。

だから、「マンションの建物玄関のオートロック方式のドアでも不審者が容易に入れることが、この問題の中心にある問題点だ」ということに、ゼミ生たちはすぐに合意した。

2.3 問題の定義

この問題に関する当初の議論を、USIT流の「問題定義」として記述すると、概ね以下のようになる。

(a) 望ましくない効果:

オートロックドア方式のマンションであるが、このドアから不審者が容易に入ることができ、セキュリティが脅かされている。

(b) 解決すべき課題:

マンションのオートロックドア方式の玄関で、このドアから不審者が容易に入れないようにして、セキュリティを向上させる。

(c) 問題状況を示す簡単なスケッチ:

図1に示す。

図1. 不審者が住人の後について入る

(d) 考えられる根本原因:

不審者がマンションの住人のような振りをして、他の住人が開けたオートロックドアを、住人の後についてすっと入っていくことができる。これを実際上無くせていない。

(e) 関係する最小限のオブジェクト:

玄関ドア、オートロックの開閉制御システム、不審者、(前を行く) 住人

上記の項目 (a)〜(e) は、USIT法において、「問題定義の段階」で、グループメンバで議論した上で明確にするべき項目である。本件の課題の場合、以上の項目は、素直に記述し、合意できた。

3. 問題の分析

問題を分析する段階では、いろいろな方法を組合せて使っている。実際には前後/並行/手戻り/深化/繰返しなどして使っているが、一応整理して書くとつぎのようである。

3.1 空間の特徴の分析

典型的なオートロックドア方式のマンションの建物玄関部分の空間配置は、図1に示したようである。

マンション玄関の外側のドアは自動開閉式で、だれが入って来ても自動で開くのが普通である。内側のドアが、オートロック方式になっている。この手前は、玄関室と呼ばれるもので、管理人がいたり、監視用カメラがあったりする (監視用カメラはこの位置でなく、ドア上部から見るものや、マンション内からドアを正面に見る方向がよりよいであろう)。ここに関係ない人が滞留しないように配慮するとよい (例えば、郵便受けなどの入れ口はこの玄関室でなく、マンション外側から入れる別の壁面に設置するとよい)。

3.2 時間の特徴の分析

時間の特徴として考えるべきものは、ドアの開閉動作の時間である。つぎの図2に、住人がドアを開けて通り、それに続いて不審者がすり抜ける場合の、典型的な時間経過を描いてみた。この図で、横は図1に対応する空間位置を示し、縦軸の下向きに時間経過を示す。

図2. 時間経過の模式図。ドアの開放時間に不審者がすり抜ける

実際に藤田のマンションで測定してみると、オートロックのドアが開き始めてから、人が通り、閉まって施錠されるまでに約10秒間かかる。この間は、別の人が来ると、閉まりかかっていたドアが開き、ものが挟まると開き直すようになっている。これはけがをしないための安全措置であると理解される。

問題は、この10秒の間に不審者が容易に入ることができることである。10秒あれば、普通に歩けば10m、小走りなら20m 程度進めるだろう。そこで、不審者は、うまくタイミングをはかって動けば、先行する住人にあまり近づかずまた不審に思われずに、ドアを通り抜けることができる。

3.3 オートロックドアその他の現行安全対策

この段階で、標準的に行われている現行のセキュリティ対策について、確認する作業を行った。また、いままでに経験したより高度な対策についても議論した。

(a) オートロックドア (住人の場合)

住人の場合には、鍵、カードキー、あるいはICカードなどの「物」を持っていて、あるいは暗証番号を入力して、物理的にあるいはシステム的に自動認証を受けて、オートロックドアの施錠を解除できるのが普通である。また最近では、指紋認証、手のひらの静脈認証、顔の画像判定などの生体認証を採用あるいは併用しているケースもある。ともかく、住人として事前に登録承認を受け、鍵などを取得し保持している必要がある。

(b) オートロックドア (来訪者の場合)

来訪者の場合は鍵などを持っていないから、基本的に訪問しようとする住人にドアを開けてもらわないと入れない。この際、住人がいちいち建物の玄関ドアまで出てくるのは大変だから、インターホンなどでの確認ですませようとする。ただし、声だけでは誰かを判断できないから、ビデオ画像で確認する。

典型的なやり方を記述すると、来訪者は、内側ドアの前にあるインターホンで、訪問したい住人の居室番号を押し、住人と会話して来訪目的などを伝える。住人は、インターホンと同時にビデオ画像で来訪者の顔や服装などを確認し、適切だと判断したら、インターホンに付属のボタンを押し、遠隔で玄関ドアの施錠を外す。来訪者はドア内に入り、住人の居室に行く。もし住人が承認しなければ、ドアは開かない。

(c) 玄関まわりのその他の対策

管理人/守衛などの人の目があるようにする (ただし、時間帯が限定されることが多い)。監視カメラ、監視ビデオを置き、録画している(別室でモニターしている場合もあるが、そうでない時間帯の方が多いであろう)。この写真やビデオなどは、犯罪などの起こった後で不審者や犯人の割り出しには使える。また、犯罪などの抑止効果があると思われるが、直接的な防止効果はない。

(d) 各戸の玄関などでの安全対策

建物玄関のセキュリティ対策が完全でないとなると、やはり各戸での対策が重要になる。各戸のドアの施錠、二重施錠、ドアの覗き穴、ドア越しのインターホン、ビデオインターホンによる確認、ドアチェーンなどの対策がある。

3.4 不審者の立場になって、攻略法を考える

つぎに行ったのが、防御する側から攻略する側に立場を変えて考えてみることである。これは、最近のTRIZなどで「破壊分析 (Subversion Analysis) 」と呼ばれることがある。しかし、古来の兵法において、守ろうとするときに、敵がどのように攻めてくるだろうかと、まず敵の立場で考えることは、当然するべき方法であった。

そこでゼミでは、不審者の立場で、なんとか入る方法を考えさせた。どんどん発言させ、それをボストイットカードに書き、模造紙の上に貼り出し、少しずつ似たものを近くに配置し分類していく。これは、厳密ではないが、親和図法(KJ法) に準じた作業である。

この段階で作ったカード類を図3に示す。

図3. 不審者の立場で考える。カードデータの例。

この図で、上部に線で囲ったカードは、個別データのカードをまとめた表現である(親和図法での上位のラベルに対応する)。

3.5 根本原因の考察 (1) ドアの開放時間の長さ

「不審者がするりと入れる」ことの根本原因の一つとして明白なのは、「ドアの開放時間が10秒程度と長く、すぐに閉まらず、途中から人が入ろうとすると再び開く」ことである。またそのようにしている理由が、「重いドアを急速に開け閉めすると、危険だから」ということもまた明白である。ここには、建物の防犯上のセキュリティの要求と、人のけがに対する安全性の要求との矛盾がある。

3.6 根本原因の考察 (2) 住人の側の心理の問題

「不審者がするりと入るにあたって、住人がそれを許容する、咎め立てをしようとしない」ことを、われわれは本問題の当初から意識していた。住人が、不審者を、あるときはなんだか怪しいと思い、あるいはまったく怪しいと思わずに、「入れてしまう」のが問題の根本原因の一つである。そこで、つぎに住人の側の心理の問題を掘り下げた。

ゼミでは、前と同様に、学生たちにどんどん発言させて、カードに記録していく。それとともに、要所要所で、「それはなぜ?」と質問をしていった。このときに得た、カード類の一部を、少しだけ分類・整理した形でまとめて、図4に示す。

図4. 住人が不審者を入れてしまう理由

この中で、「住人だろうと思ったから」、「悪意のある人だと思わなかったから」の奥に、「普通は悪意のある人だとは思わないから」という「性善説」の前提が出てきている。

そして、「警戒心を持つ必要があるといっても、実際にはどうすればよいのか?」という問題がクローズアップされてきている。

3.7 根本原因の検討 (3) 別の人と一緒になったときの対処法

そこで、さらに議論を進めたのが、「別の人 (より正しくは、自分のグループとは別の人/人たち) と一緒になったときに、どうするのがよいのか?」という問題である。

同様に議論をした結果明確になってきたのは、このようにたまたま一緒になったときに、どのようにするのが、「社会としてのルール」であるかが明確でないことである。

「不審者を入れないようする」ためには、相手が住人かそうでないかが分からない状況では、ともかくオートロックドアを入れるような「便宜を図らない」ことが必要であるが、それは「親切にしない」ことであり、さらには「不親切にする」ことを意味する。「しばらく待って、改めて自分でオートロックドアを開けて、住人であることを証明してから入りなさい」ということを (言葉にはいわなくても) 、相手に分かるようにしなければならない。しかし、それは、普通の公共社会でのドアでの親切なマナーとは非常に違うものだから、自分にとっても、相手にとっても違和感がある。そのように扱われた相手が怒りだしてトラブルになる恐れが十分ある。

このような場合の社会的ルール (マナー) が明確でなく、また広く共通に受け入れられていないことが、「不審者を入れてしまう」根本にある原因 (の一つ) であることが明確になった。

3.8 問題の総合的な把握 (分析のまとめの方法)

以上のように、カードを用いて多面的に分析していく過程で、いろいろなアイデア、対策案も同時に出てきており、それらもカードとして記述し、貼りだした。

ついで、複数カードの要点をまとめたカード (親和図法の上位ラベル) だけ20数枚にして、それらを一覧できる形にして、その関係を組み立てることを試みた。

これらのカードには、現状の基本的なセキュリティ対策を示したもの、問題点 (望ましくない効果) とそのさまざまな原因を示したもの、そして、考えられる解決策の方向を示したもの、を色分けした上で同時に扱った。

関係の組み立てにおいては、V. Souchkov のRCA+ 図 [ETRIA TFC 2005 参照 (中川: Personal Report )] を参考にして、原因結果の関係を中心に構成した。原因を下に、結果を上にして、矢印で結んだ。また、対策案 (解決策) については、どの要因に対する対策案であるかを双方向矢印で関係づけた。

このようにして得た全体図を図5に示す。

図5. オートロックドア方式マンションのセキュリティの向上: 問題の分析と解決策の全体構造図

この全体図は非常に豊富な情報をもっている。これは親和図の図解に相当するものであり、適切な順番で一つ一つのカードを取り上げ、前後関係を少し補足しつつ読み上げると、[いわば本論文の] 全体の考え方を伝えることができる。各カード左上の ( )内の番号が、この読み上げ順に対応する。文献 藤田[1]参照。

3.9 問題の核心の理解 (分析の結論)

以上の分析の結果、この問題の核心はつぎのように表現できる。[ (番号) は図6のカード番号である。]

オートロックドア方式でセキュリティが確保できていない最大の原因は、「(7) 不審者が、(先行する住人が通った後の) ドアが開いているタイミングをねらってするりと入ることができる」ためである。

さらに、これが可能なのは、次の3原因による。

第一: 「(8) オートロックドアは 10秒程度の長い間開いている (施錠されていない)」

第二: 「(10) 住人が不審者を入れてしまう」

第三: 「(16) オートロックドアに「たまたま二人 (より正しくは複数グループ) が一緒になる」と現在のルールは有効でない」

これら、三つの主要原因をすべて解決しないと、この問題は解決しない。

4. 解決策の検討

4.1 解決策の生成のやり方と方針

解決策の生成は、その多くのものがいままでの問題分析の過程で議論の中に出てきている。それらの議論を適切に取り上げ、その議論を深めていく、さらに先を考え、具体的な対策として考えることを行った。なお、この際、(技術の詳細を作るだけの素養はないが) 技術的な可能性を考えるとともに、人の意識や心理、そして社会的理解 (マナー) をベースにした解決策を考察することを積極的に行った。図5に記述されている解決策の方向が卒業研究[1] の成果であり、本節に記述する解決策の明確化と具体化は後日の中川の考察による。

以下には、前節3.9の 3主要原因を中心に述べるが、これらの中で、(主として住人の) 意識の問題が中心にあると考えるにいたり、3原因の順序を変えて述べる。

4.2 「住人が不審者を入れてしまう」ことの対策

議論の中で、3.6節で議論した住人の意識・心理の問題が、全体の中心にあるとの認識に達した。

解決策の根本は、だれでもが出入りできることが原則の公共の場でのドア (例えば、学校の建物玄関のドア、デパートの出入り口のドアなど) の場合のやり方と、住人だけしか入れないことが原則のマンションのドアの場合のやり方とを、もっと明確に区別することである。そのような区別を明確にした上で、その基本の考え方を簡潔・明確に表示し、住人および外来の一般の人を指導する (理解を求める) ことが、解決策の基本であると分かった。これを図6に示す。

この解決策の基本は、住人が入るときに、自分の同伴者の人数をシステムに入力させることである。そして、その人数以外は「自分が保証しない (できない)」 人たちであるから、それらの人に対しては (公共の場で親切にやるような) ドアを入れる便宜を与えないようにする。

ここのポイントは、他の人を、住人かどうか判断しているわけでなく、また、善いか悪い人か、怪しいか怪しくないかを判断しているわけではないことである。ともかく「自分が保証している/していない」という判断基準は、だれにでも明確にでき、また客観的に合意できるものである。

また、他の (見知らぬ) 人が開けたドアに、後ろから入るのは違反であることを周知させる/よく教える/認識することが重要である。

図6. 解決策 (1) 住人が不審者を入れてしまうことへの対策

4.3 「たまたま複数グループが一緒になったとき」のルール作り

このときのルールは、すでに前節の基本認識の中で述べているといえる。各グループの責任者は、自分のグループの人数を明確にし、自分たち自身で鍵を開ける (より正しくは、入ることの認証を得る) 責任を持つ。他のグループが開けたドアに、後から入り込もうとするのは、違反である。これらの基本ルールを、簡潔・明確に表示し、住人および外来者に伝え、教育することが肝要である。この点の解決策の全体を、図7に示す。

図7. 複数グループが一緒になったときのルール

なお、ここでもし、「先行するグループが全員入り、ドアが完全に閉まって、それから後続するグループが鍵を開ける操作をし、ドアが開いてから入る」というルール (あるいはシステム) にすると、うまくいかないことは目に見えている。これでは、後続グループは十数秒待たされることになり、待ってられずに、違反を承知で前のグループが開けたドアに入っていってしまうだろう。

そこで、「ドアが開いている状態でも、後続グループはただちに鍵を操作して自分たちの人数を入力し、認証を得て、ドアが一旦閉まるのを待たずに、入ることができる」というルールになるように、オートロックドアの制御システムを作るのがよい。このやり方は、ルールを守らせる実効があり、同時に、短時間に沢山の人数が入ることができる (短時間でのスループットが上がる) という望ましい効果を持つだろう。

これらのルールに対する違反は、オートロックの制御システムが、検知し、注意したり、警告したりするべきである。先行グループの人が注意しようとすると、トラブルになる恐れがあるから。

4.4 ドアの開放・解錠時間が長い問題への解決策

「重い大きなドアは、ゆっくり開閉させて、けがが起きないように、安全サイドで運転する」というのが、基本的にすべてのドアで採用されている方針である。これは従来のいろいろな事故などの反省から生まれた非常に重要な社会的ルールになっている。そこで、この事実を受け入れた上で、われわれの「マンションのオートロックドア方式」を設計しなければならない。

(もちろん、できるだけ厳密に一人ずつしか入れないようにしているドアの例はいろいろある。大規模遊園地の入場ゲート、空港でのチェックインカウンタの出場ゲートなどでは、物理的なバリアを設けてこれを実現している。しかしこれらは、仰々しく、入るのに面倒で、居住のためのマンションには相応しくない。)

前節4.2、4.3 でイメージが明確になってきたのは、ドアの物理的な開閉で、違反者が入るのを直接的に制御しようとするのでなく、情報システムを使って、入る人をモニターし、表示やアナウンスなどによって、注意、警告、警戒処置をすることである。これは、「違反して入った人があっても、それ自体ではまだ緊急の危険でない」という事情からも、受け入れられる解決策の方向である。

この解決策の方針を、図8に示す。

図8. ドアの開放時間が長い問題への解決策

この解決策では、玄関ドアでの出入りの状況を画像処理を用いた情報システムがモニターしている。特に、ドアを通って入った人数、そしていまから入ろうとしている実人数を (申告人数とは別に) リアルタイムに把握している。一つのグループが申告した人数が入り終わると、ドアそのものはまだ開いているが、ロジカルな意味のドアは閉じられ、「鍵を操作してからお入り下さい」などといった表示が、ドアの所に現れる。もし入る人がなければ、従来と同じようにドアはゆっくり閉まる。

この物理的なドアは開いているが、もう認証済みの人数がないという「ロジカルな意味のドアは閉じられている」という状態で、認証を受けずに入ろうとする人がいる場合には、システムがこれを迅速に把握して、まず注意を表示し、その注意を点滅させたり、注意のアナウンスをしたりする。

さらに注意の表示やアナウンスを無視して、入ろうとする場合には、警告を表示 (または点滅表示)し、警告のアナウンスをする。

この警告アナウンスを無視して実際に入った場合には、システムは即時に反応して、(例えば) フラッシュを焚いて、入り口の正面から違反者の顔が写るような角度で写真撮影する。このとき、先行フラッシュを焚いて違反者が驚いて顔を上げた状態で、フラッシュ撮影すると効果的であろう。また、撮影後に、注意をしルールを説明するようなアナウンス (または表示) があるとよい。

マンションの管理者は、毎日あるいは適当な間隔で、この警告無視の写真記録を事後に分析し、適切な対処をする。例えば、住人の一部に鍵認証をせずに警告を無視して入る常習者がいる場合には、その記録を添え、趣旨を再度説明して、注意/警告/処罰を行う。また、住人でない不当侵入の常習者が特定できた場合(例えば、宅配便、出前、検針、セールス、など) には、その所属事業者に警告を送る。また、危険性があると判断した場合には、管理人や警備会社による警備を強化したり、警察に相談/通報したり、特定事業者を提訴したりする。

また、これらの状況を住人に知らせ、住人全体の一層の理解、協力を求めるとよい。

4.5 新しいオートロックドア制御システムの要点

以上、4.2〜4.4節に記した解決策の提案一式をまとめると以下のようである。

(1) このドアの内部はプライベートゾーンであり、住人と許可された人だけが入れることを明示しておく。

(2) 住人が入ろうとするとき、いままでと同様の鍵認証を行い、同伴者 (自分の責任で保証する人) を含めた人数を入力する。

(3) 来訪者もいままでと同様に、ビデオインターホンで訪問先の住人と会話し、入ることに対する住人の承認を受ける。住人は遠隔でドアの開放指示を与えるときに、その承認人数を入力する。

(4) これら(2)(3)の鍵認証の手続きは、ドアの開閉の状態に関係なく常時 (すなわち、ドアが物理的に開いている場合にも) 操作でき、受け付けられる。

(5) 自分(のグループ)で(2)(3)の鍵認証手続きを行わずに、ドアを入ろうとする行為は、違反であることを明示し、周知させ、協力を求める。

(6) (4)の常時性をスムーズにするには、(来訪者の認証手続きには時間を要するから) 来訪者用の操作パネルを、住人用の操作パネルとは別の場所に置き、並列動作を可能にするとよい。

(7) ドアそのものは、物理的には、従来同様、ゆっくりと時間をかけて開閉し、ものがはさまると開くように、安全サイドで運転される。

(8) 画像処理機能を備えた情報システムを構築し、ドアが開いてからドアを入った人数をカウントする機能 (センシングと判断の機能) を備え、認証した合計人数との差をリアルタイムで把握させる。

(9) 「認証残り人数」を、「認証済み合計人数−入った合計人数」で定義し、これが+のときは「論理ドア状態=開放」とし、これが0のときには「論理ドア状態=閉鎖、正常」、これが−のときは「論理ドア状態=閉鎖、違反」とする。

(10) 「論理ドア状態=開放」のときには、物理的なドアに開放の指示を与える。ただし、認証済みの人が通過したのち規定時間 (たとえば10秒) を経ると、「認証残り人数」を0にリセットする。

(11) 「論理ドア状態=閉鎖」のときは、物理的なドアに閉鎖の指示を与える。ただし、物理的なドアの動きは (6)の原則で制御される。

(12) 「認証残り人数=0」のときには、「鍵認証手続きをしてからお入り下さい」といった注意を、ドアに表示する。この状態で入ろうとする人を検知すると、注意表示を点滅させたり、アナウンスしたりする。

(13) 「認証残り人数=負」になると、フラッシュを焚いて写真撮影などをして記録し、同時に警告をする。

(14) 違反事例の記録は、別途管理者が分析し、マンションのセキュリティ向上のための対処をする。

[追記中川 (2007. 9. 9): 以下に本論文の解決策の全体システムの模式図を、発表スライドから持ってきて、下記に示す。]

[追加: 図9. 解決策の全体構成図 (発表スライドより 追加)]

5. 結論

以上のように、TRIZ/USITの方法を適用して、オートロックドアのセキュリティの問題を分析し、これを向上させる新しい方式を解決策として提案した。

この問題は、技術的側面よりも、人間の認識・心理と社会的ルール (マナー) の側面の方が重要であることが分かり、分析の過程ではいろいろな観点・考えを親和図法 (KJ法) で整理しつつ、原因-結果関係を明確にすることが有効であった。

また、解決策の生成においても、人間の心理と社会マナーを考慮した上で、本件に該当する明確な行動ルールを規定することが有効であった。この行動ルールを保証するために、リアルタイムの画像処理を前提とした情報処理システムを構想し、瞬時に動作できる「論理的なドアの開閉」を制御し、それを表示することを行った。これによって、「重く大きな実際のドアをゆっくり開閉し、安全サイドで運転する」という従来の要求をも完全に満たした。これは、TRIZでいう「発明原理28: メカニズムの代替」に対応するもので、「機械的/物理的なドア」から「情報的/論理的なドア」に移行したものである。

 

参考文献

[1] 藤田新: 「創造的問題解決の技法:オートロックドアによるマンションで不審者の侵入を防ぎセキュリティを向上させるには」、大阪学院大学情報学部、卒業研究論文概要 (2007年3月)『学生による学生のためのTRIZホームページ』掲載、URL: http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/TRIZ-st/2007hp/06Thesis-02S0069Fujita.pdf 。


(4) TRIZシンポジウム 発表スライド (2007年8月6日提出)

発表スライド  PDF  (159KB) (2スライド/頁、全18スライド)

英文 発表スライド PDF  (81KB) (2スライド/頁、全18スライド)

 

 

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最終更新日 : 2007. 9.13      連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp