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編集ノート (中川 徹、2013年11月15日)
本稿は、7月の韓国でのTRIZ国際会議での高橋誠先生の特別招待講演の記録です。韓国でのこの国際会議の状況は、既に別ページ
で報告しました。高橋先生は多忙の中で講演を準備されていたのですが、前夜に内容を拡充されたとのことで、動画などを交えた力強い講演でした。スライドは英文で、日本語で講演され、英語への同時通訳がありました。
私はこの国際会議の参加報告の中で、高橋先生の講演をつぎのように紹介しました。
高橋誠氏は、1960年代以来ずっと日本の創造性運動に関わってきたリーダである。学生時代に「日本独創性協会」の委員長になり、1974年に(株)創造開発研究所を設立して以来、多数の企業や自治体を指導してきている。欧米やアジアの創造性研究者とも共同研究を進めていて、韓国訪問はもう20回目くらいだろうという。日本創造学会の理事長・会長をも務め、現在は日本教育大学院大学の教授でもある。著書・編著は『新編 創造力事典』(日科技連、2002年)他、約70編があるという。
同氏は、今回の特別招待講演で、日本(および自分)の創造性運動の経緯と考え方について、いろいろな事例を交えて話した。北海道旭川市の旭山動物園の事例分析では、「(普通の) 動物たちの持つ習性を、身近に自然に見ることができる」というコンセプトづくりが成功のカギだったという。その他にも、企業のCI、イベントの企画、ネーミング、など多彩。
私自身をはじめ、日本のTRIZの推進者やユーザが、日本の創造性の技法、実践、教育のさまざまな人や動きともっとつながるようにするとよいと感じた。
学会での聴衆は、もちろん大部分が韓国の人たち、一部にその他の海外の人たちだったわけですが、その内容と意義を最もよく理解したのは私自身でした。そして、この発表記録を海外の人たちにも、日本の人たちにもぜひ読んでもらえるようにしたいと思いました。(メールのトラブルのために) 遅くなってしまいましたが、ここに掲載します。
講演スライドは英文で、もとのPDF版
を見ると、新聞記事(和文)などの細部も読めます。このHTMLページは、スライドを(英文のままで)画像にして、章・節の見出しと簡単な補足を(中川が)つけて、全体の構造を分かりやすくしています。動画も話も掲載できませんから、読んだだけでは分かりにくいでしょうが、なにかの機会に高橋先生の話を直接お聞きになるとよいでしょう。なお、創造性技法の全体像につきましては、編集後記に書きました中川のコメントもご参照ください。
目次
1-1 自己紹介: 高橋 誠
1-2 私の職業経験と著作物
1-3 私の現在までの活動と関連掲載記事
1-4 私の趣味: 羊グッズの収集2-1 企業リーダに必要な資質
2-2 私の創造事例(コンサルタントとして) (1) 旭山動物園(北海道旭川市)
2-3 私の創造事例 (コンサルタントとして) (2)格安航空会社
2-4 「創造主義宣言」 (日経産業新聞創造委員会コーディネータとして、2005年1月)
創造の原則、 連携の原則、 創造的人材育成の原則
2-5 創造的経営のための3つのレベルでのアプローチ
2-6 創造の事例: 「俺のフレンチ」レストラン
2-7 TRIZに対する私の示唆3-1 TRIZに対する私の助言: 創造性の諸技法をもっと活用するとよい
3-2 創造性諸技法の全体像
3-3 発散思考のための技法: 自由連想技法
3-4 発散思考のための技法: 類比思考の技法
3-5 収束的思考のための技法: グループ化の技法
3-6 収束的思考のための技法: アイデア評価の方法
3-7 創造的思考を支援するシステム
本ページの先頭 | スライドの先頭 | 1. はじめに | スライドPDF(英文) |
編集後記(中川) | 韓国GTC2013参加報告(中川) |
英文ページ |
発表スライド PDF版(英文)
(4.3 MB)
創造的企業と創造技法
高橋 誠 (創造開発研究所代表、日本教育大学院大学特任教授)
第4回 Global TRIZ Conference in Korea 2013、特別招待講演、
2013年7月9-10日, Seoul Trade Exhibition & Convention、ソウル、韓国
1. はじめに
1-1 自己紹介: 高橋 誠
1-2 私の職業経験と著作物
1-3 私の現在までの活動と関連掲載記事
1-4 私の趣味: 羊グッズの収集
2. 創造的な企業
2-1 企業リーダに必要な資質
2-2 創造的企業の事例分析 (1) 旭山動物園(北海道旭川市)
2-3 創造的企業の事例分析 (2) 格安航空会社
2-4 「創造主義宣言」 (日経産業新聞創造委員会コーディネータとして、2005年1月)
2-4-1 創造の原則
2-4-2 連携の原則
2-4-3 創造的人材育成の原則
2-5 創造的経営のための3つのレベルでのアプローチ
2-6 創造の事例: 「俺のフレンチ」レストラン
2-7 TRIZに対する私の示唆
3. 創造性の技法
3-1 TRIZに対する私の助言: 創造性の諸技法をもっと活用するとよい
3-2 創造性諸技法の全体像
3-3 発散思考のための技法: 自由連想技法
3-4 発散思考のための技法: 類比思考の技法
3-5 収束的思考のための技法: グループ化の技法
3-6 収束的思考のための技法: アイデア評価の方法
3-7 創造的思考を支援するシステム
4. おわりに: 私の夢
編集後記 (中川 徹、2013年11月15日)
高橋先生のこの講演の後半で述べられている「創造(性)技法の全貌(分類)」について、補足・コメントしておきます。これは、つぎの貴重な著作でまとめられている考え方です。
『新編 創造力事典』 (The Bible of Creativity) 高橋誠編著、日科技連出版社、2002年12月刊、482頁。
この本は、1993年の初版を2002年に大幅改訂したもので、26名の専門家の方々が執筆を分担しておられますから、2002年当時の(そしてほぼ現在の)日本での創造性技法に関する一般的な認識を代表するものです。創造技法をつぎの4つに分類し、主要88技法を網羅・説明しています。
発散技法 -- 自由連想法、強制連想法、類比発想法
収束技法 -- 空間型収束法、系列型収束法
統合技法 -- (発散技法と収束技法を組み合わせて使うもの)
態度技法 -- 瞑想型法、交流型法、演劇型法(TRIZは、小西慶久さんの執筆(4頁)で強制連想法の中の一つとして扱われています。)
この「発散と収束」というプロセス (特に発散させてから収束させるという思考プロセス) は、確かに非常によく使われるもの、普遍的なものです。しかし、どんな情報を知りたくて思考するのかについて、これはなにも言及しません。どんな場合にでも使える/あてはまる(だから普遍的だ)ということなのですが、そこで扱っているのは(アイデアの発想、解決策の考察などといっても)一段階のプロセスです。
私は、(困難な)問題の解決や課題の達成のためには、「どんな情報を知る/考えだす必要があるのか」をはっきりと意識し、明示することが必要だと考えます。最終的に欲しい種類の情報を知る/考えだすのには、たいていの場合に、何段階もの情報を積み上げる(すなわち、順を追って考えていく)ことが必要になります。その情報を積み上げる/順を追って考える諸段階を明示することが、(問題解決や課題達成のための)創造性技法の骨格になければならないと、私は考えます。
そのような骨格(基本のパラダイム)が今まで不十分だった。「4箱方式」が科学技術一般で知られていたけれども、それは実際には類比思考とあまり変わらないものになっていた。
このような状況で私が導入し、提唱しているのが、「6箱方式」という骨格です。問題解決や課題達成のために、どのような(種類の)情報を、どのように段階を追って知り/考えていくべきかを、明示しています。この骨格は、(従来からの研究が沢山ありますから)必要に応じて細部まで肉付けをしていく (詳細の方法や具体例を記述していく)ことが可能です。これが、「創造的な問題解決・課題達成のための一般的な方法論」(略称 CrePS) です。詳しくは、CrePSのビジョン
およびCrePS方法論の体系的資料
を参照ください。
この新しい枠組みで「創造(性)技法」全体を再検討することを、高橋先生他何人かの方と話し合っているところです。
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最終更新日 : 2013.11.18 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp