TRIZ/USIT教材 |
 
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USITの解決策生成技法
(拡張版)
−TRIZの解決策生成諸技法を整理して
USITの5解法に単純化した |
中川
徹 (大阪学院大学),
古謝秀明・三原祐治
(富士写真フィルム),
2002年
9月 9日 |
ETRIA主催国際会議の投稿論文の付録部分の拡張版。 TRIZ Future 2002, ストラスブール (フランス) , 2002年11月 6-8日。
[掲載: 2002年 9月18日] [英文ページ作成掲載: 2003. 4. 3] |
追記: 中川 徹 2012年12月19日 |
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編集ノート (中川 徹,
2002年 9月18日)
本稿は, ETRIA主催の国際会議
"TRIZ Future 2002" に投稿した論文の付録部分をさらに拡張して示したものである。論文本体およびその付録は,
下記のページを参照されたい。
中川 徹, 古謝秀明,
三原祐治: 「TRIZの解決策生成諸技法を整理してUSITの5解法に単純化する」,
ETRIA TRIZ Future 2002 論文の和訳, 『TRIZホームページ』, 2002年 9月18日掲載。
(注: 原論文: "Reorganizing TRIZ SOlution Generation Methods into Simple
Five in USIT", by Toru Nakagawa, Hideaki Kosha, and Yuji Mihara)
中川 徹, 古謝秀明,
三原祐治: 「USITの解決策生成技法
−TRIZの解決策生成諸技法を整理してUSITの5解法に単純化した」,
上記論文の付録, 『TRIZホームページ』, 2002年 9月18日掲載。
上記論文の「要約」を以下に引用する。
「問題解決の解決策生成技法として,
TRIZは多種の技法や原理を提供している。40の発明原理, 76の発明標準解,
技術システムの進化のトレンド, 分離原理などである。これはTRIZの内容の豊かさを示すものであるが,
それはまた, 理解を困難にし混乱させる欠点にもなっている。本研究は, TRIZのこれら全ての解法を,
USIT (統合的構造化発明思考法) の枠組みで再整理した。USITの解決策生成法は5種だけである。オブジェクト複数化法,
属性次元法, 機能配置法, 解決策組み合わせ法, および解決策一般化法である。TRIZの非常に多様な解法をUSITのこれら5種の解法に極めてスムーズに写像できた。USITの解決策生成法はTRIZ起源の諸方法によって大いに強化され,
明確なガイドラインをもっている。このようにして, 本研究はTRIZを再整理し,
より簡単で有効な問題解決プロセスにしたのである。それがUSITである。」
本稿は, この研究の成果として作り上げた「TRIZの全解法を再構築した体系」であり,
同時に「USITの解決策生成法の体系」である。上記の分類で使ったTRIZの諸解法の
(サブ原理レベルでの) 記述を, そのままに残している。TRIZの諸解法 (およびSickafusのヒューリスティックス)
について, 本稿で用いた出典は以下のようである。[注: 今回これらのTRIZ諸技法を一覧として参照できるようにした。下記の各項目をクリックされたい。]
Yuri Salamatov 著, 'TRIZ: The Right
Solution at The Right Time', Insytec 刊, (1999); 中川 徹監訳, 三菱総研訳: "超"発明術TRIZシリーズ5: 思想編「創造的問題解決の極意」 , 日経BP社刊,
2000年11月。[出版案内と資料,
TRIZホームページ, 2000年11月]
Darrell Mann 著, 'Hands-On Systematic Innovation',
CREAX刊, (2002)。
Ed Sickafus著, 'Unified Structured Inventive
Thinking: How to Invent', Ntelleck 刊 (1997)。
[注 (2012. 9.20 中川): TRIZのツール (40の発明原理、76の発明標準解、および技術システムの進化のトレンド) はすべて、ゲンリッヒ・アルトシュラー先生の開発によるものです。(出典: G.S. Altshuller: "Creativity as an Exact Science"、Gordon & Breach、1984 )。ここでは、日本におけるアクセスの容易さを考慮して、英書と和書の揃っている、Salamatov の教科書およびMannの教科書の形式のリストを使用ました。]
TRIZを学習している人たちに,
ぜひ上記論文と本稿とを読んでいただきたいと思う。TRIZには膨大な蓄積があり,
その解法も多様で複雑である。TRIZを学習してから, この論文と一覧を読むと,
TRIZの多様な解法が相互に協調しあい, また補いあっていたことを理解できるであろう。複雑だったものを,
整理しなおしてみると, ずっと分かりやすくなるのである。
USITの学習から入られた人たちにも,
本稿を読んでいただきたい。その人たちには, USITの解法として言っていることのバックに,
多くのTRIZの原理や解法の知識があることを知ってもらいたい。TRIZの蓄積を学び,
知識ベースを学ぶことによって, USITを実践する際のアイデアの幅がずっと広がることを理解してほしいと思う。
[注: USITの初学者の人たちには, 本稿(拡張版) でなく, 「簡略版」をまず学ばれるとよい。]
なお, 本稿は, いままでの記事とは異なり,
「TRIZ/USIT教材」 (あるいは「TRIZ/USIT知識ベース」) という扱いにして,
将来的にメンテナンスし, 拡充していくことを考えている。USITから, TRIZの諸技法へのリンクを張り,
また, いろいろな事例へのリンクを張っていけるとよいと考えている。全体的なやり方についても,
あるいは技法の細部の記述についても, 読者の皆さんからご意見を頂いて改良して行きたいと考えている。
編集ノート 追記: 中川 徹 (2012.12.19)
TRIZ と USIT の 解決策生成法 の相互索引のページ一式は、著作権に関する私の配慮不足のために、2003年4月9日以来掲載を一時停止しておりましたが、このたび関係者の許可を得て再掲載することができました。関係者の皆さまに改めてお詫びとお礼を申し上げます。下記の6ページから構成しております。
TRIZ と USIT の 解決策生成法 の相互索引 (親ページ)

(1) TRIZの『40の発明の原理』 (Salamatovの教科書による)

(2a) TRIZの『76の発明標準解』 (Salammatovの教科書による)

(2b) TRIZの『発明標準解』 (Mannの教科書による)

(3) TRIZの『技術システムの進化のトレンド』 (MannのTRIZ教科書による)

(4) Sickafus のヒューリスティックス

本ページでは USIT オペレータから上記のTRIZ諸技法への参照を記載しており、TRIZの各技法の全体の概要をこれらのページで理解いただくことができます。また、再掲載しました上記のTRIZ各種技法のページでは、それぞれの技法からUSITオペレータへの参照 (および他のTRIZ技法への参照) を記述しております。これにより、 USIT --> TRIZ 技法 および TRIZ技法 --> USIT の相互参照を可能にしておりますので、こ活用いただけますと幸いです。
USITの解決策生成技法
− TRIZの発明原理・進化トレンド・発明標準解を使いやすく整理した
表1. USITの解決策生成技法の一覧
(目次)
(1) オブジェクト複数化法
(1a)
そのオブジェクトを消去する (ゼロにする) (単純化, 「トリミング」)
(1b)
そのオブジェクトを, 多数 (2, 3, ... , ∞個) にする
(1c)
そのオブジェクトを, 分割 (1/2, 1/3, ... 1/∞ ずつ) する
(1d)
複数のオブジェクトをまとめて一つにする
(1e)*
新しい/変容させたオブジェクトを導入する
(1f)
環境中のオブジェクトを導入する
(1g)*
固体のオブジェクトを, 粉体, 流体, 液体, 気体などのオブジェクトで置き換える |
(2) 属性次元法
(2a)
有害な属性を, 使わない (関係しない) ようにする
(2b)*
新しい有用な属性を, 使う (関与する) ようにする
(2c)
有用な属性を強調し, 有害な属性を抑制する
(2d)
空間に関する属性を導入・拡張し, また, (有害/有用な) 属性およびその値を,
空間的に配置/変化させる。
(2e)
時間に関する属性を導入・拡張し, また, (有害/有用な) 属性およびその値を,
時間的に配置/変化させる
(2f)*
オブジェクトの相を変える, 相変化を利用する, 内部構造を変える
(2g)*
ミクロのレベルの属性・性質を使う
(2h)*
システム全体としての性質・機能を向上させる |
(3) 機能配置法
(3a)
ある機能を, 別のオブジェクトに担わせる
(3b)
複合した機能 (複数の機能) を分割して, 別のオブジェクトに担わせる
(3c)
二つの機能を統合して, 一つのオブジェクトに担わせる
(3d)*
新しい機能を導入し,
オブジェクトに担わせる
(3e)
機能を空間的に配置する/変化させる, また, 空間での配置/移動/振動の機能を利用する
(3f)
機能を時間的に配置する/変化させる
(3g)
検出・測定の機能を実現する
(3h)*
適応・調整・制御の機能を導入/拡張する
(3i)*
同種の機能を別の物理原理 (形態) で達成する |
(4) 解決策組み合わせ法
(4a)
機能的に組み合わせる
(4b)
空間的に組み合わせる
(4c)
時間的に組み合わせる
(4d)
構造的に組み合わせる
(4e)
原理レベルで組み合わせる
(4f)*
スーパーシステムに移行する |
(5) 解決策一般化法
(5a)
用語の一般化と具体化を繰り返し,
解決策を連想的に膨らませる
(5b)
解決策の階層的な体系を作る |
注: *印: 本研究で大幅に強化
あるいは新規に導入したもの
USITの解決策生成技法
(掲示用)
1) オブジェクト複数化法
a. 消去する
b. 多数 (2, 3, ... , ∞個) に
c. 分割 (1/2, 1/3, ... 1/∞ ずつ)
d. 複数をまとめて一つに
e. 新規導入/変容
f. 環境から導入
g. 固体から, 粉体, 液体, 気体
へ
2) 属性次元法
a. 有害属性を使わない
b. 有用な属性を使う
c. 有用を強調, 有害を抑制
d. 空間属性を導入,
属性(値)を空間変化
e. 時間属性を導入,
属性(値)を時間変化
f. 相を変える, 内部構造を変える
g. ミクロレベルの属性
h. システム全体の性質・機能 |
3) 機能配置法
a. 機能を別オブジェクトに
b. 複合機能を分割、分担
c. 二つの機能を統合
d. 新機能を導入
e. 機能を空間的変化, 移動/振動
f. 機能を時間的に変化
g. 検出・測定の機能
h. 適応・調整・制御の機能
i. 別の物理原理で
4) 解決策組み合わせ法
a. 機能的に 組み合わせる
b. 空間的に
c. 時間的に
d. 構造的に
e. 原理レベルで
f. スーパーシステムに移行
5) 解決策一般化法
a. 用語の一般化と具体化
b. 解決策の階層的な体系 |
(1)
オブジェクト複数化法
各オブジェクトを「複数化」する。英語の「複数」は,
1以外のすべての数 (0, 2, 3, ..., ∞, 1/2, 1/3, ..., 1/∞, など) を意味する。新しい/変容させたオブジェクトを導入することも含む。

(1a)
そのオブジェクトを消去する (ゼロにする) (単純化, 「トリミング」)
現システム中の副次的なオブジェクトを消去し,
単純化したシステムで, 機能分担を考え直す。 |
 |
-
複雑な構成をもつシステムにおいて,
副次的な役割をもつオブジェクト (またはサブシステム) を消去 (トリミング)
する。必要な機能は, 既存のオブジェクト (あるいは, より単純な新しいオブジェクト)
に担わせるか, スーパーシステムに委ねる。
-
複雑な構成のシステムにおいて, 副次的な役割を持つ構成要素またはサブシステムを消去
(トリミング) する [進化トレンド 27. トリミング]
-
オブジェクトまたはその一部が,
機能を果たしたのちに (あるいはそれが生成したときに) 不要・不良・邪魔・有害などになった場合には,
それを分解・溶解・蒸発・移送などにより除去する。
-
機能を果たしたオブジェクトの一部分が, 不要あるいは不良になった場合,
その部分を溶解, 蒸発などにより除去するか, あるいは, 邪魔な性質が存在しなくなるように修正する
[発明原理 34a. 部分の排除と再生]
-
二つの物質の一つまたは外部環境を分解して,
有害効果を除去する [標準解 5-1-1-9]
(1b)
そのオブジェクトを, 多数 (2, 3, ... , ∞個) にする。
現在のオブジェクトを複数に増やし,
それらのオブジェクトの性質を (少しずつ, 異なるように) 変容させて一緒に使う。 |
 |
-
現在のオブジェクトを二つ,三つ,
... と複製し,(現在のものも含めて) それらの性質を互いにわずかに (あるいは大きく)
変容させ, それらをシステムの中に組み込んで共に用いる。
-
システムの構成要素としてのオブジェクトで,
類似のものを二つ, 三つ, ... と 複数同時に用いる。このとき, 複数にしたものの性質を,
互いにわずかに (あるいは大きく) 変容させて組み込む
[進化トレンド 16. モノ-バイ-ポリ (類似物), 17. モノ-バイ-ポリ (多様物)]
-
入れ子構造のオブジェクトの数を増やす
[発明原理
7b. 入れ子構造]
-
オブジェクトを再配置して,
単層配置の代わりに多層配置を達成する
[発明原理 17c. もう一つの次元]
-
オブジェクトを複数化して同時に用い,
それらの性質を (大きく) 変容させて組み合わせることにより,
複合オブジェクトとする。これにより,
新しい性質, 新しい機能を実現する。
-
均一な材料の代わりに複合材料を利用する
[発明原理 40. 複合材料]
-
熱膨張率の異なる二つの材料を組み合わせる
[発明原理 37b. 熱膨張]
-
現在のオブジェクトに加えて,
それとは異なる特性を持つオブジェクト, さらには, 逆の特性を持つオブジェクトを導入し,
より複雑・高度な性質と機能をもつシステムとする。
-
システムの構成要素としてのオブジェクトに,
それとは異なる特性を持つオブジェクト, さらには, 逆の特性を持つオブジェクトを導入し,
併用する [進化トレンド 18. モノ-バイ-ポリ
(差異の増大)]
-
類似のオブジェクトを複数用いる場合に,
その数を極めて多数
(無限大) にする。
-
極限にもっていく: 一次元で数個から無限大へ
[Sickafus ヒューリスティックス 17a]
-
極限にもっていく: 一次元の無限大から二次元の無限大へ
[Sickafus ヒューリスティックス 17b]
(1c)
そのオブジェクトを, 分割 (1/2, 1/3, ... 1/∞ ずつ) する。
現在のオブジェクトを複数の部分に分割し,
分割した部分部分に (少しずつ, 互いに異なる) 変更を加えて, 再統合して一緒に用いる。 |
 |
-
オブジェクトを複数の部分に分割して用いる。分割の指針は
- 相互に独立した部分にし,
各部分が独自の機能を果たせるようにする ,
- 容易に分離し,
また組み立てることができるようにする,
- 破損・磨耗・損傷などの場合に特定部分だけを取り替えられるようにする,
- 相対的に運動できるようにする,
- オブジェクト
(またはシステム) に柔軟性をもたらす, など。
-
オブジェクトを独立した部分に分割する
[発明原理 1a. 分割]
-
容易に分離できるように,
オブジェクトを分割する [発明原理 1b. 分割]
-
オブジェクトを分割して, 互いに相対的に運動できる部分にする
[発明原理 15b. ダイナミック性]
-
オブジェクトの一部分に望ましくない性質がある場合,
あるいは, 一つのオブジェクトの持つ複数の部分間または機能間で相互に望ましくない関係を生じる場合には,
そのオブジェクトを複数の部分に分離し, 干渉をなくして, それぞれに望ましい性質または機能をもたせる。
-
オブジェクトの干渉部分の一つを分離する
[発明原理 2a. 分離]
-
望ましくない性質をもたらすオブジェクトの部分を見出し,
その部分を分離する [発明原理 2b. 分離]
-
一つのオブジェクトが二つの機能を行おうとすると問題が生じるなら,
オブジェクトを二つの部分に分割しそれぞれの機能を担わせる
[発明原理
3c. 局所的性質]
-
オブジェクトを細分化して,
それらを集合として用いる。その指針は,
- 細分化により,
個々の部分の移動・取り扱いが容易になる,
- 細分化により,
重量あたりの表面積が増大し, 相互作用が増える,
- 細分化により,
独立に動けて, 作用に柔軟性ができる, など。
(1g)も参照のこと。
-
オブジェクトを細分化する。細分化の度合いを強める
[発明原理
1c. 分割]
-
物質の一方または両方の分割の程度を増大させる
[標準解
2-2-2, 5-1-2]
(1d)
複数のオブジェクトをまとめて一つにする。
現在のシステム中で関連する複数のオブジェクトをまとめて,
構造的・機能的に統合し直した一つのオブジェクトにする。 |
 |
-
同種のあるいは異種の複数のオブジェクトを,
空間的・時間的にまとめ, 機能的連結を強化し, 一つの複合オブジェクトとして用いる。
-
オブジェクトの同一の部分たちまたは構成要素たちを空間的に併合する
[発明原理
5a. 組み合わせ]
-
オブジェクトの同一の部分たちまたは構成要素たちを時間的に併合する
[発明原理
5a. 組み合わせ]
-
異なる機能を果たす複数のオブジェクトを統合して
(解消し), それら複数の機能を同時に果たす単一の (汎用) オブジェクトを作る。
-
異なる機能を果たす二つのオブジェクトを統合して,
両方の機能を果たす単一のオブジェクトを設計する
[発明原理 6. 汎用性]
-
細分化された多数のオブジェクトを連結して,
一つの(柔軟な)
連続体オブジェクトとする。
-
極限にもっていく:
(極めて) 多数のオブジェクト群を一単位のオブジェクトにする
[Sickafus ヒューリスティックス 17c]
(1e)
新しい/変容させたオブジェクトを導入する。
既存のオブジェクトの性質や構造を変容させ,
あるいは, 新しいタイプの (新しい性質・機能をもつ) オブジェクトを導入して,
望ましい効果・機能を実現する。 |
 |
-
導入/変容するためのオブジェクトを入手する源に関しては,
つぎのような優先順位で考える:
- 現在のシステム中での当該オブジェクト
(導入しようとするところに現存のもの) (これを変容させる )
- 当該オブジェクト以外で,
現在のシステム中にあるオブジェクト
- システムの周り
(環境および上位システム) にある入手容易なもの
- 現在のシステムの「場」
(作用) を有効に利用するような新しいオブジェクト
- まったく新しい属性や機能を持つオブジェクト
-
物質の一つあるいは外部環境を分解する
[標準解 5-1-1-9]
-
マクロレベルでの要素を (すぐ上位のレベルから始めて)
分解して, ミクロレベルの粒子を得る
[標準解 5-5-1, 5-5-3]
-
ミクロレベルよりさらに下の粒子を
(すぐ下位のレベルから始めて) 組み合わせて, ミクロレベルの粒子を得る
[標準解 5-5-2, 5-5-3]
-
新しい/変容させたオブジェクトを導入する所
(導入先) に関しては, つぎの優先順位で考える:
- システムの主要機能
(または問題となる効果) が対象とするオブジェクトの内部 (またはオブジェクトそのもの),
- システムの主要機能
(または問題となる効果) が対象とするオブジェクトの表面 (外部付加の形で),
- システムの主要機能
(または問題となる効果) の作用をするツールオブジェクトの内部 (またはオブジェクトそのもの),
- システムの主要機能
(または問題となる効果) の作用をするツールオブジェクトの表面 (外部付加の形で),
- システムの主要機能
(または問題となる効果) の対象オブジェクトとツールオブジェクトとの間
(仲介/媒体/障壁/保護などの役割で),
- システム内の機能的に関係するその他のオブジェクトの内部・表面・間,
- システムが置かれている環境を形成するオブジェクトの内部・表面・間
- システムとその環境との間
(仲介/隔壁などの役割で)。
-
物質の一つに添加物
(一時的なものでよい) を導入し, 制御性を増大したり, 要求される性質を提供したりする
[標準解
1-1-2]
-
(一時的な) 外部付加物を,
どちらかの物質に組み込む
[標準解 1-1-3]
-
最大の作用を実現しようとしてできない場合には,
対象とする物質に付加した物質に作用するように,
場の向きを変える [標準解 1-1-7]
-
物質-場の二つの物質の間に,
第三の物質を
(一時的に) 挿入して, 有害な効果を除去する [標準解
1-2-1]
-
必要な作用を与えるのに既存のオブジェクトや部分を利用できない場合には,中間の媒体を利用する
[発明原理 24a. 仲介]
-
選択的な作用が要求されていて,
場が時として不十分な場合には, 物質を導入して, 場との相互作用により, その選択的な要求に適合した局所的な効果をつくりだせるようにする
[標準解 1-1-8-2]
-
場が有害な効果をもっている場合に,
新しい物質を導入して,
その場の有害な効果をひきつけて除く [標準解
1-2-3]
-
選択的な作用 (例えば, ある場所では最大で,
別の場所では最小など) が要求されていて, 場が時として大きすぎる場合には,
物質を導入してその極端な場合にシステムを保護するようにする
[標準解 1-1-8-1]
-
中性的な部分や添加物をオブジェクトに加える
[発明原理 39b. 不活性雰囲気利用]
-
通常の気体の代わりに不活性気体を利用する
[発明原理 39a. 不活性雰囲気利用]
-
柔軟な殻や薄膜を利用して,
オブジェクトや部分を環境から隔離する
[発明原理 30b. 柔軟な殻と薄膜]
-
変容させた/新規のオブジェクトという形で導入するとよい性質や機能に関しては,
要するに, 既存のシステムでは不十分な/欠如していたもので, そのシステムの本来の目的を実現する助けになるものを導入する。(それは非常に多岐に渡るが,)
具体的には, 特につぎのものが挙げられる:
- 既存のオブジェクトと
(当面の機能については) 同じ機能を持つが, 安価で扱いやすいもの (代替品,
コピー, イメージなど),
- 本来の機能を強化・補助し,
取り扱いや制御が容易なもの
- 形状や構造が異なり,
それが新しい性質/機能をもたらすもの
- 特殊な性質をもつ物質で,
システムに望ましい性質や機能をもたらすもの, など。
-
高価なオブジェクトを多数の安価なオブジェクトで置き換えて,
同じ機能をさせる [発明原理 27.
高価な長寿命より安価な短寿命]
-
入手不能, 壊れやすい, 複雑な,
あるいは危険なオブジェクトに対して作用を与える必要がある場合, そのオブジェクトの単純で安価なコピーを利用する
[発明原理 26a. コピーの利用] [標準解 4-1-2]
-
一方または両方の物質のコピーに作用させる
[標準解
5-1-1-7]
-
現実のオブジェクトの代わりに,
光学イメージ
(写真, ホログラム) を利用する [発明原理
26b. コピーの利用] [標準解 4-1-2]
-
赤外線コピーや紫外線コピーを利用する
[発明原理
26c. コピーの利用]
-
容易に検出できる内部/外部添加物を導入する
[標準解 4-2-2]
-
容易に検出できる添加物を外部環境に導入する
[標準解4-2-3]
-
ローラー, 球, らせんを使用する
[発明原理 14b. 曲面性]
-
単一の固体オブジェクトの代わりに, 中空構造のオブジェクト,
複数の空洞を持つオブジェクト,
さらに, 多孔質 (細管, 細孔) のオブジェクトを利用する [進化トレンド
2. 空間の分割]
-
多孔質材料の挿入物を利用する
[発明原理 31c. 多孔質材料]
-
多孔質材料の被膜を利用する
[発明原理 31b. 多孔質材料]
-
均一な材料の代わりに複合材料を利用する
[発明原理 40. 複合材料]
-
強磁性物質と磁場とを導入して,
システムの効率を向上させる
[標準解 2-4-1]
-
強磁性の物質をシステムに導入し,
磁場を使ってその測定・検出を容易にする
[標準解 4-4]
-
強磁性粒子を利用する
[標準解 2-4-2]
-
磁性の添加物を利用する
[標準解 2-4-5]
-
特殊な性質をもつ新しい物質を導入する
[標準解 Mann Cc4 (D2)]
-
新しい物質の導入に制限がある場合には,
後で分解できる物質を導入する
[標準解
5-1-1-8]
-
機能を果たした後で消滅する
(あるいは, 区別不能になる) ような物質を作る/利用する
[標準解 5-1-3]
-
磁性流体を利用する
[標準解 2-4-3]
-
変容させた/新規のオブジェクトを導入するにあたって,
導入の形態・やり方に関して,
- 空間的な配置を工夫し,
性質・機能が効果的になるようにする
- 時間的な処置を工夫し,
性質・機能が効果的になるようにする。
-
導入可能な量に制限がある場合には,
非常に活性な物質を少量使う
[標準解 5-1-1-4]
-
導入可能な物質の量に制限がある場合には,
泡や膨張する構造を利用する
[標準解 5-1-4]
-
オブジェクトが多孔質な場合,
細孔に他の物質
(液体, 気体) を満たして有用な効果を実現する [発明原理
31d. 多孔質原理] [進化トレンド 2. 空間の分割]
-
オブジェクトを, 要求される作用を与える別のオブジェクトと一時的に組み合わせ,
その後で分解する [発明原理 24b.
仲介]
(1f)
環境中のオブジェクトを導入する。
環境とは,
問題にしているシステムのすぐ周りにあり, 安価に入手しやすいものをいう。
(前項 (1e) でオブジェクトの変容/新規導入に用いるリソースとして,
見落とされやすく重要なので, 注意すべきものである。) |
 |
-
入手しやすいリソースや廃棄されたリソースを利用する
[発明原理 25b. セルフサービス]
-
周りの環境から得た (一時的な) 外部付加物を組み込む [標準解
1-1-4]
-
現在の外部環境を代替/変更/分解した
(一時的な) 外部付加物を, どちらかの物質に組み込む
[標準解 1-1-5]
-
外部環境を分解して,
導入する物質を作る [標準解 5-1-1-9]
(1g)
固体のオブジェクトを, 粉体, 流体, 液体, 気体などのオブジェクトで置き換える。
システム中のオブジェクトとして,
固体/固相のものを用いている場合に, それを粉体にし, さらに流体・液体・気体などのさまざまな形態のもので置き換えると,
流動性・柔軟性・操作性・反応性などいろいろの面で特徴のある性質と機能を得ることができる。
これに対応して,
異なる適切な物質 (材料) を必要とすることも多く, 動作原理も異なることが多い。
前項 (1c) のオブジェクトの分割をさらに進めたものであるが,
大きな変化を必要とすることが多いで特記する。 |
 |
-
単一の固体オブジェクトの代わりに,
分割した固体,
粉体を用い, さらに, 流体を用いる [進化トレンド
4. オブジェクトの分割]
-
重厚な三次元構造の代わりに,
柔軟な殻や薄膜を利用する
[発明原理 30a. 柔軟な殻と薄膜]
-
固体のオブジェクトや部分の代わりに,
気体や液体を利用する。例えば, 膨張式で液体を入れたもの, エアクッション,
流体静力学的, 流体力学的など
[発明原理 29.
空気圧および水圧構造]
-
流体オブジェクトの代わりに,
分割した流体
(泡, エアロゾルなど)を用い, さらに, 気体を用いる
[進化トレンド 4. オブジェクトの分割]
-
気体オブジェクトの代わりに,
プラズマ,
さらに「場」を用いる
[進化トレンド
4. オブジェクトの分割]
(2)
属性次元法:
各オブジェクト
(や物質) はさまざまの種類の性質 (すなわち「属性」) を持っているので, その性質を新しく使う/使わなくする/強化・活用することを考える。特に,
これらの性質の空間的配置 (内部構造を含む) や時間的変動を効果的に使う。システム全体としての性質の向上も大きな目標である。
(2a)
有害な属性を, 使わない (関係しない) ようにする。
システム中の有害な属性を判別し,
使わないようにする, 関係しないうにする, もはや有害でなくなるようにする,
有害なものから有益な効果を得る。 |
 |
-
望ましくない性質をもたらすオブジェクトの部分を見出し,
その部分を分離する [発明原理 2b. 分離]
-
有害な要因を利用して,
有益な効果を得る [発明原理 22a.
災い転じて福となす]
-
有害要因に別の有害要因を追加して,
前者の有害要因を相殺する
[発明原理 22b. 災い転じて福となす]
-
有害要因の度合いを強くして,
もはやオブジェクトや環境に有害でなくなるまでにする
[発明原理 22c. 災い転じて福となす]
-
有害作用を除去する,
災い転じて福となす [Sickafus ヒューリスティックス
15a, 15b]
(2b)
新しい有用な属性を, 使う (関与する) ようにする。
システムの既存のオブジェクトにおいて,
いままで有効に使われていなかった有用な属性 (性質) を利用する (あるいは,
既存オブジェクトを変容させて有用な属性を導入する)。
さらに,
必要なら, このような有用な属性を持つオブジェクト (あるいは材料) で置き換え,
それに対応した作用 (「場」) を導入する。
属性の種類は極めて多様であるが,
以下のようなものを考える:
光学的性質, 熱的性質, 質量関連, サイズ・形状, 表面・構造・内部構造, 力学的性質,
電気的性質, 磁気的/電磁気的性質, 化学的性質, 物理変化, 機能的な性質, 操作的な性質,
など |
 |
-
オブジェクトの色彩・透明性・反射率・屈折率など,
光学的性質に関する属性を活用する。
-
オブジェクトに色彩を導入/活用する。単色
(モノクロ) から, 2色, 多色, フルカラーへと, 表示および認識機能を発展させる
[進化トレンド 21. 色彩の利用の向上]
-
オブジェクトやその部分, あるいは環境の色を変える
[発明原理 32a. 色の変化]
-
オブジェクトを, 不透明なものから,
部分的に透明なもの, さらに透明なものへと発展させる [進化トレンド
22. 透明性の増大]
-
オブジェクトやその部分, あるいは環境の透明度を変える
[発明原理 32a. 色の変化]
-
オブジェクトの温度・熱膨張率・熱伝導率・比熱・蒸発熱など,
熱的性質に関する属性を活用する。
-
オブジェクトや環境の温度を変える
[発明原理 35d. 物理的/化学的パラメタの変更]
-
材料の熱膨張または熱収縮を利用する
[発明原理 37a. 熱膨張]
-
熱膨張率の異なる二つの材料を組み合わせる
[発明原理 37b. 熱膨張]
-
オブジェクトの重量・密度
(比重)・質量分布 など, 質量に関連する属性を活用する。
-
オブジェクトの密度を
(大幅に) 減少させたものを用いる
[進化トレンド
7. 密度の減少]
-
導入可能な物質の量に制限がある場合には,
泡や膨張する構造を利用する
[標準解 5-1-4]
-
オブジェクトのサイズ
(長さ・面積・体積など) ・形状などに関する属性を活用する。
-
ローラー, 球, らせんを使用する
[発明原理 14b. 曲面性]
-
オブジェクトの形状を非対称にする
[発明原理
4a. 非対称] [進化トレンド 8. 非対称性の強化 ]
-
オブジェクトの形状の非対称性を強める
[発明原理
4b. 非対称]
-
オブジェクトの表面・構造・内部構造などに関する属性を活用する。
-
固体の滑らかな表面の代わりに,
突起を持つ表面,
3次元的に粗くした表面, さらに粗くした表面に活性な孔を設けたものにする
[進化トレンド 3. 表面の分割]
-
単一構造の固体に, 空洞,
複数の空洞, 多孔質構造 (細管, 細孔) を導入する
[進化トレンド 2. 空間の分割]
-
重厚な三次元構造の代わりに,
柔軟な殻や薄膜を利用する
[発明原理 30a. 柔軟な殻と薄膜]
-
オブジェクトの柔軟性・強度・硬度・振動特性
(共鳴周波数など) など, 力学的特性に関する属性を活用する。
-
オブジェクトの柔軟性の程度を変える [発明原理
35c. 物理的/化学的パラメタの変更]
-
システムの全体または部分の共鳴振動を利用して,
共鳴周波数の変化が測定を助けるようにする
[標準解 4-3-2]
-
何らかのものをシステムに付加して,
共鳴周波数の変化を測定のために用いる
[標準解 4-3-3]
-
オブジェクトの電導性・電気容量・電荷・電圧など,
電気的性質に関する属性を活用する。
-
オブジェクトの磁性, 誘磁率などの磁気的/電磁気的性質に関する属性を活用する。
-
強磁性物質と磁場とを導入して,
システムの効率を向上させる [標準解 2-4-1]
-
強磁性粒子を利用する
[標準解 2-4-2]
-
強磁性物質を, 分割構造あるいは多孔質構造と組み合わせて利用する
[標準解
2-4-4]
-
外部環境に磁性の要素を導入する
[標準解 2-4-6]
-
オブジェクトの材料・組成・濃度・化学反応性・溶解度など,
化学的性質に関する属性を利用する。
-
相互作用するオブジェクトたちを, 同じ材料, または同じ性質の材料で作る
[発明原理 33. 均質性 ◎]
-
オブジェクトの濃度や組成を変える
[発明原理 35b. 物理的/化学的パラメタの変更]
-
通常の空気を, 高濃度の酸素を含む空気で置き換える
[発明原理 38a. 強い酸化剤]
-
高濃度の酸素を含む空気を, 純粋な酸素で置き換える
[発明原理 38b. 強い酸化剤]
-
空気や酸素をイオン化する
[発明原理 38c. 強い酸化剤]
-
オゾン化酸素を利用する
[発明原理 38d. 強い酸化剤]
-
オゾンを利用する
[発明原理 38e. 強い酸化剤]
-
通常の気体の代わりに不活性気体を利用する
[発明原理 39a. 不活性雰囲気利用]
-
中性的な部分や添加物をオブジェクトに加える
[発明原理 39b. 不活性雰囲気利用]
-
オブジェクトの物理変化
(相変化)
または化学変化可能な性質を活用する。
-
物質の「変換可能な」要素を利用する
[標準解 Mann Da6 (D3)]
-
一方または両方の物質の相変化を利用する
[標準解
5-3-1]
-
新しい物質の導入に制限がある場合には,
後で分解できる物質を導入する
[標準解
5-1-1-8]
-
機能を果たした後で消滅する
(あるいは, 区別不能になる) ような物質を作る/利用する [標準解
5-1-3]
-
エネルギー形態の変換, 情報変換などを含む特殊な性質,
機能的な性質を活用する。
-
特殊な性質をもつ新しい物質を導入する
[標準解
Mann Cc4 (D2)]
-
特殊な性質をもつ物質を利用し,
また, その性質を活用するために対応する場を導入する
[標準解 Mann Ce3 (D2)]
-
受動的な材料の代わりに,
適応可能な材料を利用する
[進化トレンド 1. 賢い材料]
-
変換 (エネルギーまたは情報を一つの形態から別の形態に変える;
例えば, センサー/変換器) [Sickafus ヒューリスティックス
21]
-
システムとしての機能の実現をサポートするような一般的属性で,
操作性・制御性・製造容易性などの操作的な性質に関する属性を活用する。
-
新しい場を導入して, 検出・測定が必要なパラメタに関連した,
検出がより容易なパラメタを提供する
[標準解 4-2-1]
-
物質の一つに添加物 (一時的なものでよい)
を導入し,
制御性を増大したり, 要求される性質を提供したりする
[標準解 1-1-2]
-
導入可能な量に制限がある場合には,
非常に活性な物質を少量使う
[標準解
5-1-1-4]
(2c)
有用な属性を強調し, 有害な属性を抑制する。
有用な
(しかしまだ不十分な) 属性を強調し, 有害な属性を抑制する。
使う属性の種類については,
前項 (2b) のものと同様である。 |
 |
-
それぞれのオブジェクト (とその部分)
および環境の諸属性を再設計して, それぞれが要求される/望ましい条件を満たし,
必要な動作・作用を行うようにする。オブジェクトの変容や導入, 機能の変更や導入を伴うことも多い。
-
オブジェクトと環境を再設計して, オブジェクトの各部分が動作に適した条件になるように整える
[発明原理 3d. 局所的性質]
(2d)
空間に関する属性を導入・拡張し, また, (有害/有用な) 属性およびその値を,
空間的に配置/変化させる。
空間に関する属性でいままで使われていなかったものを導入し
(あるいは使われていたものを拡張し), また, 空間での位置 (あるいはオブジェクトの部分)
に応じて, 異なる属性を使ったり, 同じ属性の異なる値を使ったりする。 |
 |
-
オブジェクト (群) の配置や構造に空間的な秩序・構造を導入・拡張する。
-
オブジェクト (群) に空間的秩序を導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus
ヒューリスティックス 8a, 8b,8c,8d]
-
オブジェクトに形状の変化を導入する,
防止する [Sickafus ヒューリスティックス
9a, 9b]
-
オブジェクト (群) に空間的パターン変化の周期を導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus
ヒューリスティックス 10a, 10b, 10c, 10d]
-
オブジェクト (群) を空間的に重ね合わせる,
分離する, 分化する [Sickafus
ヒューリスティックス 13a, 13b, 13c]
-
空間に関する属性でいままで使われていなかったものを導入・拡張する。
-
オブジェクトを傾ける
[発明原理
17d. もう一つの次元]
-
オブジェクトの部分を直線の代わりに,
曲線にする
[発明原理 14a. 曲面性]
-
ローラー, 球, らせんを使用する
[発明原理 14b. 曲面性]
-
当該領域の反対側を利用する
[発明原理 17e. もう一つの次元]
-
オブジェクトを再配置して,
単層配置の代わりに多層配置を達成する
[発明原理 17c. もう一つの次元]
-
一つのオブジェクトの内部にもう一つのオブジェクトを配置する
[発明原理 7a. 入れ子構造]
-
オブジェクトに空間的な構造・内部構造を導入し,
諸属性 (または属性の値) を所によって変化させる。
-
オブジェクトを均質な構造から不均質な構造にする
[発明原理 3a. 局所的性質]
-
環境を均質構造から不均質な構造にする
[発明原理 3b. 局所的性質]
-
問題を局所化する,
非局所化する [Sickafus ヒューリスティックス
12a, 12b]
-
対称性を導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus
ヒューリスティックス 11a, 11b, 11c, 11d]
-
外部の非対称性に対応させて,
オブジェクトの非対称性を強める
[進化トレンド
8. 非対称性の強化]
-
オブジェクト (群) に空間的パターン変化の周期を導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus
ヒューリスティックス 10a, 10b, 10c, 10d]
-
均一な材料の代わりに複合材料を利用する
[発明原理 40. 複合材料 ○]
-
導入可能なものの量に制限がある場合には,
新しい物質を, 対象物の真に必要な部分だけに選択的に集中させる
[標準解 5-1-1-5]
-
システム内外にある多数の境界を少なくし,
あるいは無くす [進化トレンド 9.
境界の除去]
-
オブジェクトの空間での動きに関する属性を導入・拡張する。
-
オブジェクトの可動部分を固定にし,
あるいはオブジェクトの固定部分を可動にする
[発明原理
13b. 逆発想]
-
オブジェクトが固定されて不動の場合,
そのオブジェクトを可動にする
[発明原理 15a. ダイナミック性]
-
システムの動作・作用の場所について,
点から, 1次元の線, 2次元の平面, さらに3次元での表面になるように展開する
[進化トレンド 10. 幾何学的進化 (線形)]
-
自由運動の程度を増す [発明原理
15c. ダイナミック性]
-
システムをより柔軟で適応可能なものとする
(そのため, 関節がない構造から, 関節一つ, 関節複数の構造, そしてさらに完全に柔軟な構造へと移行させる)
[標準解 2-2-4, 2-4-8]
-
システムの構成・動作を,
非可動システムから, 関節可動システム, さらに全面柔軟システムにする。
特に, 流体あるいは流体圧を利用したシステムにする
[進化トレンド
12. ダイナミック化]
-
システムの構成・操作対象について,
平面構造から,
一般の2次元構造, 軸対象3次元構造, そして, フル3次元構造になるように展開する
[進化トレンド 11. 幾何学的進化 (ボリューム的) ]
(2e)
時間に関する属性を導入・拡張し, また, (有害/有用な) 属性およびその値を,
時間的に配置/変化させる。
システムの動作段階,
処理時間, 時間周期などの時間に関する諸属性を導入・拡張し, また, それらに応じて,
ある時と別の時とで, 異なる属性を活性化したり, 属性の値を変化させたりする。 |
 |
-
システムの動作段階,
処理時間, 時間周期などの時間に関する諸属性を導入・拡張する。
-
オブジェクトや環境を, 動作の各段階で要求される条件に従って,
ダイナミックに変わるようにする
[発明原理 15d. ダイナミック性]
-
システムのさまざまの時間的条件に対応して,
ある時と別の時とで, 異なる属性を活性化したり, 属性の値を変化させたりする。
-
同じオブジェクトについて,
異なる時間においてそれぞれ異なる属性を活性化する
[Sickafus ヒューリスティックス 1b]
-
時間的要素を排除する
(可変から一定に) , 導入する (一定から可変に)
[Sickafus ヒューリスティックス 14a, 14b]
(2f)
オブジェクトの相を変える, 相変化を利用する, 内部構造を変える。
オブジェクトの相
(凝集状態) を変え, 相変化を利用し, また微細レベルでの内部構造を作りその諸属性を利用する。 |
 |
-
オブジェクトの相 (固相・液相・気相など)
・凝集状態を変える。なお, これに伴い, 適切な材料 (物質) に切り換えることも考える。
[(1g) も参照]
-
オブジェクトの凝集状態を変える。(気体,
液体, 固体などといったオブジェクトの物理的状態を変更する)
[発明原理 35a. 物理的/化学的パラメタの変更]
-
固体のオブジェクトや部分の代わりに,
気体や液体を利用する。例えば,
膨張式で液体を入れたもの, エアクッション, 流体静力学的, 流体力学的など
[発明原理 29. 空気圧および水圧構造]
-
単一の固体オブジェクトの代わりに,
分割した固体,
粉体を用い, さらに, 流体を用いる [進化トレンド
4. オブジェクトの分割]
-
流体オブジェクトの代わりに,
分割した流体
(泡, エアロゾルなど)を用い, さらに, 気体を用いる [進化トレンド
4. オブジェクトの分割]
-
気体オブジェクトの代わりに,
プラズマ,
さらに「場」を用いる [進化トレンド
4. オブジェクトの分割]
-
オブジェクトの物質の相変化を利用し,
相変化に伴う物理的効果や, 二相共存状態での特別な性質を活用する。
-
一方または両方の物質の相変化を利用する
[標準解
5-3-1]
-
動作条件に応じて有用な作用を提供する間に相変化が起こるような物質を用いる
[標準解
5-3-2]
-
相変化に伴う物理現象を利用する。例えば,
体積の変化, 放熱, 吸熱など [発明原理 36a. 相変化]
-
一つの相状態の代わりに,
二相共存状態で置き換える
[標準解
5-3-4]
-
システムの異なる相の間に物理的あるいは化学的相互作用を導入する
[標準解 5-3-5]
-
可逆相変位 (あるいはその他の可逆性のあるヒステリシス)
を利用して, システムの機能を改良する
[標準解 5-4-1]
-
弱い入力を大きな出力に変換する必要がある場合には,
変換する物質をその臨界に近い条件に置き, 入力がトリガーとして働くようにする
[標準解 5-4-2]
-
オブジェクト中に空孔 (細孔)
を導入するなどして, 非均質で秩序をもった内部構造を作る。この内部構造がもたらす新しい性質や機能を活用する。
-
物質の一方を変更して, 空孔を含むようにする
[標準解 5-1-1-1]
-
物質の一方または両方を,
固体から, 中空構造, 複数の空洞の構造, さらに多孔質の毛細管へと移行する
[標準解 2-2-3]
-
オブジェクトを多孔質にする [発明原理
31a. 多孔質材料] [進化トレンド 2. 空間の分割]
-
均質なあるいは無秩序な構造の物質から,
非均質で秩序のある
(そしてあるいは, 時間的に変化する) 構造の物質に移行する [標準解
2-2-6]
-
均質なシート構造の代わりに,
2次元の規則的網目構造, さらに, 負荷構造に応じて3次元に配置したファイバ構造を用いる
[進化トレンド 6. 網目とファイバー]
-
複数の材料 (物質) で内部構造を持つオブジェクトを構成し,
複合内部構造材料として,
新しい性質と機能を作り出す。
-
均一な材料の代わりに複合材料を利用する
[発明原理 40. 複合材料]
-
オブジェクトが多孔質な場合, 細孔に他の物質
(液体,
気体) を満たして有用な効果を実現する [発明原理
31d. 多孔質材料] [進化トレンド 2. 空間の分割]
(2g)
ミクロのレベルの属性・性質を使う。
マイクロメートルスケール,
ナノメートルスケール (さらに微細スケール) での構造・性質・相互作用を考慮して,
原理レベルから考えて問題を解決する。 |
 |
-
通常のマクロのスケールから,
マイクロメートルスケール, ナノメートルスケールへと, 空間的に微細化して,
そのようなミクロレベルで見たシステムの構造・性質・相互作用を (原理レベルから)
考え, またそれに基づいたシステムを実現して, 問題を解決する。
-
マクロのスケールから, マイクロメートルスケール,
ナノメートルスケールへと, 空間的に微細化して考える [進化トレンド
5. マクロからナノスケールへの進化 (空間的) ]
-
マクロレベルからミクロレベルへ移行する。ミクロレベルでの物質-場を考える
[標準解 3-2-1]
(2h)
システム全体としての性質・機能を向上させる。
( システムの構成要素としてのオブジェクト単位での属性や機能とは別に,)
システム全体としての性質 (属性) と機能を考え, それらを向上させるようにシステム全体および部分を設計し,
改良・実現していく。 |
 |
-
現在のシステムが, 技術システムとして機能するための最小限の構成さえも備えていない場合には,
欠如しているオブジェクトまたは機能を補ない, 技術システムとして機能させる。
-
システムとして機能させるために,
「二つの物質と一つの場」という物質-場分析の最小限の要求を成立させる。
[標準解 1-1-1]
-
技術システム全体として,
望ましい性質および目標とする機能を設定し, それらの性質・機能を向上させるように,
設計し, 改良・実現していく。目標とする性質にはつぎのものかある:
- エネルギー使用効率
- 人間の関与の減少と知能化
- システムの理想性
(有用作用/(質量+サイズ+エネルギー消費+有害作用))
- ロバストネス
- 市場の需要と顧客満足度
-
システム全体におけるエネルギー効率を高めるために,
エネルギー変換の回数を
3回, 2回, 1回, そしてゼロ回になるように発展する/発展させる [進化トレンド
31. エネルギー変換回数の減少 (ゼロに)]
-
オブジェクトを上げるまたは下ろす必要がある場合,
オブジェクトの環境を再設計して, オブジェクトを上げる/下ろすことを不要にする
[発明原理 12. 等ポテンシャル]
-
システムを, その主要機能を果たすためのツールとして見たとき,
人間の関与を減少させる方向に発展する。
「人間 => 人間+ツール => 人間+動力ツール => 人間+半自動化ツール => 人間+自動化ツール
=> 自動化ツール」。システムをこの方向に発展させる [進化トレンド
29. 人間の関与の減少]
-
外部条件に応じてシステムを設計するに際して,
線形で近似して考えたシステムの代わりに,
非線形性を部分的あるいは全面的に取り入れて考えたシステムにする
[進化トレンド 15. (外部条件に対応した) 非線形性]
-
システム全体の設計にあたって, 一つの操作点に対して最適化した設計から,
二つの操作点,
および数個の異なる操作点に対して最適化した設計に発展させ, さらに状況に合わせて連続的に再最適化が行われる設計に発展させる
[進化トレンド 25. 設計の観点]
-
システム全体の設計において, 主要機能を果たすための環境との関わりについて,
「試行錯誤の設計 => 定常状態を考えた設計 => 過渡的効果を取り入れた設計
=> ゆっくりした劣化効果を取り入れた設計 => クロスカップリング効果を取り入れた設計
=> マーフィの法則 (「起こる可能性のあることは必ず起こる」) を取り入れた設計」
のように発展する/発展させる [進化トレンド 30.
設計方法論]
-
顧客の購入の焦点として (すなわち, システム全体の設計・製造の焦点として),
システムの性能, システムの信頼性, システムの便利さ,
システムの価格の順に発展する/発展させる
[進化トレンド 23. 顧客の購入の焦点]
市場が求めるものは, あたりまえの普及品から,
新しい製品, 新しいサービス, そして, 新しい経験とその経験の移転へと進んでいくことを認識し,
これらに対応して, 市場が求めるものを提供していく
[進化トレンド 24. 市場の進化]
(3)
機能配置法
システムの主有用機能を達成するために, それを支える有用な諸機能 (および副次的に現れる有害な諸機能)
を, 既存および変容させた/新規導入の諸オブジェクト間で適切に配置/再配置することを考える。諸機能の移動,
分割, 統合, 導入を伴う。諸機能を空間的に, また時間的に, 適切に配置/変化させることが必要であり,
適応・制御などの高次の機能がシステムをうまく働かせる鍵である。
(3a)
ある機能を, 別のオブジェクトに担わせる。
既存の機能を,
より適切な別のオブジェクト (既存または新規導入のもの) に移す。 |
 |
-
システムの一つのオブジェクトが持っている機能で,
不十分/過剰/有害なものを見出し, その機能を有効/有用/無害にするように,
別のオブジェクト (既存または新規のもの) に担わせる。
-
オブジェクトの干渉部分の一つを分離する
[発明原理 2a. 分離]
-
必要な作用を与えるのに既存のオブジェクトや部分を利用できない場合には,中間の媒体を利用する
[発明原理 24a. 仲介]
-
システムの周りの環境中にすでに存在する場を活用する
[標準解 5-2-2]
-
システム中の有用な機能を,
より制御しやく効率的になるように,
別の物理的原理に基づく同種の機能で置き換える。これに伴い, 関連するオブジェクトや「場」を組にして置き換える。
-
システムやオブジェクトの背後にある機械的原理を,
別の物理原理で置き換える。例えば, 光学的, 音響的, 磁気的, 電磁気的,
熱的原理など [発明原理 28.
機械的原理の代替]
-
固体のオブジェクトや部分の代わりに,
気体や液体を利用する。例えば,
膨張式で液体を入れたもの, エアクッション, 流体静力学的, 流体力学的など
[発明原理 29. 空気圧および水圧構造]
(3b)
複合した機能 (複数の機能) を分割して, 別のオブジェクトに担わせる。
既存の複合した機能を分割して,
別の (既存/新規導入の) オブジェクト (またはその部分) に移す。 |
 |
-
一つのオブジェクトが担っている複合した機能
(未分化の複数の機能) を分割して, 各機能をそれぞれ別のオブジェクト (またはオブジェクトの部分)
に分担させ, より効果的に機能させる。
-
一つのオブジェクトが二つの機能を行おうとすると問題が生じるなら,
オブジェクトを二つの部分に分割しそれぞれの機能を担わせる[発明原理
3c. 局所的性質]
(3c)
二つの機能を統合して, 一つのオブジェクトに担わせる。
複数のオブジェクトの複数の機能を統合して,
それらの機能を一つのオブジェクトに担わせる。 |
 |
-
複数のオブジェクトが担っている複数の機能を統合して,
新しい一つの (複合) オブジェクトが, それらの機能を同時に果たすようにする。もしどれかのオブジェクトが冗長になれば,
除去する。
-
異なる機能を果たす二つのオブジェクトを統合して,
両方の機能を果たす単一のオブジェクトを設計する
[発明原理
6. 汎用性]
(3d)
新しい機能を導入し, オブジェクトに担わせる。
システムの目標を達成したり,
問題を解決したりするために, 新しい機能を導入し, 既存または新規導入のオブジェクトに担わせる。 |
 |
-
システム (あるいはその部分)
に新しい機能を導入するにあたっては, その機能の入手元について, つぎのような指針がある:
- システムの他の部分や周りの環境にすでに存在する「場」を活用する,
- システム中の既存のオブジェクトが持つ性質を活用する/親和性があるような「場」を導入する,
- システム中に,
新しい物質とそれに対応する新しい「場」とを組にして導入し,
有用/有効な機能を実現する,
- システム中の他の機能と,
協調・強化・補助・防止・保護・保障・制御などの関連にあるように,
新しい機能を導入・調整する。
-
新しい「場」を導入する
[標準解 5-1-1-2]
-
システムの周りの環境中にすでに存在する「場」を活用する
[標準解 5-2-2]
-
既存の「場」の有害な効果を中和するために,
新しい「場」を導入する [標準解 1-2-4]
-
システムまたは外部環境中にすでにある物質が媒体/ソースとして働くような,
「場」を導入する [標準解 5-2-3]
-
有害効果を受けていた物質に新しい物質を添加し,
さらにその添加物に作用する新しい「場」を導入して, 既存の「場」の有害な効果を中和する
[標準解 1-2-4]
-
特殊な性質をもつ物質を利用し,
また, その性質を活用するために対応する「場」を導入する
[標準解 Mann Ce3 (D2)]
-
指定された機能の代わりに,
それと逆の作用を実行する [発明原理
13a. 逆発想]
-
有害な要因を利用して,
有益な効果を得る [発明原理 22a. 災い転じて福となす]
-
最大の作用を実現しようとしてできない場合には,
対象とする物質に付加した物質に作用するように, 「場」の向きを変える
[標準解 1-1-7]
-
システムに新しく導入するとよい機能は極めて多様であるが,
それらの機能を生み出すもととしてTRIZの「場」の認識からのつぎのような観点で考えるとよい:
- 力学的な「場」
に関連する機能
- 熱的な「場」に関連する機能
- 電気的な「場」に関連する機能
- 磁気的/電磁気的な「場」に関連する機能
- 光学的な「場」に関連する機能
- 化学的・生化学的な「場」に関連する機能
- 視覚,
聴覚, 味覚, 嗅覚などに関連する機能, その他の機能。
-
揚力を提供するオブジェクトを導入して,
一つのオブジェクトの重さを補償する [発明原理
8a. つりあい]
-
空気力学的, 流体力学的揚力をもたらす環境の中にオブジェクトを置く
[発明原理
8b. つりあい]
-
遠心力を利用する
[発明原理 14d. 曲面性]
-
機械的振動の代わりに圧電振動を利用する
[発明原理 18e. 機械的振動]
-
超音波振動を利用する
[発明原理 18d. 機械的振動]
-
超音波振動を電磁場と組み合わせて利用する
[発明原理 18f. 機械的振動]
-
相変化に伴う物理現象を利用する。例えば,
体積の変化, 放熱, 吸熱など [発明原理 36a. 相変化]
-
システムの異なる相の間に物理的あるいは化学的相互作用を導入する
[標準解
5-3-5]
-
強磁性物質と磁場とを導入して,
システムの効率を向上させる
[標準解 2-4-1]
-
オブジェクトに色彩を導入/活用する。単色
(モノクロ) から, 2色, 多色, フルカラーへと, 表示および認識機能を発展させる
[進化トレンド 21. 色彩の利用の向上]
-
変換 (エネルギーまたは情報を一つの形態から別の形態に変える;
例えば, センサー/変換器) [Sickafus
ヒューリスティックス 21]
(3e)
機能を空間的に配置する/変化させる, また, 空間での配置/移動/振動の機能を利用する。
機能 (群)
を空間的に秩序をもって配置し, その空間的自由度を増す。また, オブジェクト
(あるいはオブジェクトの属性) を空間的に配置する/移動する/振動させる機能を利用/強化する。 |
 |
 |
-
機能が作用する空間的な位置について,
(システム中の複数の) 機能を効果的/効率的にするような配置 (空間的秩序/空間的構造/空間的変化)
を作るとともに, その配置の空間的な自由度を増し, また時間的に変化することも可能にする。
-
均一な/無秩序な「場」から,
均一でなく秩序のある「場」に変換する
[標準解 2-2-5, 2-4-9]
-
均一なあるいは秩序のない磁場から,
非均一なあるいは秩序のある磁場に移行する
[標準解 2-4-9]
-
システムの動作・作用の場所について,
点から,
1次元の線, 2次元の平面, さらに3次元での表面になるように展開する
[進化トレンド 10. 幾何学的進化 (線形)]
-
システムあるいはその部分の動作・作用・設定の空間的な自由度について,自由度1から,
自由度2, 3, ... と増大させ, 自由度6にまで発展させる
[進化トレンド 26. 自由度の増大]
-
システムの構成・操作対象について,
平面構造から,
一般の2次元構造, 軸対称3次元構造, そして, フル3次元構造になるように展開する
[進化トレンド 11. 幾何学的進化 (ボリューム的) ]
-
オブジェクトを空間的に配置する/移動する/移動させる機能を利用する。
-
オブジェクトを傾ける
[発明原理 17d. もう一つの次元]
-
回転運動を利用する
[発明原理 14c. 曲面性]
-
オブジェクトが一つの線に沿って移動する場合,
2次元空間内での移動を考える
[発明原理 17a. もう一つの次元]
-
オブジェクトが一つの面内で移動する場合,
3次元空間内での移動を考える
[発明原理 17b. もう一つの次元]
-
オブジェクトを振動させる。共鳴振動や超音波振動を利用する。
-
オブジェクトやその一部を振動させる
[発明原理 18a. 機械的振動]
-
オブジェクトが振動している場合,
振動周波数を大きくする
[発明原理 18b. 機械的振動]
-
共鳴振動を利用する
[発明原理 18c. 機械的振動]
-
超音波振動を利用する
[発明原理 18d. 機械的振動]
-
機械的振動の代わりに圧電振動を利用する
[発明原理 18e. 機械的振動]
(3f)
機能を時間的に配置する/変化させる。
機能を働かせる時間
(タイミング) を適切に設定する。一つの機能についてそれが働く時間帯 (トリガーとなるもの,
動作条件), (比較的長時間での) 時間的変化, および短時間での変化 (パルス的,
周期的, 周波数) を適切に設定し, さらに, 複数の機能についての前後関係や相互のタイミングなども適切に設定する。 |
 |
-
機能 (群) を時間的に配置/変化させる。
-
均一なあるいは秩序のない「場」から,
均一でなくあるいは秩序のある「場」へと変換する (それは時間で変化するものであったり,
永久的なあるいは一時的なものであってもよい)
[標準解 2-2-5, 2-4-9]
-
システム中の時間変化する要素に合わせて,
「場」を変化させる
[標準解 2-4-10]
-
均一なあるいは秩序のない磁場から,
非均一なあるいは秩序のある磁場に移行する
[標準解 2-4-9]
-
システムの自然なリズムに一致した,
時間的に変動する磁場を用いる
[標準解 2-4-10]
-
フェーズの異なる諸機能の統合(相変化)。同じオブジェクトについて,
異なる時間において, それぞれ異なる属性を活性化する
[Sickafus ヒューリスティックス 1b]
-
有害作用の条件に対応して,
「場」をオン/オフするような物理的効果を用いる
[標準解
1-2-5]
-
一つの主たる作用を行おうとするときに,
それを単純に行うと支障がある場合は,
事前に予備的な処理をしたり,
臨時的な保護処理をしたり,
あるいは事後処理をしたりする。また,
作用の順番を変更・反転させたりする。
-
事象の開始を早くする,
遅くする [Sickafus ヒューリスティックス
7a, 7b]
-
事象の順番を変更する,
反転する [Sickafus ヒューリスティックス
2a, 2b]
-
オブジェクトが環境から有害要因を受ける場合に,
事前に正反対の作用をオブジェクトに与えておき,
有害作用を補償する [発明原理 9a. 先取り反作用]
-
オブジェクトを変更する必要があるが,
それが難しい場合には,
予め, 要求される変更をオブジェクトに (全部または部分的に)
与えておく [発明原理 10b. 先取り作用]
-
要求される変化を正確に実現できない場合や,
ある機能を果たすことができない場合には, 問題を再定義する。要求よりもちょっと少なく変化
(機能) させたり, ちょっと多く変化 (機能) させて, それから, 要求される結果を達成する
[発明原理 16. 部分的な作用または過剰な作用]
-
最小の作用を達成しようとしてできない場合には,
その代わりに最大の作用を適用し,
余剰を除去する
[標準解
1-1-6]
-
オブジェクトを, 要求される作用を与える別のオブジェクトと一時的に組み合わせ,
その後で分解する [発明原理 24b.
仲介]
-
あるプロセスで, 有害あるいは危険な作用をオブジェクトが受ける場合,
そのプロセスを非常な高速で実行する
[発明原理 21. 高速実行]
-
(外部条件が変動する場合にも)
システム中のオブジェクトが (長時間) 連続して望ましい動作ができるようにする。
-
オブジェクトのすべての部分を連続的に動作させる
[発明原理 20a. 有用作用の継続 20]
-
すべての無負荷運転をなくす
[発明原理 20b. 有用作用の継続]
-
動作している間に, オブジェクトの消耗部分を修復する
[発明原理 34b. 部分の排除と再生]
-
機能を実行する速さを速くする,
パルス的に作用させる,
また周期的に作用させる。特に, システムの共鳴周波数に合わせた周期で機能を作用させる。
-
事象の速さを導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus
ヒューリスティックス 3a, 3b, 3c 3d]
-
連続的な作用の代わりに,
パルス的作用を利用する
[発明原理 19a. 周期的作用]
-
周期性を導入する,
増加させる, 減少させる [Sickafus
ヒューリスティックス 4a, 4b, 4c]
-
条件に合わせて周期性を変える
[発明原理 19b. 周期的作用]
-
オブジェクトが振動している場合,
振動周波数を大きくする
[発明原理 18b. 機械的振動]
-
共鳴振動を利用する
[発明原理 18c. 機械的振動]
-
複数の機能・作用を働かせる時間を調整して,
協調して同時に/順番に,
あるいは干渉しないように交互に働かせる。
-
事象の順番を多重化する
[Sickafus ヒューリスティックス 2c]
-
対象物質の自然の周波数に,
場の周波数を一致させる[標準解
2-3-1]
-
複数の場が存在するとき,
それらの場の周波数を一致させる
(あるいは不一致にする) [標準解 2-3-2]
-
二つの作用が要求されるが互いに両立しない場合,
一つの作用の休止期間中にもう一つの作用を実行する
[標準解 2-3-3]
-
パルスの間の休止を利用して,
他の作用を行う
[発明原理 19c. 周期的作用]
(3g)
検出・測定の機能を実現する
検出・測定に際しては,
できるだけ簡易・迅速にする (できれば, 検出・測定不要にする), また, 敏感で正確な属性を用いる。
[注: 次項 (3h) 参照] |
 |
-
検出・測定の要求に対して,
システムを変更して検出・測定を不要にする
[標準解 4-1-1]
-
オブジェクトの代わりに,
そのコピー・画像・複製について検出・測定する
[標準解
4-1-2]
-
測定の問題について, 問題を変換して,
変化を逐次的に検出する
[標準解
4-1-3]
-
環境およびシステムの状況を検知・認識するために,
用いる感覚
(すなわち認識する対象の属性) の種類を増やす [進化トレンド
20. 諸感覚の利用]
(3h)
適応・調整・制御の機能を導入/拡張する
システムに適応・調整・制御などの機能を導入・拡張し,
システムを高度化・知能化する。 |
 |
-
システムの高度化の基本として,
人間の関与を減少させる。
-
システムを, その主要機能を果たすためのツールとして見たとき,
人間の関与を減少させる方向に発展する。
「人間 => 人間+ツール => 人間+動力ツール => 人間+半自動化ツール => 人間+自動化ツール
=> 自動化ツール」。システムをこの方向に発展させる [進化トレンド
29. 人間の関与の減少]
-
システム中に, より制御しやすい「場」を導入し,
あるいは置き換える。
-
制御されていない/不十分な「場」を,
より制御しやすい「場」で置き換える
[標準解
2-2-1]
-
制御の問題がある場合, 第二の,
より制御しやすい物質-「場」を導入する
[標準解 2-1-2, 2-4-11, 2-4-12]
-
システム中のオブジェクトを,
適応可能な,
より制御しやすい材料のもので置き換える。
-
受動的な材料の代わりに,
適応可能な材料を利用する
[進化トレンド
1. 賢い材料]
-
磁性物質に連携した物理的効果を利用して,
制御を向上させる [標準解 2-4-7]
-
選択的な作用を適応的に起こすために,
物質を選択的に配置して誘導する。
-
選択的な作用 (例えば, ある場所では最大で,
別の場所では最小など) が要求されていて, 場が時として大きすぎる場合には,
物質を導入してその極端な場合にシステムを保護するようにする
[標準解 1-1-8-1]
-
選択的な作用が要求されていて,
場が時として不十分な場合には, 物質を導入して, 場との相互作用により, その選択的な要求に適合した局所的な効果をつくりだせるようにする
[標準解 1-1-8-2]
-
弱い入力を大きな出力に変換する必要がある場合には,
変換する物質をその臨界に近い条件に置き, 入力がトリガーとして働くようにする
[標準解
5-4-2]
-
システムの動作・作用などの機能について,
それらの機能およびタイミングを調整したシステムにする。
-
環境を含むシステムの動作・作用について,
諸動作・作用が調整されていないシステムの代わりに,
部分的に調整したシステム, さらに全面的に調整したシステムにする [進化トレンド
13. 作用の調整 ]
-
環境を含むシステムの動作・作用のタイミングについて,
連続的作用の代わりに, 周期的作用, 共鳴振動を利用した作用, さらに,
進行波を利用したシステムにする
[進化トレンド 14. リズムの調整 ]
-
事象を同期させる, 位相をずらす,
差分を取る [Sickafus ヒューリスティックス 6a, 6b,
6c]
-
システムの機能の調整と制御のために,
フィードバックシステム,
その他の調整・制御機構を導入・強化する。
-
フィードバックを導入する,
増加させる, 減少させる, 除去する [Sickafus ヒューリスティックス
5a, 5b, 5c, 5e]
-
フィードバックを導入する
[発明原理 23a. フィードバック]
-
フィードバックをすでに利用している場合は,
動作条件に合わせてフィードバックを変える [発明原理 23b. フィードバック]
-
システムの制御において,
直接的な制御から, 仲介を用いた作用,
フィードバックの導入,
さらに知的なフィードバックへと発展する/発展させる [進化トレンド
28. 制御性]
-
現在のシステム中の物質の一つを,
独立に制御可能な物質-「場」に変換することにより,
システムの効率を向上させる [標準解 2-1-1]
-
作用を大幅に減衰させて適用している場合に,
その減衰の程度を軽くし, あるいは減衰を無くして適用する。ただし,
制御機能との併用が必要である [進化トレンド
19. 減衰の減少]
-
外部条件に応じてシステムを設計するに際して,
線形で近似して考えたシステムの代わりに,
非線形性を部分的あるいは全面的に取り入れて考えたシステムにする
[進化トレンド 15. (外部条件に対応した) 非線形性]
-
オブジェクトがセルフサービスで自身の動作を調整・調節・修復する機能を備える。
-
オブジェクトがセルフサービスで,
自身の動作を調整,
調節, 修復する [発明原理 25a. セルフサービス]
-
動作している間に, オブジェクトの消耗部分を修復する
[発明原理 34b. 部分の排除と再生]
(3i)
同種の機能を別の物理原理 (形態) で達成する
ある機能
(特に力学的な原理で実現した機能) に対して, より効率的で制御しやすい原理を用いて同種の機能を実現する。 |
 |
-
システムやオブジェクトの背後にある機械的原理を,
別の物理原理で置き換える。例えば, 光学的, 音響的, 磁気的, 電磁気的,
熱的原理など [発明原理 28.
機械的原理の代替]
-
固体のオブジェクトや部分の代わりに,
気体や液体を利用する。例えば,
膨張式で液体を入れたもの, エアクッション, 流体静力学的, 流体力学的など
[発明原理 29. 空気圧および水圧構造]
(4)
解決策組み合わせ法
複数の解決策を,
機能的に, 空間的に, 時間的に, 構造的に, また, 原理レベルで, などのさまざまな観点から組合わせることにより,
長所を生かし, 短所を補い, また矛盾を克服した, 新しい解決策を作るこどができる。さらに,
スーパーシステムに移行して, 解決する。
(4a)
機能的に組み合わせる。
複数の解決策を,
それらの機能を関連づけることによって組み合わせる。特に, 因果関係でつながっている複数機能を組み合わせ,
また, 相補的・対照的な複数機能を組み合わせる。 |
 |
-
因果関係の面から継続している複数機能を,
時間的に前後にして作用させ,
よりよい解決策を得る。
-
要求される変化を正確に実現できない場合や,
ある機能を果たすことができない場合には, 問題を再定義する。要求よりもちょっと少なく変化
(機能) させたり, ちょっと多く変化 (機能) させて, それから, 要求される結果を達成する
[発明原理 16. 部分的な作用または過剰な作用]
-
最小の作用を達成しようとしてできない場合には,
その代わりに最大の作用を適用し, 余剰を除去する [標準解
1-1-6]
-
オブジェクトの代わりに,
そのコピー・画像・複製について検出・測定する
[標準解
4-1-2]
-
入手しやすいリソースや廃棄されたリソースを利用する
[発明原理 25b. セルフサービス]
-
因果関係の面から継続している複数機能を,
時間的に並行して作用させ,
機能的に拡張・強化・抑制・防止などをした,
より優れた解決策を得る。
-
超音波振動を電磁場と組み合わせて利用する
[発明原理 18f. 機械的振動]
-
新しい場を導入して, 検出・測定が必要なパラメタに関連した,
検出がより容易なパラメタを提供する
[標準解 4-2-1]
-
測定を助けるために, システムに存在する物理・化学・生物的効果を利用する
[標準解
4-3-1]
-
システムの全体または部分の共鳴振動を利用して,
共鳴周波数の変化が測定を助けるようにする
[標準解 4-3-2]
-
選択的な作用が要求されていて,
場が時として不十分な場合には, 物質を導入して, 場との相互作用により, その選択的な要求に適合した局所的な効果をつくりだせるようにする
[標準解 1-1-8-2]
-
選択的な作用 (例えば, ある場所では最大で,
別の場所では最小など) が要求されていて, 場が時として大きすぎる場合には,
物質を導入してその極端な場合にシステムを保護するようにする
[標準解 1-1-8-1]
-
有害な要因を利用して,
有益な効果を得る [発明原理 22a.
災い転じて福となす]
-
相補的, 対照的な複数機能を,
システムの異なる部分に組み込み, あるいは統合して組み込む。
-
環境を含むシステムの動作・作用について,
諸動作・作用が調整されていないシステムの代わりに,
部分的に調整したシステム, さらに全面的に調整したシステムにする [進化トレンド
13. 作用の調整 ]
-
一つのオブジェクトが二つの機能を行おうとすると問題が生じるなら,
オブジェクトを二つの部分に分割しそれぞれの機能を担わせる[発明原理
3c. 局所的性質]
-
異なる機能を果たす二つのオブジェクトを統合して,
両方の機能を果たす単一のオブジェクトを設計する
[発明原理
6. 汎用性]
-
複数の機能を, 適応・制御・学習などを含む機能的な階層構造をなすように組み込む。
-
有害な (制御) 問題の場合,
第二の, もっと制御しやすい物質-「場」を導入する [標準解
2-1-2, 2-4-11, 2-4-12]
-
現在のシステム中の物質の一つを,
独立に制御可能な物質-「場」に変換することにより,
システムの効率を向上させる [標準解 2-1-1]
-
有害作用の条件に対応して,
「場」をオン/オフするような物理的効果を用いる
[標準解
1-2-5]
-
(4b)
空間的に組み合わせる。
複数の解決策を,
それを適用する空間に関して組み合わせる。(干渉のない) 別の場所で, 分散した状態で,
横に並べて, 前後に繋いで, 上下にして, 同じ場所で交互に, 入れ子にして, 内部構造として,
など。 |
 |
-
オブジェクト (群) を空間的に重ね合わせる,
分離する, 分化する [Sickafus
ヒューリスティックス 13a, 13b, 13c]
-
オブジェクトを上げるまたは下ろす必要がある場合,
オブジェクトの環境を再設計して, オブジェクトを上げる/下ろすことを不要にする
[発明原理 12. 等ポテンシャル]
-
当該領域の反対側を利用する
[発明原理 17e. もう一つの次元]
-
オブジェクトを再配置して,
単層配置の代わりに多層配置を達成する
[発明原理 17c. もう一つの次元]
-
固体の滑らかな表面の代わりに,
突起を持つ表面,
3次元的に粗くした表面, さらに粗くした表面に活性な孔を設けたものにする
[進化トレンド 3. 表面の分割]
-
一つのオブジェクトの内部にもう一つのオブジェクトを配置する
[発明原理 7a. 入れ子構造]
-
一つのオブジェクトが別のオブジェクトの空洞中を,
必要な時にダイナミックに通り抜けできるようにする
[発明原理 7c. 入れ子構造]
-
オブジェクトが多孔質な場合, 細孔に他の物質
(液体,
気体) を満たして有用な効果を実現する [発明原理
31d. 多孔質材料] [進化トレンド 2. 空間の分割]
(4c)
時間的に組み合わせる。
複数の解決策を,
それを適用する時間に関して組み合わせる。順次に, 事前に, 同時に並行して,
事後に, 逆順に, 交互に, パルス的に, 周期的に, 間歇的に, 条件に応じて割り込み/切り換えて,
など。 |
 |
-
主要解決策の事前に, 前処理としての解決策を行う。
-
オブジェクトを変更する必要があるが,
それが難しい場合には,
予め, 要求される変更をオブジェクトに (全部または部分的に)
与えておく [発明原理 10b. 先取り作用]
-
オブジェクトの信頼性が低い場合,
事前に,
オブジェクトを回避する条件を作っておく
[発明原理 11. 事前回避]
-
オブジェクトが環境から有害要因を受ける場合,
事前に有害要因からオブジェクトを保護する条件を作っておく
[発明原理 10a. 先取り作用]
-
オブジェクトが環境から有害要因を受ける場合,
事前に正反対の作用をオブジェクトに与えておき,
有害作用を補償する [発明原理 9a. 先取り反作用]
-
主要解決策の事後に, 後処理としての解決策を行う。
-
機能を果たしたオブジェクトの一部分が, 不要あるいは不良になった場合,
その部分を溶解, 蒸発などにより除去するか, あるいは, 邪魔な性質が存在しなくなるように修正する
[発明原理 34a. 部分の排除と再生]
-
新しい物質の導入に制限がある場合には,
後で分解できる物質を導入する
[標準解
5-1-1-8]
-
時間的に並行して (あるいは交互に)
複数の解決策を行う。
-
パルスの間の休止を利用して,
他の作用を行う[発明原理 19c. 周期的作用]
-
動作している間に, オブジェクトの消耗部分を修復する
[発明原理 34b. 部分の排除と再生]
-
環境を含むシステムの動作・作用のタイミングについて,
連続的作用の代わりに, 周期的作用, 共鳴振動を利用した作用, さらに,
進行波を利用したシステムにする
[進化トレンド 14. リズムの調整]
-
条件に応じて, 時間的にダイナミックに変化して,
複数の解決策を行うように組み合わせる。
-
オブジェクトや環境を, 動作の各段階で要求される条件に従って,
ダイナミックに変わるようにする
[発明原理 15d. ダイナミック性]
(4d)
構造的に組み合わせる。
複数の解決策を,
異なる条件下で実施したり, 異なるレベルで実施したりするなど, 解決策を (階層)
構造的な観点から組み合わせる。 |
 |
-
異なる条件下でそれぞれ実行するように,
解決策を組み合わせる。
-
オブジェクトと環境を再設計して, オブジェクトの各部分が動作に適した条件になるように整える
[発明原理 3d. 局所的性質]
-
オブジェクトや環境を, 動作の各段階で要求される条件に従って,
ダイナミックに変わるようにする
[発明原理 15d. ダイナミック性]
-
システム全体の設計にあたって, 一つの操作点に対して最適化した設計から,
二つの操作点,
および数個の異なる操作点に対して最適化した設計に発展させ, さらに状況に合わせて連続的に再最適化が行われる設計に発展させる
[進化トレンド 25. 設計の観点]
-
システム全体の設計において, 主要機能を果たすための環境との関わりについて,
「試行錯誤の設計 => 定常状態を考えた設計 => 過渡的効果を取り入れた設計
=> ゆっくりした劣化効果を取り入れた設計 => クロスカップリング効果を取り入れた設計
=> マーフィの法則 (「起こる可能性のあることは必ず起こる」) を取り入れた設計」
のように発展する/発展させる [進化トレンド 30.
設計方法論]
-
全体と部分など, 異なるレベルで実行するように解決策を組み合わせる。
-
システムとその部分たちとの間で,
両立しないあるいは「逆」の諸性質を分配する
[標準解 3-1-5]
(4e)
原理レベルで組み合わせる。
異なる基本原理に基づく複数の解決策を,
過渡期の対策として, ハイブリッドにして, 妥協させて, バックアップとして,
バックグランドで実施するなどのやり方で組み合わせる。 |
 |
-
システムを, その主要機能を果たすためのツールとして見たとき,
人間の関与を減少させる方向に発展する。
「人間 => 人間+ツール => 人間+動力ツール => 人間+半自動化ツール => 人間+自動化ツール
=> 自動化ツール」。システムをこの方向に発展させる [進化トレンド
29. 人間の関与の減少]
-
システムやオブジェクトの背後にある機械的原理を,
別の物理原理で置き換える。例えば, 光学的, 音響的, 磁気的, 電磁気的,
熱的原理など [発明原理 28.
機械的原理の代替]
-
矛盾 (対立) を起こす,
反対のことを試す [Sickafus ヒューリスティックス
16]
-
問題/システムを単純化する,
複雑化する [Sickafus ヒューリスティックス
20a, 20b]
(4f)
スーパーシステムに移行する。
現在問題としているシステムの果たすべき上位の主要機能/目的を考え,
その目的のために存在している周辺のシステムと共同し・統合して, 上位のシステム
(スーパーシステム) を構成・改良することにより問題を解決する。 |
 |
-
現在のシステム中の物質の一つを,
独立に制御可能な物質-場に変換することにより, システムの効率を向上させる
[標準解 2-1-1]
-
複数システムを統合し,
補助的構成要素を減らし, より高い階層レベルで, 他のシステムと組み合わせることを考える
[標準解 3-1-4]
-
システムともう一つのシステムを組み合わせて,
バイ-システムあるいはポリ-システムを形成する
[標準解
3-1-1]
-
システムの構成要素間の差異を増大させることにより,
効率を向上させる [標準解 3-1-3]
-
システムの構成要素間の差異を増大させることにより,
有害効果を除去する [標準解 3-1-3]
-
バイ-システムやポリ-システムにおいて,
システムの構成要素間の連結の数あるいは質を向上させることにより,
システムの効率を向上させる [標準解
3-1-2]
-
バイ-システムやポリ-システムにおいて,
システムの構成要素間の連結の数あるいは質を向上させることにより, 有害効果を除去する
[標準解 3-1-2]
(5)
解決策一般化法
各具体案を一般化して表現し,
解決策の雛形にして, 解決策のアイデアを連想的に発展させる。また, 解決策の階層的な体系を作る。
(5a)
用語の一般化と具体化を繰り返し, 解決策を連想的に膨らませる。
解決策の中の技術的用語を一般的・総称的な用語におきかえて,
解決策の平易な雛形を作り, 新しい解決策を連想的に考え出すようにする。 |
 |
-
オブジェクトの機能を一般化する
(特異性の発見のために) [Sickafus ヒューリスティックス
18a]
-
オブジェクトの機能を一般化する
(代替物の発見のために) [Sickafus ヒューリスティックス
18b]
-
解決策を一般化して, 他の解決策の雛形にする
[Sickafus ヒューリスティックス 19]
(5b)
解決策の階層的な体系を作る。
多数の解決策をその概念の一般化/具体化の観点から階層的に分類・体系化し,
解決策の全貌を示す図を作り, 解決策検討の網羅性を向上させる。 |
 |
以上
注:
模式図に使っている記号について
左端の模式図: 基本的なシステムを示す。
楕円で示すオブジェクトが, 長方形で示すオブジェクトから, 矢印で示す機能を受けている。
[TRIZの用語では, 対象物質(S1)が, ツール物質 (S2) から, 「場」 (作用)
(F) をうけている。]
オブジェクト: 楕円:
オブジェクト (特に, 対象オブジェクト (機能の作用を受けるオブジェクト))
長方形: オブジェクト (特に, ツールオブジェクト (機能の作用を施すオブジェクト))
属性: 属性とは, オブジェクトの性質の種類
(すなわち, 性質のカテゴリ (値ではない)) を意味する。
各オブジェクトについて, さまざまの色やパターンで (関係する) 属性を示す。
上図の中央部のパターンはつぎのような属性を意図している。
固体, 粉末, 液体, 気体, 有害な属性, 空間的に変化している属性, ミクロレベルの属性。
機能: さまざまの形式の矢印で示す。
実線の矢印: 有益な機能
破線の矢印: (有益だが) 不十分な機能
太った矢印: 過剰な (だから, むしろ有害な) 機能
クロス模様の矢印: 有害な機能
他の3本の異なるパターンの矢印: 異なる機能であることを示す。
解決策: 角を丸めた長方形で示す。
最終更新日 : 2003. 4. 3 [追記: 2012.12.22]
連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp