TRIZ 論文: Darrell Mann

Matrix 2022: 矛盾マトリックスのイメージを変える

Darrell Mann (Systematic Innovation Ltd,, 英)

ETRIA TRIZ Future Conference (TFC2021)、
オンライン開催、2021年 9月 22-24日

和訳: 中川 徹 (大阪学院大学) 2021年 10月13日

掲載:  2021.10.

Press the button for going back to the English page.

  編集ノート (中川 徹、2021年10月13日)

本件は先月のETRIA TFC2021 国際会議での、Darrell Mannの発表論文です。オンラインでのビデオ発表は一律5分間でしたので、参加者には十分伝わらなかったと思いますが、わたしは前日に論文を読んでいて、その内容に驚きました。早速に著者に和訳の許可をもらい、また和文・英文の両方での本サイト掲載の許可を得ました。著者に厚く感謝いたします。

著者Darrell Mannは、皆さんご存じのように、全世界の特許を分析して、TRIZの矛盾マトリックスを、Matrix2003およびMatrix2010として大幅に改良しました。その特許分析を用いた研究を、Systematic Innovation社で今も継続しています。その中での新しい展開を記したのが本論文です。展開の要点は、(1) 矛盾の解決策の「インパクト」(現状へのインパクトだけでなく、将来でのインパクトをも予想して)推定し 、発明原理の推奨基準の一つとして使い、明示する。(2) マトリックスセルのそれぞれの場合について、すべての発明原理を、利用頻度とインパクトの二次元グラフ上にプロットして表す。(3) マトリックスセルの各場合において、よく使われる発明原理の組合わせを示す。 (4) 二つのパラメータの対立(ジレンマ)だけでなく、三つの場合(トリレンマ)、さらにずっと多数の場合(また、「複雑」からさらに「錯綜」した状況)に対処するための、発明原理群の推奨アルゴリズムを作った。(5) これらを実現するためのソフトウエアMatrix2022を、インタラクティブなアプリとして開発している。―― ぜひ読んでみてください。なお、本文中の太字は中川の判断でつけました。

Darrell Mannの文章は、新しい概念・思想を書いており、構文が複雑ですので、和訳にはいつも苦労します。直訳でなく、意訳でなく、忠実な訳を心掛けて、何度も読みなおし推敲するのが、私の勉強になっています。本編もまた彼の優れた論文の一つであると思います。-- TFC2021の論文集を読んで、もっといろいろな人の優れた論文を紹介したいと思っていますが、手が回っていません。

論文目次  

1.  はじめに  

2.  「インパクト」を測る? 
     2.1  発明原理の「成功」?    2.2   発明原理の組み合わせ

3.  トリレンマとその先  

4.  Matrix2022  

5.  結論と今後の課題   

参考文献  

 

本ページの先頭

訳の先頭

1. はじめに

2. 「インパクト」を測る?

3. トリレンマとその先

4. Matrix2022

5. 結論と今後の課題 Ref.  

 

英文ページ 

 

 

  論文和訳全文     

Matrix 2022: 矛盾マトリックスのイメージを変える

Darrell Mann

Systematic Innovation Ltd, The Old Vicarage, Cranford, Bideford, EX39 5QW, Devon, UK
darrell.mann@systematic-innovation.com

ETRIA TRIZ Future Conference (TFC2021), Sept. 22-24, 2021
Held Online at Free University of Bozen-Bolzano, Italy

和訳:  中川 徹 (大阪学院大学)   2021. 10.13

Published in "Creative Solutions for a Sustainable Development" by Yuri Borgianni, Stelian Brad, Denis Cavallucci, Pavel Livotov (Eds.), Proceedings of TFC2021

Published by Springer Nature Switzerland AG 2021
Y. Borgianni et al. (Eds.): TFC 2021, IFIP AICT 635, pp. 197–208, 2021.
https://doi.org/10.1007/978-3-030-86614-3_16 

 

概要: 

矛盾の検索とその解決のための戦略は、いまや多くの点で自動化されてきている。ある状況では、「与えられたパラメータのペアの矛盾に挑戦するために、先人たちが使用してきた発明原理を、ランク付けした「ライブ」リストの形で、問題解決者に提供する」ようなマトリックスを作成することが可能なまでになっている。

しかし、この自動化アプローチには、いくつかの問題がある。主な二つの問題は、マトリックスを構築するためにどんな知識ベースを使用しているにしても、そこから抽出した過去の解決策について、その品質とそれが起こすだろうブレークスルーのインパクトの二つを評価することの難しさに関係している。本論文は、これらの問題を解決するための研究プログラムを記述する。採用した手法は、「第一原理」に基づいた方法論を用いて、対立するペアを「根本矛盾」にまで絞り込んでおり、それには既存の「教科書的」な法則に挑戦し、「ベストプラクティス」のヒューリスティクスを作り出す解決戦略を採った。

マトリックスを構築した後、マトリックスが提案する発明原理をユーザーが展開することになると、次の問題は、それぞれの発明原理が、高品質で画期的な解決策を生成する有効性に違いがあることに関するものである。また、発明原理には抽象性の度合いに違いがあるため、ユーザーがそれらを効果的に適用することが容易であったり困難であったりする。このような違いは、トリレンマの状況のような高度な矛盾が存在する問題を扱うときに、特に顕著に現れる。本研究でこれらの問題を解決するために試みたのは、マトリックスの出力情報を提示するに際して、ユーザーの経験、画期的な解決策の可能性の程度、およびトリレンマ問題の管理や超越のための要求、などに応じて変化する新しい方法を使ったことである。

キーワード: 発明原理、AI、ブレイクスルー、インパクト、トリレンマ、鉄の三角形、自然

 

1.  はじめに

COVID-19のパンデミックが社会全体を新たなS-カーブへのシフトを引き起こし、それによって無数の新たなイノベーションの機会が開かれたという事実にもかかわらず、イノベーションの世界は依然として大部分が機能不全に陥ったままである。機能不全の主な理由の一つは、「イノベーション」という言葉の定義をめぐる混乱が続いていることにあると思われる(Systematic Innovation E-Zine (SIEZ), 2020 [14])。一部の著者にとって、この言葉は「斬新なアイデア」を意味し、大多数の著者にとっては「実施された斬新なアイデア」を意味しているが、この言葉の定義に「成功」という重要な尺度を含めている著者は [われわれを含め] ごく少数である。

イノベーションを「斬新なアイデア」と定義している著者(例えば、『オープン・イノベーション』(Chesbrough, 2019 [19]))のアドバイスに従うと、その結果はせいぜい(幸運が許せば)より斬新なアイデアを生み出すだろう。しかし、それらのアイデアで、同様に騙された他の何百万人もの問題解決者たちより以上に成功することを、期待してはならない。イノベーションの定義が評価基準の一部に「成功」を取り入れている場合にのみ、信号とノイズを分離することが可能になる。

この分離は、イノベーションの「DNA」を理解するのに不可欠である。これこそが明らかにするのは(そして実際に明らかにしたのは)、矛盾が中心的な役割を果たしていること、そして特に、(たいていの設計者やエンジニアや科学者たちが受け入れるように教えられてきた)通常のトレードオフや妥協の解決策を超越する解決策を見つける必要があること、である。イノベーションの試み全体の98%が、いまなお失敗に終わっている。2%の成功事例を調べてみると、その成功の86%強が、矛盾を超越した解決策のおかげであることがわかった(Mann, 2018 [9])(図1)。

図1.「成功した2%のイノベーションの試み」の解決策戦略

この発見が基礎として役立ち、われわれは、あらゆる対立や矛盾を明らかにし、リバースエンジニアリングを行うという研究努力をずっと続けてきた。そして今、その研究の最新フェーズの集大成が、「Matrix2022」という形で現れた。それは技術的な問題状況において矛盾を解決するための第4世代のツールである。

第1世代から第3世代までについては多くのことが書かれている。特に第1世代は、アルトシュラーが主導した原初のTRIZ研究からの、最も目に見える成果の一つである。この「技術的矛盾を解決するためのマトリックス」の39x39版は, 1971年に最初に出版された。それは著作権保護をしていなかったおかげで、今ではインターネットの隅々まで, あるいはそれ以上に, 自由に配布されてきた。1975年までにアルトシュラーは、このマトリックスをこれ以上発展させるべきでないと宣言した。

その結果、このマトリックスはずっと手が付けられずに残り、1990年台末になって初めて、CREAXがこのツールを更新することに挑戦した。この仕事は、2003年のバージョン [Matrix2003] に結実した(Mann, et al 2003 [4])。 2003年版のマトリックスを記述した本に, Boris ZlotinとAlla Zusmanの名前を [共著者として] 入れていたのは、TRIZコミュニティの結束を図る試みであった。しかし、この新ツールの基礎となる主要な研究は、CREAXの特許研究チームとバース大学の研究とを結合したものであった (Mann, Dewulf, 2003a [5])。

この研究の最も顕著な効果は、マトリックスのパラメータ数が39から48に増加したことである。この増加は、問題解決者に(ノイズ・騒音、放出・排出、安全性、美学・美観などの)より広いパラメータを扱うように要求が広がり、環境に調和した世界と「デザイン」の重要性を反映している。目立たないけれども、より重要なのは、マトリックスのパラメータの改善/悪化のペアごとに、発明原理をその推奨順に示していることである。元のマトリックスのすべての「穴」を埋めた。また、オリジナルの特許研究が行われた1960年代に比べて世界が「メカニカル」ではなくなったため、エレクトロニクスやITの世界への顕著なシフトが見られた。

悲しいことに、Matirx2003は、TRIZコミュニティを結集するという望みを達成できなかった。MATRIZ [国際TRIZ協会] がその資格認定活動において、オリジナルのマトリックスのみを教えることにいまだに固執しているほどである。複数の比較論文が2003年版マトリックスの有効性の増大を圧倒的に確認しているという事実は、TRIZを取り巻く低迷の大きさを物語っているのであろう。外部から見れば,TRIZ提供者が,21世紀の問題との関連性が実績として証明されているツールではなく,むしろ「もうお払い箱」のツールを推進し続けるというのは信じられないことである (Mann, 2008 [7])。

いずれにしても、2003年版マトリックスの成功(日本語、ドイツ語、中国語、デンマーク語、オランダ語、スペイン語への翻訳を含む)は、特許やその他の発明的解決策で矛盾を含むものを、継続して追跡・リバースエンジニアリングする研究プログラムを継続することを正当化した。2006年には、2003年版の確度が95%以下になった時点でマトリックスを改訂・再発行することを宣言した。ここでいう「確度」とは、研究チームが新たに公開された特許や出願を分析した際に、発明者の発明ステップで証明された発明原理が、マトリックスの関連する矛盾のペアで見つかったものと一致することを意味していた。結果的に、この閾値を超えたのは2010年で、その年にMatrix 2010を出版した。

この時までに、研究のかなりの部分を自動化していた。つまり、対立や矛盾を特定するための、またもっと重要なのは、どの解決策が他の解決策よりもインパクトがあるかを特定するための、ソフトウェアツールを開発していた(SIEZ, 2010 [12])。これら2つの技術革新により、マトリックスに新しいデータポイントを追加する速さが飛躍的に(比例級数的に)高まった。

Matirx2010では、マトリックスに2つのパラメータを追加した。どちらも、問題解決の過程で「無形のもの」(つまりユーザーの感情)を扱うことの重要性の増大を反映している。2010年版に追加した大きなことの一つは、自然界における矛盾解決をリバースエンジニアリングした研究である。また、対立するパラメータの一つのペアを超越するために頻繁に使用された複数の発明原理を、その使用頻度の順に並べるだけでなく、それらの発明原理のインパクトをマッピングしようとする試みの最初であった。「インパクト」というアイデアは、いくつかの発明原理は他の発明原理に比べて、より大きなブレークスルーを引き起こすという事実を反映している。

これを出版したときにも、確度の閾値95%をその次の版の出版の引き金とすることを宣言した。2012年頃から研究チームが気付き始めたのは、特許および他の問題解決知識のリポジトリにおいて、「発明のレベル」が低下する傾向が加速していることであった。この低下傾向の結果、2020年末の時点で、Matirx2010は新規案件の97%以上において、まだ正確であった。この研究を中止するべきときに来たのではないか、と思い始めた。

この議論が収まらなかったのには、矛盾マトリックスの「ライブ」バージョンを生成できると称するソフトウェア・ツールが登場したことも、関係していた。少なくとも、マトリックスの指定されたセル(行と列)の「ライブ」バージョンを生成できるという。実にこれは、われわれ体系的イノベーション(Systematic Innovation (SI))の研究チームが、以前からずっと考えていたことだった。

公開の市場に到達しようとした試みの中で最も優れていたのは、おそらくpatentinspirationソフトウェアであろう(Dewulf, 2018 [2])。このソフトウェアでは、ユーザーが一群の特許を選定し、関心のある属性(スピード、強さ、パワーなど)をいくつか選択する。そして、ソフトウェアに特許 [データベース] を検索させ、選択した属性の2つ以上が焦点となっている発明的解決策を見つけさせる。この機能は、他の機能と同様に、「概要的・総論的」観点からは有用だと分かるが、重大な(そして敢えて言うなら)致命的な欠陥がある。求めている単語群を含む解決策を見つけるのは非常に簡単だが、その解決策が良いものかどうかを判断するのが非常に難しいことが分かった。

そこで「インパクト」の問題が登場する。もし、矛盾マトリックスの研究を続ける価値があるとすれば、単に「最も頻繁に使われた」発明原理をユーザーに示すだけではなく、それ以上のことをするべきである。どの発明原理が最もインパクトのある解決策(すなわち、最大のブレイクスルー、最大のステップチェンジ、最も成功する蓋然性の高いステップチェンジの解決策)を提供したのかについて、意味のあるアドバイスを提供するべきである。

 

2.  「インパクト」を測る?

2.1  発明原理の「成功」?

この「インパクト」の問題をより深く掘り下げる前に、半歩後ろに下がって、SI研究チームのソフトウェアツールが、どのようにしてこの方向に向かって前進してきたかを検証することが、役に立つ。Matrix 2010 [訳注:参考文献追加 (Mann, D.L. (2009a) [8a]) ] の各セルに表示されている推奨される発明原理の列は、改善・悪化するパラメータの対ごとに「最も頻繁に使用された」発明原理を表しているだけではなく、「成功する解決策を提供するために最も頻繁に使用された」発明原理を表している。

さて、研究の検索戦略に「成功」が持ち込まれた瞬間、人生は純粋な使用頻度のカウントよりも一桁複雑になることは明らかである。有望なイノベーターの一人が一つの矛盾を解決したにしても、彼が最終的に成功した試みの「幸運な2%」に入るとは限らない。例えば、彼が解決した矛盾は顧客にとっては意味のない(間違った)ものだったかもしれない。あるいは、もっとあり得そうなことは、(ほとんどの組織がイノベーション能力を持たないことを考えると(SIEZ, 2021 [16]))イノベーションの試みがプロジェクトの実行段階で失敗することである。トーマス・エジソンが言った「99%の汗」の諸段階である。これらの「間違った問題」と「間違った実行」の側面を、矛盾とインパクトのランキングアルゴリズムに組み込むことは、(今のところ!)不可能である。

しかし,ApolloSigmaソフトウェアのために開発されたアルゴリズム(SIEZ, 2010 [12])のおかげで可能になったのは,少なくとも成功の可能性を秘めた技術解決策を特定することであった。ApolloSigmaは、特許および特許出願を分析し、それらを「不発弾」、「盲点」、「レンブラント」、「スター」のいずれかに分類するよう設計してある。

図2.ApolloSigmaによる特許の「インパクト」分析

このソフトウェアは、「特許の97%は、発明者が支払った特許費用を回収できない」という世界的に有名な統計に合わせて調整(較正)されている。すなわち、もし、世界中のすべての特許をこのソフトウェアで分析したなら、その3%が「スター」象限(右上)に入るだろう。この象限は、図2のように、特許の短期的な期待価値が高く、長期的な将来の期待価値も高い。この後者の指標は、発明者がどれだけ自分の特許を他者の回避設計から守るようにしたか、そのためにTRIZの進化のトレンドに沿ったジャンプを一つ以上利用したかに基づいて計算される。(例えば、特許請求項に「平ら」または「まっすぐ」な幾何学的特徴が記載されている場合、幾何学的進化のトレンドは、曲面/曲線の使用が何らかの利益をもたらすことを示唆している。そのような転換は、元の特許を簡単に「回避設計」できる可能性を提供する。)

簡単に言えば、Matrix 2010が行った発明原理の推奨は、ApolloSigmaの分析結果の「レンブラント」(左上)と「スター」(右上)の象限の頻度分析と考えることができる。もう少し複雑な言い方をすると、Matrix研究の一部分には、まだ手作業を必要するものがある。そのような一つの領域の例は、弁理士が作成した特許の原稿が悪く(だから、ApolloSigmaでのスコアが悪く)、それにもかかわらずその中核アイデアが大きなブレークスルーの可能性を持っている場合である。本稿の執筆時点で、SI研究チームは、マトリックスに登録される全特許のうちの約3%を手作業で分析している。

さて、矛盾を解決する解決策のブレークスルーのインパクトを測定するという点での、Matirx2010レベルの技術の話はこれだけにしよう。では、新しいタイプの、インパクトに関連する矛盾解決マトリックスを構成できるためには、他にどのような要素が必要だろうか?

第一の要因は、ずいぶん前に認識されていたものである(Mann, 2002 [3] )。それは、ある解決策の「発明のレベル」と、その解決策の中に証拠がある発明原理の数との、相関関係である。レベル1の解決策は、矛盾を解決したという証拠を少しでも含んでいれば(通常は「解決した」というよりも「扱った」という表現の方が適切)、それは一つの発明的なジャンプに対応する可能性が非常に高い。それは、一つの発明原理に相当する(ここでわれわれが常に覚えておくことが大事なのは、分析中の特許がTRIZを積極的に使用した人によって生み出されたケースはほとんどなく、むしろ、発明原理に関連するブレークスルー戦略の「例示」をその特許が提供しているかどうかという観点から、われわれが分析していることである)。レベル2の発明は、2つの発明原理のジャンプの証拠を提供するだろう。そして、レベル3の発明は、3つのジャンプ、というように。

複数の発明原理のステップチェンジ戦略が使用された、という証拠を含む特許を発見すると、それは「高いインパクト」と強く相関する。しかし、このことは、さらに深い疑問に導く。結果としての高い発明レベルに、それら複数の発明原理のうちの一つが、他の発明原理よりも多く貢献しているのだろうか?それとも、全体的な飛躍をもたらすのは、複数の発明原理の(相乗的な)組み合わせなのだろうか?

これは、『Systematic Innovation E-Zine』に掲載されている「今月の特許」の記事の多くで、暗黙のうちに議論されている典型的な疑問である。このような分析を数万回繰り返すと、一つの認識が生じる。「いくつかの発明原理は他の発明原理よりもはるかにインパクトを持っている」と。インパクトの度合いは、うるさいことに、問題の具体的な文脈に左右されることが多い。しかし幸いにも、マトリックスの各セルにおける一つの発明原理のインパクトの可能性(蓋然性)を評価すると、文脈依存の問題の大部分が解消される。

このような事情で、新しい矛盾マトリックス [Matrix2022] を概念化することができるようになり、図3に示すように、マトリックスの各セルには、ランク付けした発明原理のリストの代わりに、頻度-インパクトのグラフを展開することができる。

図3. Matrix2022 における発明原理 の典型的な「頻度-インパクトグラフ」

この図の中で「相対的」な頻度とインパクトを用いているのは、見出した結果を無次元化するためのやり方である。ここでいう「相対的」とは、図に示している「強さ 対 重さ」の対立セルにおいて、発明原理28「メカニズムの代替」が最もインパクトが大きいと観察された発明原理であり、したがって、それがグラフの一番上に配置されている。そして、他の各発明原理のY座標は、インパクトの発明原理28に対する相対値で示されている。同じ考え方が相対的な頻度の軸にも適用されている。発明原理40「複合材料」が、強さ対重さの対立に挑戦するために、現在最も頻繁に使用されている発明原理である。

このようなグラフを作成できるようになって生じた最初の大きな問題が、表示法の問題である。Matrix 2010には2450個のセルがある。各セルに「トップ4」の発明原理を記入することで、A3サイズより少し大きい、読みやすいMatrixシートを印刷することができる。一方で、同じ数の頻度-インパクトグラフを描くと、2桁以上大きなスペースが必要になる。つまり、Matrix 2022の折り畳み式シート(グラフの右上の高頻度・高インパクトに最も近い4つの発明原理が記述されている)は間違いなく存在するけれども、ユーザーは印刷されたページ以外の方法でしかデータの豊かさを得ることができない。つまり、Matrix2022はアプリに成る。具体的には、各セルに対応した頻度-インパクトのグラフを開くことができるアプリである。あるいは、複数のセルの発明原理を同時に照会し、ランク付けすることができるソフトウェア「Matrix+」の機能を利用して、「M2022」アプリは、マトリックス内の複数のセルを複合した頻度-インパクトグラフを一度に構築するだろう。さらに外挿すると、すべての技術的矛盾の問題に対して、その全体を複合した、発明原理の頻度-インパクトグラフを作成することも可能なはずである。

2.2   発明原理の組み合わせ

この新しい表示形式はまた、発明原理の重要な組み合わせをユーザーに明示する大きな可能性を開いた。複数の発明原理の証拠を含む高レベルの解決策では、それらの発明原理のうちで最もインパクトのあるものを多くの場合に特定できるだけでなく、よく使用される発明原理のよく使用される組み合わせを特定できることも有益(教育的)である。図4に示した方法は、これらの発明原理の組み合わせの最も一般的な状況を例示できるだろうとわれわれが期待しているものである。。

図4. 典型的な頻度-インパクトグラフで、よくある発明原理の組み合わせを示すもの

発明原理の「インパクト」を理解し始めるための「簡単な」方法はこれくらいにしよう。難しい方法では、もっと深い思考の転換が必要である。2つのパラメータ間の「ジレンマ」形式の諸矛盾から、「すべてのものが他のすべてのものとつながっている」現実の世界へと導くものである。それは根本的に錯綜した (complex) 世界であり、いわゆる「鉄の三角形」や「トリレンマ」と呼ばれる状況に満ち満ちた世界である...。

 

3.  トリレンマとその先

この節では、「ジレンマを解決するのは簡単だ」という考えから始めよう。典型例として、古典的な機械工学における、構造物の強度と重量の間の対立を考えよう。現行の2010年版矛盾マトリックスがユーザーに教えるのは、この強度/重量の対立に挑戦して成功した事例で使われた戦略は、頻度の高い順に、発明原理40、31、17、1だということである。そのそれぞれがまた、「yes, but (そうだけれども、しかし..)」というような、悪い副作用をたくさん生じさせるだろう。

複合構造(複合材料、発明原理40) 大雑把に言えば、金属構造から複合構造に移行すると、強度/重量比は向上するが、材料費は数十%(ポイント)増加し、現在の技術水準では製造コスト全体は約1桁増加する。「複合」をより高度に解釈すると、問題解決者は、構造体や微細構造体の異なる部分に異なる材料を適切に配置することができる、付加製造を可能にする「メタマテリアル」のような形態にたどり着くかもしれない。その正味の結果は、強度/重量比を高めることができるが、現在の技術ではさらに大きな製造コスト増という不利益が生じる。

多孔質材料(発明原理31)― 例えば、発泡金属は、従来の固体材料と比較して強度/重量比を80%以上向上させる可能性があるが、製造コストがやはり一桁高くなり、さらに挑戦を要するのは、発泡した部品を別の部品に確実に接合することが泡のために非常に難しくなることである。

もう一つの次元(発明原理17)― 補強ストラット、バルジ、その他の幾何学的な操作をしたものを加えることは、最近のほとんどすべての自動車のボディパネルに見られる。洗練された形状により、非常に薄い金属ゲージから非常に強い構造体を作ることができる。しかし、やはり、これらの構造体はさまざまなマイナス面を伴っている。製造コストが高くなる、修理が難しくなる、塗装が難しくなり、隠れた部分を腐食から守るのが難しくなるなど。

分割(細分化、発明原理1)― 強度要件を軽減するのに、重量を分割して(例えば、ひどいやり方だが)複数の異なる構造に分割するのは、一種のマクロレベルの解決策であり、矛盾を本当に「超越」するというよりは、むしろ矛盾を「扱っている(管理する)」ことである。強度/重量のケースでは、この戦略が実際に行っているのは、1つの大きな問題をいくつかの小さな問題に分割しているのである。その結果、製造可能性、人件費、修理可能性などに、マイナスのインパクトを及ぼす。発明原理1(分割)は一般的に、高インパクトのブレークスルーを生み出すことが稀にしかない発明原理である。

ここで重要なことは、第一に、推奨された発明原理のいずれかが示唆した方向にシフトして生じた、これらの「yes, but」という結果のすべてが、TRIZの用語では、「単に」「次の矛盾」であり、したがって、矛盾解決手順の2回目(またはそれ以上)の反復で注意を受けるだろうものだ、という考えである。第二に、おそらくより重要なのは、ある発明原理から生成された解決策の方向に伴ってきた「yes, but」は、他の発明原理から生成された解決策の方向性とは異なる可能性(蓋然性)が高いだろう、という考えである。この第二のポイントについては、次節で取り上げよう。

それで、いま、この(一般化した)強さ/重さの例が示唆するべきことは、「ジレンマを解決するのは簡単だ」ということである。簡単な理由は、トレードオフが事実上、第3のパラメータに渡されるからだ。この現象は、任意のどんな状況をも含むように一般化することが可能である。おそらく、その最も古典的な例は、プロジェクトマネジメントの「鉄の三角形」である。「コスト、仕様、予算―どの2つを求めるか?」という箴言は、経験豊富なプロジェクトマネージャーによって長い間理解され(使われ)てきた。彼らに言わせれば、納期と予算を守ってプロジェクトを遂行するのは極めて簡単だ、ただ、仕様を満たすことができない。あるいは、仕様と予算は満たしているが、遅れているプロジェクト。あるいは、仕様を満たし、納期に間に合っているが、予算をオーバーしているもの。この「トリレンマ」問題を解決する方法は、第4のパラメータ(通常は「リスク」)を導入することであり、それは元の3つのパラメータを実現するために妥協できるパラメータである(SIEZ, 2021a [17])。

一般的に、どんどん大きな数のパラメータに外挿することにより、次の仮説が得られる。
任意のN個のパラメータ間の矛盾を超越することが、そのトレードオフを(N+1)番目のパラメータにシフトさせることで可能である。」

一見、無害そうに響くこの宣言文は、設計の観点からは非常に深い意味を持っている。

どんな設計仕様書にも通常、いくつかの「レッドライン」と呼ばれるパラメータ境界・制約があり、それらは必ず満たされなければならない。例えば、人工物の重量は、一人で持ち上げられる程度に軽くなければならない。出力はX以上でなければならない。保証期間前に製品が故障してはならない。など。その他に、満たすことが「非常に望ましい」という分類のパラメータ群がある。例えば、製造コストがYドル以下であること、他社製品よりも排出物が少ないこと、などである。そして最後に、その他のすべてのパラメータがあり、設計者も顧客も特に気にしていないものである。

このようなパラメータの3カテゴリ(「必須」「望ましい」「気にしない」)は、ステップチェンジで能力向上した(われわれの新しい)「矛盾マトリックス」のための、必要な入力を形成し始める。そのマトリックスは、関連して存在するすべてのパラメータの相対的な優先順をユーザーが決めることができ、その優先順に基づいて、発明原理の頻度-インパクトのグラフを生成する。そのマトリックスは、発明原理をランク付けて出力するに際し、「必須」のパラメータと「望ましい」パラメータの [N個の] ペア間の矛盾を超越し、必然的に残された(N+1)番目とその他の「気にしない」パラメータが悪化することを許容する、という発明原理の能力の既知の知識を用いる。そしてさらに、発明原理のよく使われる組み合わせというアイデアに対応した考えを取り入れて、ユーザーが指定したデザインパラメータのランク付けリストに対して、最も可能性の高い組み合わせの発明原理のシリーズをユーザーに提示する。つきつめると、これらの実現を目指して、Matrix2022を設計してきたのである。

 

4.  Matrix2022

技術的問題のための矛盾マトリックスのいままでの世代は、基本的に、現在われわれが「複雑な (Complicated)」問題状況と理解しているものに焦点を当ててきた(SIEZ, 2020a [15])。つまり、「正しい」答えが得られる(存在する)可能性がある状況である。そのような状況は、TRIZベースの問題解決手順の観点から言えば、オリジナルの「プリズム」に見られるような本質的に直線的なプロセス(すなわち、特定の問題を定義し、一般化した問題に抽象化し、一般化した解決策を矛盾マトリックスで調べ、それらの一般化した解決策をこの特定問題に対する解決策に「翻訳する」)もまた得られる可能性がある。そのような技術的問題は今でも存在するし、Matrix2022の新しいアーキテクチャも、このように直線的に働くことを妨げるものではない。

しかしながら、現代の諸問題では、(特に2つのパラメータ間だけではなく、対立する多数のパラメータを考慮することを望む問題では、)「複雑な(Complicated)」問題状況から「錯綜した(Complex)」問題状況への境界を超える可能性が高い。一旦この境界を越えてしまうと、従来の直線的な問題解決のアプローチはもはや適切ではない。なぜなら、錯綜した環境では、もはや「正しい」答えなどというものは存在しないのだから。そのような状況で、問題解決者にとって進むべき最善の方法は、本質的に反復的な形式を持ち、発散-収束の構造を持つようなプロセスを取り込むことである。

ここでいう「反復」とは、問題解決者が何度も問題解決を繰り返すことに耐える覚悟と体力を(単純に)意味する。理想的には、次の反復を開始する前に、最新の反復での解決策を代表的な顧客でテストする機会を持つのがよい。発散-収束の部分が意味するのは、発明原理を使って新しいアイデアと解決策の方向性を引き出そうという段階にきたとき、「一つの発明原理を使って一つの解決策のアイデアを生み出し、それが(求めていた)答えである」と期待することは、もはやあり得ないと認識するべきだ。錯綜したシステムの文脈における「発散」とは、できるだけ多くの発明原理を使って、できるだけ多くの解決策の「手がかり」や「方向性」を生み出し(解決策生成プロセスの「発散」の部分)、その後で、それらの手がかりを組み合わせて、実行可能と考えられる「答え」、あるいはそのような「答え」の集合を求める(「収束」の部分)。

Matrix2022は、この発散と収束の(繰り返しの)列を考慮に入れて構成されてきた。このツールは、文脈対応の「発明原理の頻度-インパクトグラフ」によって、問題解決者に、その状況に対した「発明原理の40すべてのランク付けしたリスト」がどんなものかを提示する。また、より典型的な例としては、図5に示したように、状況に対応した発明原理の組み合わせの組を提示する

図5. パラメータの優先順位を示すMatrix2022アプリのユーザーインターフェースの例

また、与えられた状況で、複雑/錯綜の境がどこにあるかを判定する最新のツール(SIEZ, 2021b [18])のおかげで、マトリックスを線形の「複雑」形式で使用するのが適切か、あるいは発散-収束の「錯綜」形式で使用するのが適切かを、ユーザーに伝えることができるだろう。

 

5.  結論と今後の課題

Matrix2022は、以前のバージョンのマトリックスツールと比較して、ステップチェンジに進歩した機能をユーザーに提供することを意図している。このステップチェンジに最も貢献しているのは、第一に、意味のある高品質な解決策を提供するために、発明原理の「インパクト」を測定し使用することだと考える。そして第二は、(複数の異なる設計パラメータを妥協できない [妥協しないで扱いたい])トリレンマやさらに高いレベルの問題状況を、問題解決者が扱えるようにしたアルゴリズムの使用である。これらの二つのジャンプは、ツールに対して新しいユーザーインターフェースの展開を要求した。それは必然的にアプリベースのものになるだろう。

ビジネス状況のための矛盾マトリックスの最新版V3.0(Mann, 2018a [10])を出版したとき、マトリックスの将来世代のマッピングの図を掲載した。図6に再掲する。この図の「BM3.0」を「Matrix 2022」で置き換えると、技術版のマトリックスについてもこの図と同じ進化の軌跡を辿りそうである。結局、つきつめると、「理想のマトリックス」は「マトリックス」ではない。そして、Matrix2022は、技術分野だけを扱ったマトリックスツールの最後のものになるだろう。

Fig.6. 矛盾マトリックスの将来世代をマッピングする

「諸矛盾が自分自身を特定する」という概念は、すでにPanSensic社の一連のソフトウェアツールに見られる機能である(SIEZ, 2015 [13])。結局、今後の真の課題は、第一に、技術、ビジネス、ITのマトリックスツールを適切に統合して首尾一貫した全体像を作り上げること、第二に、ビジネスと技術のパラメータ要件と優先順位の相対的な重要性を十分に考慮した、発明原理推奨アルゴリズムを構築することである。この仕事は、TRIZの世界のほとんどのことと同様に、膨大な量のデータの経験的な分析から始まる。今回のデータは、事実上、TRIZに基づいて第一原理を設定した機械学習アルゴリズムを学習させるデータとなる。つまり、TRIZに起源をもって、矛盾を超越するある種のシンギュラリティが近いように思える。

 

参考文献

[1]  Chesbrough, H., 'Open Innovation Results: Going Beyond the Hype and Getting Down to Business', Oxford University Press, (2019)

[2]  Dewulf, S., 'Patent Data Driven Innovation Research', PhD Thesis, Imperial College, (2018)

[3]  Mann, D.L., 'Systematic Creativity Algorithms: New Paradigm Opportunities for Artificial Intelligence', TRIZ Journal, (2002)

[4]  Mann, D.L., Dewulf, S., Zlotin, B., Zusman, A., 'Matrix 2003: Updating the TRIZ Contradiction Matrix', CREAX Press, (2003); 『TRIZ 実践と効用 (2) 新版矛盾マトリックス (Matrix 2003)(技術一般用)』中川徹訳、創造開発イニシアティブ(2005);同出版案内と資料、THPJ/jlinksref/SKIBooks/Matrix2003/Matix2003-050328.html

[5]  Mann, D.L., Dewulf, S., 'Updating the Contradiction Matrix', TRIZCON, (2003a); TRIZの矛盾マトリックスの現代化、THPJ/jpapers/2003Papers/MannDeWulf0303/MannMatrix0303.htm

[6]  Mann, D.L., 'Updating TRIZ: 1985-2002 Patent Research Findings', TRIZCON, (2003b);TRIZ の現代化: 1985-2002年米国特許分析からの知見、THPJ/jpapers/2003Papers/MannDeWulf0303/MannPatents0303.htm

[7]  Mann, D.L., 'Updating TRIZ: 2006-2008 Patent Research Findings' Japanese TRIZ Conference, September (2008) ;

[8]  Mann, D.L., 'How Good Is My Patent? - (Part 1: Re-Thinking Altshuller's Levels Of Invention)', TRIZ Journal, (2009)

[8a]  Mann, D.L., 'Re-updating the TRIZ Contradiction Matrix', IFR Press, (2009a); 『TRIZ 実践と効用 (2A) 新版矛盾マトリックス (Matrix 2003)』中川徹訳、クレプス研究所 (2014);同出版案内、THPJ/jlinksref/CrePS-Books/2A-Mann-Matrix2010-2014/2A-Mann-Matrix2010-140414.html

[9]  Mann, D.L., 'Exaptation And The Innovation Elephant', www.darrellmann.com, 14 August, (2018)

[10]  Mann, D.L., 'Business Matrix 3.0', IFR Press, (2018a)

[11]  Mann, D.L., 'If All You Have Is A Hammer: TRIZ And Complexity', TRIZ Future Conference, (2019)

[12]  Systematic Innovation E-Zine, 'ApolloSigma: Evolving IP Robustness Measurement Capability', Issue 101, August (2010)

[13]  Systematic Innovation E-Zine, 'PanSensic: Contradiction Finder Lens', Issue 160, July (2015)

[14]  Systematic Innovation E-Zine, 'Defining Innovation (40 Years Too Late)', Issue 221, August (2020)

[15]  Systematic Innovation E-Zine, 'TRIZ 4.0?', Issue 219, July (2020a)

[16]  Systematic Innovation E-Zine, 'ICMM – A Decade Down The Road', Issue 229, April (2021); 『TRIZ 実践と効用 (5) イノベーションを成功させる組織の力―ICMM入門』 Darrell Mann 著・中川徹訳、クレプス研究所 (2021); 同出版案内、日本語版への著者前書き、THPJ/jlinksref/CrePS-Books/5-Mann-ICMM-2021/jMann-ICMM-Book-210416.html

[17]  Systematic Innovation E-Zine, 'NEPTUNE: The Seven Habits Of Highly Effective (Innovation) Project Managers)', Issue 229, April (2021a)

[18]  Systematic Innovation E-Zine, 'Quantifying Complexity Pt2: Ashby Number', Issue 230, May (2021b)

 

[訳注: THPJ  : 『TRIZホームページ』 http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/ ]

 

本ページの先頭

訳の先頭

1. はじめに

2. 「インパクト」を測る?

3. トリレンマとその先

4. Matrix2022

5. 結論と今後の課題 Ref.  

 

英文ページ 

 

総合目次  (A) Editorial (B) 参考文献・関連文献 リンク集 TRIZ関連サイトカタログ(日本) ニュース・活動 ソ フトツール (C) 論文・技術報告・解説 教材・講義ノート (D) フォーラム   サイト内検索 Generla Index 
ホー ムページ 新着情報 子ども・中高生ページ 学生・社会人

ページ

技術者入門

ページ

実践者

ページ

出版案内『TRIZ 実践と効用』シリーズ

CrePS体系資料 USITマニュアル/適用事例集 Ed Sickafus博士記念アーカイブズ WTSP プロジェクト 世界TRIZ関連サイトカタログ集 Home Page

最終更新日 : 2021.10.14     連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp