創造的問題解決の新しいパラダイム「6箱方式」: 既発表論文を6箱方式で表現する |
|
(1) 中川 徹による論文18編 (2000−2016) |
|
|
|
掲載: 2016.12.27 |
Press the button for going back to the English top page.
編集ノート (中川 徹、2016年12月23日)
私は12月初めに台湾に招かれて、「「6箱方式」:創造的問題解決の新しいパラダイム−CrePS/USITワークショップ」という3日間のセミナーを指導しました。Systematic Innovation Societyの Professor Daniel Sheu の招待によるもので、私にとっては初めて英語で研修指導したものでしたが、同教授のサポートもあり目的を果たすことができたと思っています。
この研修では、(従来のTRIZ/USITの研修とは違って)次のような新しいテーマ構成にしました。
第1日: 「6箱方式」の概念と CrePS(創造的問題解決の一般的方法論): 講義とQ&A、 演習 (既発表事例/方法を6箱方式で表現する)
第2日: USIT(「6箱方式」を実践する創造的問題解決のための簡潔な一貫プロセス): 講義とQ&A、 演習 (「コード・ケーブルを絡まなくする方法」)
第3日: USIT 演習 (続)この第1日午後の演習でやろうとしたことが、予期以上の効果があると認識しましたので、帰国後3週間かかって本ページの記事をまず英文、そして和文で作成しました。その意図は、下記の「1.はじめに」の部分に記述しました。
本ページには、私の既発表論文(英文&和文)から、2000〜2016年の毎年1編(秋の国際/国内学会)を選んで記述しました。「6箱方式」の考え方、「6箱方式」での概要記述のしかた、さらに、「6箱方式」が作られてきた経緯などを、ご理解いただけるかと思います。
本ページでのHTML(画像)記述と共に、PDF版
を掲載します。また、編集後記に記述のしかたの補足を書いており、PowerPointおよびWordでのテンプレートも掲載します。
本ページの先頭 | はじめに | 「6箱方式」で記述した論文の一覧とリンク | 各論文の概要(Abstract) と 「6箱方式」による記述 | PDF版 |
編集ノート後記 | USITマニュアル |
英文ページ |
創造的問題解決の新しいパラダイム「6箱方式」:
既発表論文を6箱方式で表現する(1) 中川 徹による論文18編 (2000−2016)
中川 徹 (大阪学院大学)、2016年12月23日
1. はじめに (中川 徹、2016年12月15日)
「6箱方式」は創造的問題解決の新しいパラダイムであり、私はそれをTRIZとUSIT研究の中で2004年に見出し、2012年以来もっと一般化した文脈の中で活発に推進してきている。
「創造的問題解決」は広い範囲の知的活動を意味している。
困難/望ましくないこと (問題)を解決するだけでなく、目標/望ましいこと(課題)を達成することを含み、
発明や発見だけに限らす、通常の知的成果をも含み、
学術的でも非学術的でもよく、理論的でも実際的でもよく、
発表されていてもいなくてもよく、完成していても未完成でもよい、などである。6箱方式を例証する目的で、最近まで私が試みていたのは、何らかの問題にUSIT(その他)の方法を使い、6箱方式に従って問題解決をする「新しい事例」を作ることであった。その結果、6箱方式の実証はわずかの事例でゆっくりとしか進まなかった。
しかしいま私が気づいたのは、真剣な知的活動成果(例えば、誰のものであれ既発表の論文など)のほとんどすべてを、6箱方式で表現できることである。6箱方式というのは、基本パラダイムとしてそれだけの一般性を持っているのだから。もちろん、論文の中には、6箱方式のある部分を強調し、他のある部分をスキップしていることがあろう。それでもかまわない。6箱方式は知的成果を記述するテンプレートの役割を果たす。それは、特許記述の標準書式と同様である。
そこで私は、自分自身の既発表論文を6箱方式の標準書式で記述することを始めた。私はまず、(私が重要と思っている)2002年, 2004-2005年, 2012年, 2014年にETRIA TFC (またはTRIZCON)で発表した論文を記述してみた。そして、その記述に意味があると分かったので、ETRIA TFCなどで毎年発表してきた2000年から2016年までの論文18編を、6箱方式で記述し、ここにまとめた。
既発表論文はすべて、6箱方式で記述でき、記述する意義がある。そしてまた、これらの論文を通して、「6箱方式」という概念がどのように開発されてきたのかを跡付けていただくことができるだろう。
2. 「6箱方式」で記述した論文の一覧: 中川 徹の論文18編 (2000〜2016年)
3. 各論文の概要(Abstract) と 「6箱方式」による記述 (2000〜2016年)
注: 2004年の論文と2005年の論文を合わせて、一つの「6箱方式」の図にした。
編集後記: 「6箱方式」による記述のしかたの補足とテンプレート (中川 徹、2016.12.24)
本ページの18編の論文の「6箱方式」での記述をお読みいただく(御覧いただく)読者の皆さんに、少々の説明・補足をしておきます。
(1) 「6箱方式」の概念、その実践プロセス、各段階(「箱」)で獲得すべき情報などについては、上記リストのうちの 2015年の論文、特に「USIT マニュアル」
をご覧ください。
(2) 本ページでは各論文を、(論文発表時の)Abstractと、スライド1枚での「6箱方式でのOverview(全体像)」の組で示しました。後者は今回記述したものです。
(3) このスライド1枚の書式は、(字数が限られていますから)簡潔に書かねばなりません。簡潔に書くのは苦しいことがあります。それはAbstractの執筆に苦労するのと同じです。そして、書くべき項目が指定されていますから、Abstract以上によく考えて書かねばなりません。
(4) 一つの論文(すなわち、創造的問題解決の一仕事)について、各項目(「箱」)に書くべきことがAbstractには十分に表現されていないことは多くあります。今回私は各論文の発表スライドをきちんと読み直して6箱方式に記述しました。6箱方式の各段階に沿ってきちんと意識して記述しておくのは大事なことです。何を本当に克服する必要があったのか、理想の方向は何か、自分の仕事の本当のエッセンス(「アイデア」)は何か、解決策の実装がどこまでできているのか(目途が立っているか)など、いくつものポイントがあります。
(5) 第2箱の記述では、字数制限を意識して、「課題(宣言文)」と「根本原因」の2項目だけを書いています。意識としては、(下から読んで、まず、第1箱の問題状況、そして第2箱の)「根本原因」そのつぎに「課題」という順がスムーズ化と思います。また、第3箱では、現在システムの理解、その次に、理想のシステムの理解というのが考えやすいでしょう。この順で、第4箱の新しいシステムのためのアイデアにつながります。
(6) 一つの完結した仕事になっていれば「6箱方式」での記述はたいていスムーズです。仕事が途中段階であるなら、そのような位置づけで書きます。特に私は、実施部分を(通常の白地のテキストボックスで書き、(計画中)未実施の部分をその箱の地の色(を少し薄めた色)のテキストボックスで書きました。
(7) 「6箱方式」の記述で苦労するのは、仕事が複線的に進行している場合、歴史的な経過を持って発展してきている場合などです。まとまったいくつかの部分/時期に分けて記述するのが一つのやり方でしょう。あるいは、全体として大づかみに理解し記述することになりましょう。
(8) この「6箱方式でのOverview」の記述に便利なように、PowerPointでのテンプレートを作りました。ダウンロードして自由にお使いください。
(9) 大きく複雑な仕事(論文)を記述するには、1枚のスライドより大きな、そして字数などの制限のない書式がよいかもしれません。このような意図で、Word文書のテンプレートを作って掲載しておきます。第1箱から第6箱まで、上から下に記述する形式にしています。各箱の行数などは適宜増減させて使用してください。
「6箱方式」テンプレート (Word) クリックでダウンロード
本ページの先頭 | はじめに | 「6箱方式」で記述した論文の一覧とリンク | 各論文の概要(Abstract) と 「6箱方式」による記述 | PDF版 |
編集ノート後記 | USITマニュアル |
英文ページ |
総合目次 ![]() |
(A) Editorial | (B) 参考文献・関連文献 | リンク集 | ニュース・活動 | ソ フトツール | (C) 論文・技術報告・解説 | 教材・講義ノート | (D) フォーラム | Generla Index |
||
ホー ムページ |
新着情報 |
子ども・中高生ページ | 学生・社会人 ページ |
技術者入門 ページ |
実践者 ページ |
CrePS体系資料 | USITマニュアル/適用事例集 | サイト内検索 | Home Page |
最終更新日 : 2016.12.27 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp