大阪学院大学 外国語学部ホームページ
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IV. イギリス留学

3) Development StudiesとHospitality and Tourism

現在のところ、大阪学院大学はイギリスの大学と交換留学協定を結んでいません。ですから、イギリスへの留学はすべて認定留学です。イギリスの大学の授業料は年間約1万ポンドです。円に換算すると200万円近くになります。コストを考えるとイギリス留学を選ぶ理由は見あたりません。それでもイギリスの大学でなければ、という理由はあります。それはイギリスの大学でしか学べない専門があるからです。それがDevelopment StudiesとHospitality and Tourismです。前者は主にアカデミックな大学に、後者は職業教育専門の大学に置かれています。Development Studiesは「開発学」と訳されます。日本人には耳慣れない言葉ですが、発展途上国のインフラ構築の専門家を養成する学問です。イギリスの大学のほとんどは、学際的な学部の構成になっていて、例えば筆者がネブラスカ大学で属していたのはDepartment of Englishでしたが、イギリスの母校であるSussex University(あるいはthe University of Sussex)では、School of English and American Studiesの学生として博士論文を書いていました。筆者が専門にしていた19世紀のイギリス文学も周辺の宗教や政治や経済や美術の領域に入り込み、入り込まれて、境界線が見えなくなっていますので、サセックス大学のような大きなくくりで研究を進めるのはむしろ現実を反映していて、好都合なのです。

同じことが開発学についても当てはまります。この分野で扱う中心的な問題として、サセックス大学の大学案内は、「グローバリゼーション」、「格差」、「貧困」、「ジェンダー関係」、「民族意識」、「文化表象」を挙げています。アジア、中東、アフリカ、カリブ海諸国、南アメリカが対象となる地域だと書いています。というわけで、開発学を教える教員の専門は、経済や政治から、文学や歴史、女性論まで多岐にわたっています。学問の多様性と関連性を考慮して、学部や学科というくくりではなく、Schoolという、学際的なまとまりを大学の構成単位としているのです。開発学は大阪学院大学の国際学部の専攻生にふさわしい分野です。国際学をもっと絞り込めばイギリスの大学の開発学に収斂すると筆者は信じています。

イギリスの60以上の大学が参加して、毎年春と秋に大阪で「留学フェア」が開催されています。(フェアの詳細はブリティッシュ・カウンシル) イギリス留学の関心の高まりを反映して、毎年参加者が増えています。特に開発学を学びたいという人が増えて、数年前から開発学のセミナーが行われるようになりました。将来国連などの国際機関で仕事をしたい、発展途上国の援助に関わりたいと志している人にはぜひお勧めします。開発学以外に、世界で一つという平和学(Peace Studies)が専攻できる大学もイギリスにあります。Bradford Universityです。この大学は日本語のサイトも設けています。このサイトにはブラッドフォード大学への留学体験も載せられています。平和学を「売り」にする大学だけあって、大学の紹介に登場している日本の留学生も平和学を専攻する人が多数を占めています。

同じような理由で、大阪学院大学でホスピタリティ経営学を学んだ人は、イギリスの大学で“Hospitality and Tourism”を専攻するという選択肢を考えて下さい。この専攻を持つ大学は職業教育専門大学にほぼ限られています。サセックス大学はブライトンという海辺の保養地の郊外にあります。ブライトン駅から電車で15分ほどでファルマーという駅に到着します。この駅から数分歩くと大学のキャンパスです。この駅を挟んで反対側にBrighton Universityのファルマー・キャンパスがあります。ブライトン大学は1991年までポリテクニックでした。この大学はファルマー、ブライトン市内、イーストボーンの三ヶ所にキャンパスを持っています。ブライトン市内からUniversities行きのバスが出ています。番号は25番で、終点がサセックス大学のキャンパス内にあります。イギリスの大学はたいてい交通至便の場所に立地しているので、車を持たなくても生活に困ることはありません。

話が逸れました。ブライトン大学に戻ります。この大学の学生数は2万1000人、そのうちの1,200人が留学生です。一割以上ですね。この大学にはSchool of Service Managementという学際的な「学部」があって、その中にHospitalityやTourismやRetail(小売り、販売業)のようなサービス(おもてなし)に関係ある学科が含まれています。このような大学で学んだことが社会に出てすぐに役に立つような分野を専攻できるのがポリテクニックだった大学の特徴です。

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