基礎理論論文: 高原利生論文集(4)
高原利生論文集 (第4集) : 『差異解消の理論 (4) 根源的網羅思考と矛盾モデルによる生き方』 (2016-2018)

論文集解題、論文 11編

高原利生 、2018年 4月12日 寄稿受理、改訂稿 6月13日。

『TRIZホームページ』掲載: 2018年 8月30日

掲載:2018. 8.30; 更新: 2018. 9. 1; 10.10     著者の許可を得て掲載。無断転載禁止。

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編集ノート (中川徹、2018年 8月26日; 追記 2018年10月 7日)

このページは、高原利生さんが2016年〜2018年の3年間に発表された(広義の)TRIZ関連の論文11編をすべてまとめて、高原さん自身による解題を掲載して、各論文 (HTMLページ/PDF版) へのリンクを張ったものです。論文集の第4集です。

稀有なことですが、本『TRIZホームページ』には、高原利生さんの2003年以後の全論文に解題・紹介をつけて収録し、15年間で全47編になりました。高原さんが企業を停年退職されてから、独自に思考を進め、精力的に執筆・学会発表されてきたものです。6年前に心臓手術でペースメーカーを付けられて後も、なお以前にも増して、大きな視野で独自の構想で研究を深めておられることに、大きな感銘を受けます。

高原さんは、ものごとを根源的に、一般的に、体系的に考察し、独自の理論体系を構築してきておられますから、いろいろな概念・用語を定義/再定義して使われており、馴染みにくいことも多くあります。一つの方法は、論文集(1)(2)(3) の紹介(中川の編集ノート)を順に読んでいただくこと、もう一つは、高原さんの今回の「研究ノート(2018年)」の概要をはじめにして、第一部から順にじっくり読んでいただくことか、と思います。

論文集第1集(2003〜2007年) では、問題やシステムを捉える単位としてオブジェクト(普通には構成要素、ここでは、認識される「もの」と「こと」のすべて)を考え、その属性(性質)、機能(働き)、粒度(考察するオブジェクトの空間・時間および性質の範囲)を考察し、オブジェクト間の関係(変更、作用、対立など)を考え、これらを記述する図式表現を作っています。また、現状とありたい状況との差を「差異」と呼び、「差異解消」が問題認識・問題(矛盾)解決・目標達成などの広範な人間活動を表現するものだと考えています。

論文集第2集(2008〜2012年) では、5年間13編の論文で、随分と概念が拡張されています。考える方法として、根源的網羅思考を掲げ、考察する対象の範囲を粒度として明確に意識することで、論理的にすべての場合を尽くすことを志向しています。その結果、(広義の)差異解消には、普通には「変更」「変化」と言われる(狭義の)差異解消の他に、外部との関わりを持つ二項(二オブジェクト)間の関係の生成と運動(プロセス)とから成ると捉え、この後者を「両立」あるいは拡張した「矛盾」と呼んでいます。これらの根源的網羅思考と拡張した矛盾の考え方が、弁証法論理を一層柔軟・強力にするといいます。 さらに、従来の技術分野を中心とした視野を広げて、いろいろな社会システム・制度を考えています。特に、これらの考えを身につけた「生き方」を重視し、「TRIZという生き方」を提唱したことは、驚くべきことでした。

論文集第3集(2013〜2015年) では、議論がさらに明確になり、テーマの展開が見られます。その理論体系を著者が始めからきちんと説明しようとしているのが、『TRIZホームページ』に投稿された[28]THPJ2012 の研究ノート(20頁)、および、[34][35][36]THPJ2015の研究ノートの三部作です。特に後者は、「分かっていることより分かっていないことの方が圧倒的に多い。何が分かっていないかをこそ書くべきだと思っている」として、あえて「(未完の)研究ノート」と位置づけています。前述の拡張した「矛盾」の概念を明確化する作業が行われていて、矛盾の二項を一体化する過程を含んだ(だから何重にも入れ子になって表現されるような)「一体型矛盾」という考えが出てきます。また、弁証法論理を展開・整理した結果、中川の「6箱方式」とよく対応すると分かったと言います。「世界を統一的に捉え、人間の生き方の土台を理解する。そのための論理的な方法を作り上げる」という大きな構想で、いくつもの学会発表が行われていて、咀嚼し・紹介することが私にも困難になってきました。

今回の論文集第4集(2016〜2018年 で、さらにテーマの深堀と拡張が行われており、最新の段階をまとめたものが、「未完成の哲学ノート(2018年)―矛盾モデルと根源的網羅思考による人類の生き方の基本原理についてのノート」です。大部ですので、全体ページ [44-47] と四つのサブページ[44]〜[47]に分割して掲載しています。矛盾の概念(特に「一体型矛盾」)と根源的網羅思考とが考察の主要道具です。(矛盾と根源的網羅思考は従来からたびたび論じられてきたテーマですが、今回の四部作の第一部と第二部で改めて論じています。)対象化(=分析、客観視、個別化、自由、批判など)と一体化(=総合、主観取り込み、統合、愛、謙虚さなど)とを、繰り返し・階層的に・入れ子的に考えていくことが、問題解決・課題達成(=差異解消)の鍵であり、生き方の土台であると、論じています。また、人類の歴史(その意味)を大局的に捉えることも繰り返し論じていて、物々交換の開始の意義を説き、農業革命と産業革命をエネルギー革命と位置づけています。第四部には、ポスト資本主義のための試論もあります。著者独自の鋭い考察をはっきりと述べています。これらのことは、著者の思想全体を収録し、後世の理解に委ねる本論文集の意図に沿うものと思っています。

この第4集も既発表論文の一式と書き下ろしの研究ノート四部作の原稿一式を4月に受け取っていながら、編集者の手が回らず4か月余り遅れてようやく掲載できることになりました。(8月末に掲載しましたときには、四部作の一部だけをHTMLページにしましたが、このたび四部作全体をHTMLページにし、私自身学ぶことが多くありました。)高原さんはこの9月にまた複数の学会で発表される予定ですから、新しい発展に期待したいと思っております。ともかく、高原利生さんが今後も健康に留意されて思索と執筆を続けられることを祈ります。また、私自身も、読者の皆さんも、これらの労作の意義・内容を理解し、吸収・発展させられることがあれば、素晴らしいことと思っております。

 

本ページはつぎのように構成しています。

編集ノート (中川 徹) と 高原論文の一覧表 (リンクつき)   [本『TRIZホームページ』での掲載記事へのリンクも]

高原利生: 「2016年〜2018年の論文解題」   (HTMLページ、リンクつき)

高原利生論文(2016〜2018年)の全論文(11編)のPDF版 (和文/英文、論文/スライド)、およびそのうちの重要論文のHTMLページ(各別ページ)へのリンク。

高原利生 論文集第4集 論文一覧 (2016年〜2018年)  (発表順)  (すべて単著)

[番号] 出典-年
題名
出典 (年)
言語、形態、ページ数、リンク
本サイト内の掲載ページ

[37] [IEICE2016]

地球の弁証法論理

電子情報通信学会総合大会, 九州大学, A-12-1, 2016. 和文論文 1頁 

和文スライド12頁 
 

[38] [FIT2016]

 

世界観、生き方、人類の未来のための根源的網羅思考と一体型矛盾

FIT2016, 富山大学, 2016

和文論文 6頁 

和文スライド16頁 

和文ページ (掲載:2016.10.19)

Radical Enumerative Thinking and Contradiction of Unity for World View, the Way of Life and the Future of Human Being

英文論文 4頁 

英文スライド16頁 
英文ページ (掲載:2016.10.19)

[39] [CGK2016]

 

エネルギーとポスト資本主義について

CGK, R16-07-17, 広島大,  2016.

和文スライド12頁 

 

A Note on Energy and Post-Capitalism

英文論文 2頁 

英文スライド12頁 
 

[40] [IPSJ2017]

大きな問題の解決方法

情報処理学会IPSJ全国大会, 名古屋大学, 7F-02, Mar. 2017. 和文論文 1頁 

和文スライド32頁 
 

[41] [FIT2017]

 

生命が宇宙でき延びるための 世界観 ,態度と論理

FIT2017, 東京大学, O-018, 2017.

和文スライド 30頁 

和文ページ (掲載:2018. 8.30)

World View, Attitude and Logic of Life to Survive in the Universe

英文論文 2頁 

英文スライド30頁 
英文ページ (掲載:2018. 8.30)

[42] [CGK2017]

 

生き方としての 根源的網羅思考と矛盾

CGK, R17-25-07, 岡山理大, 2017.

和文スライド 26頁 

 

Radical Enumerative Thinking and Contradiction as the Way of Life

英文論文 2頁   

[43] [IEICE2018]

矛盾モデルと根源的網羅思考による人類史の論理と価値実現

電子情報通信学会総合大会, A-12-1, 東京電機大. 2018. 和文論文 1頁 

和文スライド32頁 
 

[44-47] [THPJ2018]

矛盾モデルと根源的網羅思考による人類の生き方の基本原理についてのノート --未完成の哲学ノート(2018 年)

 (全体ページ)

『TRIZホームページ』 2018. 8.30; 9. 1; 10.10 和文概要、おわりに、文献 12頁 

和文ページ(概要、おわりに、文献  (掲載:2018. 8.30; 10.10)

 英文ページ (論文概要)  (掲載:2018. 8.30; 改訂2018.10.10

[44] [THPJ2018/1] 

根源的網羅思考(2018年3月): ノート2018/1第一部

『TRIZホームページ』 2018. 8.30 和文論文 25頁  和文ページ  (掲載:2018. 10.10)

[45] [THPJ2018/2]

矛盾(2018年3月): ノート2018/2 第二部

『TRIZホームページ』 2018. 8.30 和文論文 17頁  和文ページ  (掲載:2018. 10.10)

[46] [THPJ2018/3]

対象化(自由)と一体化(謙虚さ、愛)を生んだ世界観と価値: ノート2018/3 第三部

『TRIZホームページ』 2018. 8.30 和文論文 33頁  和文HTMLページ (掲載:2018. 8.30)

[47] [THPJ2018/4]

人工知能、宇宙論理学、人類の統一理論、ポスト資本主義の準備: ノート2018/4 第四部

『TRIZホームページ』 2018. 8.30 和文論文 27頁  和文HTMLページ (掲載:(後半)2018. 8.30;(全体)2018.10.10)

 

本ページの先頭 論文一覧表(第4集) 論文集(4)解題 (高原) 論文集解題 (高原) (PDF) 高原 論文集 (第1集) 高原 論文集 (第2集) 高原 論文集 (第3集) 英文ページ
[38] FIT2016 根源的網羅思考と一体型矛盾 [41] FIT2017 世界観 ,態度と論理 [44-47] THPJノート 全体ページ 

[44] THPJ ノート第一部:根源的網羅思考 

[45] THPJ ノート第二部:矛盾  [46] THPJ ノート第三部:対象化と一体化  [47] THPJ ノート第四部:(全)  

 


  著者による論文集(4) 解題

高原利生論文集(第4集):
『差異解消の理論 (4) 根源的網羅思考と矛盾モデルによる生き方』 (2016-2018)

2016年−2018年の論文解題 

 高原利生  (2018年 4月12日)

 

高原の2016年から2018年までの発表論文の位置づけと個々の論文の解題を以下に示す。

高原の2003年から2007年の論文集(1) 、2008年から2012年の論文集(2) 、2013年から2015年の論文集(3) に続き、論文集(4)の形で、「TRIZホームページ」に公開する機会を作っていただいた大阪学院大学中川徹名誉教授に感謝申し上げる。

 

1. 論文の位置づけ

2003年から2007年までの検討内容は、基本概念(オブジェクト,それを組み合わせたオブジェクト世界,オブジェクト変更、オブジェクトの属性,粒度,機能)を明らかにし、差異解消の方法、表示方法を追求したことであった。粒度を、最初は単に、オブジェクトの空間的時間的範囲としていたが、後に属性を加えた。

2008年から2012年までの検討内容は、(広義の)差異解消の理論になっていた。(広義の)差異解消が(狭義の)差異解消(通常の意味の「変更」「変化」)と両立であることは大きな発見であった。

自然の運動、人間の行動、思考の全体は、内容的には、(広義の)差異解消である。これをもたらすのは、運動である。ここでの運動は、アルトシュラーによって矛盾として扱われていた。アルトシュラーの矛盾は、マルクス、エンゲルスの矛盾の拡張になっている。全ての運動を、動的な構造の面から見たのが矛盾であった。

粒度が定まると、矛盾は定まる。粒度を管理するのが、根源的網羅思考である。

2013年からは矛盾、根源的網羅思考を構成要素とする弁証法論理、それが「生き方」と「生きる」ことを実現すること、それが最小概念で実現されること、その「生き方」以外へも適用できることを検討している。

 

次図で、上右が2003- 2007年の主テーマ、上の左半分が2008- 2012年の主テーマを表す。
下右が2013年以降の主テーマ表す。

 

発表は,情報科学技術フォーラム(FIT)という情報関係二学会共催のフォーラム,電子情報通信学会総合大会, 情報処理学会全国大会, 電気・情報関連学会の中国支部連合大会である。

中川徹先生のTRIZホームページには、ノートという形で公表をさせていただいている。書くものは全て未完のノ−トであるのが良いと考えており、学会発表の形式にとらわれないTRIZホームページでのノートという形式が、理想の発表形式であると考えている。

 

論文名の表記を、[2003年以来の発表順の通し番号] [発表の場の略称  発表年] 著者名, “論文名”, 発表の場, 発表年. の順に行う。

発表の場の略称は、

FIT: 情報科学技術フォーラム Forum on Information Technology(情報処理学会と電子情報通信学会の情報処理に関係するソサイエティが共催する年に一度のフォーラム。毎年、三日間、数十の会場に分かれて1000件ほどの発表がある。)
IEICE:電子情報通信学会総合大会
IPSJ: 情報処理学会全国大会
CGK: 電気・情報関連学会中国支部連合大会(電気学会、照明学会、電子情報通信学会、情報処理学会などの中国支部が、毎年、合同で行う発表会)
THPJ: 中川徹先生のTRIZホームページ

である。

 

2. 2016年−2018年の論文、ノートの解題

2.1 情報科学技術フォーラム FITで発表

[38] [FIT2016] TAKAHARA Toshio, “Radical Enumerative Thinking and Contradiction of Unity for World View, the Way of Life and the Future of Human Being”, FIT2016, 富山大学, 2016.

          『TRIZホームページ』掲載(英文・和文): 高原利生「世界観、生き方、人類の未来のための根源的網羅思考と一体型矛盾 」 (2016.10.19 掲載) 

    Paper in English 4 pages Taka-38-FIT2016-eP-160825.pdf
    Slide in English 16 pages Taka-38-FIT2016-eS-160921.pdf
    和文訳6ページ Taka-38-FIT2016-jP-170720.pdf
    和文スライド16ページ Taka-38-FIT2016-jS-160921.pdf

[概要、解説、解題]:以下は、本稿の概要、解説、解題を兼ね、これだけ読んでも意図と概要が分かるように心がけた。

1.はじめに

今回のFITでは、初めて「人文科学」の中の「文化情報処理」セッションで論文発表を行った。(「社会科学」のセッションはない)正式提出言語は日本語か英語のどちらかである。今回は英語にした。うまくない英語である。(下線で示した内容は、明示的には論文には含まれない内容を含む。実際の発表は日本語スライドで行った。

今までに分かったことに拠っている。つまり、全体の論理展開は、粒度、オブジェクト、網羅という最小の基本概念を使い、題に示すとおり、矛盾と根源的網羅思考で進めている。根源的網羅思考によるということは、何かを語る時には、その何かは、網羅された中から選ばれたものであることを意識し、なるべく網羅の内容を明記するようにしている。原文の1章である。

2.矛盾と根源的網羅思考についての進展

原文の2,3章である。
矛盾、特に一体型矛盾と、根源的網羅思考について、内容に新しい発見があったのでそれを述べた。

まず、矛盾は、世界の近似モデルの単位であり、差異解消矛盾(通常の変化や変更)、並立矛盾(従来の矛盾で、これが、普通の並立矛盾と、特別な一体型矛盾に分かれる)の二つ(ないし三つ)に分かれる。
発見とは、これらについて、それぞれの矛盾が、1.矛盾の解の結果の型、2.矛盾の運動が、永続的か一時的か、3.矛盾の変化が、値の変化か属性の変化か、変化が量的か質的か、によって、きれいに分類できたことである。

一体型矛盾とは、目的と手段、愛と自由、一体化と対象化などの例のように、お互いが相手を条件にし合う形で、双方の内容がともに向上し続ける特別な並立矛盾である。
普通の並立矛盾が特別な一体型矛盾に移る条件も少し分かったのでそれも書いている。

また、根源的網羅思考についての発見とは、適用の時間と具体性によって、適用の仕方が三つあることが分かったことで、それを述べている。(今、思えば、三つのうちの最初のケースは、根源的網羅思考ではない)今回の検討対象は、人類の一万年の歴史の総括と今後の姿だったので、個々の具体的適用と異なり、最も全体的総括的な適用を考えねばならなかった。

3.8000年間の人類の生き方

原文の4章から6章までにある。
扱う対象は、8000年前の農業革命から250年前の産業革命を経て、今後の数百年に至る人類の生き方である。この時代以降、意識的に、世界を変えて生きて行こうとするリーダーが生まれた。この歴史を総括し、人類の一瞬の「生き方」をモデル化した。これは、人と世界を繋ぐ次の四つの層からなる近似モデルである。おそらくこのモデルの有効期間は、数千年前から今後100年後くらいまでであろう。

このモデルは、
1.知覚、
2.(価値、事実についての過去の総括と、価値、事実についての未来像の)世界観、世界観が作用する、潜在意識、感情、(価値,事実に対する)態度、  の二つが、
3.認識と変更像の粒度と論理により決まった認識と変更像(これを決めることが生きることである) が媒介する、
4.技術、制度、科学、芸術  をとおして実現される。

これは大雑把な言い方で、実際には各項間に相互作用がある。1を除き、以下に順次説明する。

2.価値、事実についての過去の総括をした世界観の内容は次のようになっている。過去と言っても、8千年前からに限る。世界観には、宇宙の歴史、生命の遺伝子進化を含む歴史の総括も重要であるが、今回は扱っていない。
8千年前以降に限れば人類の歴史を主導したのは、農業革命、産業革命という技術革命だった。農業革命、産業革命は、いずれもエネルギー革命という技術革命である。制度は、新しい技術に対応するように変わっていった。産業革命に対応する制度は資本主義である。おそらく今後も、人類を主導するのは技術革命だろう。

この歴史の進展には、基本的に明確な対象化が必要であった。農業革命では、太陽エネルギーと植物の生育についての対象化が必要であった。一方で、農業革命の進展は、その精神を全員へ行き渡らせるには、人類史上初めて、法や宗教、しきたりなどによる一体化を必要とした。最初の法や宗教の誕生は、農業革命が始まってから4,5千年後のことである。
農業革命の進展の中で、法や宗教の誕生に先立って、物々交換が産まれ、やがて等価原理ができる。等価原理は多くのプラスをもたらしたが、マイナスも、もたらした。等価概念は、「罪と罰」という概念を作り、さらに1.罰が怖いので罪を起こさない、2.罰を個人的に作ってしまう「仕返し」という二種類の解決すべき意識も作ってしまった。今も「憎しみ」の処理の仕方が大きな課題である。

化石エネルギーを利用する産業革命において、ものを操作するための対象化が特に発展した。今、様々な弊害が起こっているが、対象化の行き過ぎではなく一体化が足らないのである。

3.粒度と論理を決めることが生きることの大きな部分である。粒度と論理を決めること、つまり「生きること」は、「私−関係−対象」の「関係」を決めることである。この「関係」は、対象化と一体化の二つで網羅的に区分される。(この一体化が分かりにくい)

4.媒介する技術、制度、科学、芸術は、一体化の実現手段である制度、芸術と、対象化の実現手段である技術、科学からなる。制度、技術は世界に働きかける、それぞれ、一体化と対象化の手段であり、芸術、科学は世界を認識する、それぞれ、一体化と対象化の手段であると本質的にとらえられる。実際には、この本質だけの純粋の技術、制度、科学、芸術はなく、お互いを取り込んだ複合的な形で実現されている。

8000年前の農業革命から250年前の産業革命を経て、今後に至る時代は、この間に限れば、対象化と一体化は、3項で論理的に網羅されていると同時に、2項の過去と現在の分析結果からの総括としても、4項の実現手段の総括からも得られている。

論理と歴史は、(ノイズを省けば)一致すると、レーニンが「哲学ノート」で書いた。この考え方の基はヘーゲルである。ヘーゲルは、物自体に内在する論理が物事を発展させていくと考えた。彼によると、正確に論理と歴史は一致する。論理と歴史が一致するような、空間時間、抽象化された属性があると言った方が良いのかもしれない。もしそうなら、論理と歴史が一致するような、空間時間、属性という粒度を見つけることは意味がある。

論文では、全体が一体化と対象化という概念で統一できた手段が、人類が、人類の生活をできるだけシンプルになるように、つまり使用エネルギーが最小になるようにする目的のためだったということを、しつこく、矛盾と根源的網羅思考を使って説明しているが、十分ではない。
数千年の時間をかけ、使用エネルギーが最小になるようにしたのが歴史だった。実はこの歴史から、対象化と一体化という二項の一体型矛盾が得られたのである。
本稿で扱わなかった遺伝子の進化も、おそらくエネルギー最小原理に拠っている。エネルギー最小を実現できた種が環境に適応でき、生き残った。

4.今後の人類の生き方と結論

原文の7章から終わりまでである。
今求められている今後の革命は、新しいエネルギー革命という技術革命と、今まで不十分で欠点の多かった対象化と一体化を一体型矛盾としてお互いがお互いを高めていく全員のための全員の制度革命の二つからなるであろう。対象化の価値が「自由」(対象を操作する力)であり、一体化の価値が「愛」(自分と相手、対象の全てを一体として同時に高める態度と行動の大きさ)である。

中川徹教授に、『「自由」vs.「愛」:人類文化を貫く主要矛盾―『下流老人』に対する人々の議論を踏まえ、その根底を考える―』http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jpapers/2016Papers/Naka-Liberty-Love-2016/Naka-Liberty-Love-160419.html という豊かな内容の論考がある。
高原のFIT2015の発表とその後のTHPJ2015の三稿が、中川徹教授の2005年の6箱方式の一面からの根拠とその展開を述べたコメントであったと同様に、本稿も、中川徹のこの「自由と愛」を形式面から述べたコメントにもなった。中川教授のような内容に踏み込んだ考察でなく、形式的抽象的コメントであることはお断りしておかねばならない。

FIT2013以来、ゼロベースの根源的網羅思考RETによって、半ば、自動的に論理が進んでいく。解、あるいはツールが、もしあるとすればこういう形であるはずだと考えていくのは、工学的思考である。テーラー展開やマクローリン展開、時間幅ゼロで振幅無限大のインパルス応答やデルタ関数などが好例である。
ゼロベースの根源的網羅思考RETによる思考は、自動的に論理が進んでいくことと、工学的思考が特徴かもしれない。

[41] [FIT2017] TAKAHARA Toshio, “World View, Attitude and Logic of Life to Survive in the Universe”, FIT2017, 東京大学, O-018, 2017.

高原利生:「生命が宇宙でき延びるための 世界観 ,態度と論理」  (2018. 8.30 掲載) 

     英文論文2ページ  Taka-41-FIT2017-eP-170929.pdf
     スライド英文30ページ Taka-41-FIT2017-eS-171029.pdf
     スライド和文30ページ Taka-41-FIT2017-jS-171207.pdf
     

[概要、解説、解題]:以下は、本稿の概要、解説、解題を兼ね、これだけ読んでも意図と概要が分かるように心がけた。発表は、「情報システムと社会環境」セッションであった。

1.はじめに

ここで扱う知的生命とは、1) 我々がコンタクトできるもの、2) 次の要素を持つものとする。
     世界観を持つこと,
価値観 (種の存続- 生命?) ,
対象化の態度と行動,
論理
全ての知的生命を扱わない。1) 地球人と似た知覚や、2) 生き残るために(言語による)思考を持たざるを得なかった型の生命に限定している。蟻のような生命は扱わない。

知的生命は、突然の変化や日常的変化のある多様な環境に生きている。従って生命の存続には次の二つが必須である。
    ・突然の危機対応
・日常的運動や環境による生命と他の関係がもたらす全ての問題の解決

2. 知的生命の論理

生きることは、世界観を持つこと、態度、論理、行動の連鎖である。
知的生命が生き残るための望ましい要件の一つは、論理としての根源的網羅思考と一体型矛盾の理解である。(ほぼ、全体の半分を使って根源的網羅思考と矛盾(特に一体型矛盾)の説明をしている)

3. 生命が宇宙で生き延びるための世界観、態度

生命は、惑星や母星の運動などによる突然の変化と日常の変化という多様な環境下で生きている

3.1 生き延びる第一の要件は、太陽嵐、巨大隕石衝突など突然の危機への対処である。この対策の具体的検討はしない。

3.2 生き延びる第二の要件は、日常の変化から生じるあらゆる問題を解決することである。解決行動のための世界観、態度を検討する。世界観は、過去、現在、未来についての事実観と価値観の共同観念で、価値観、潜在意識、感情に影響する。

以下、論理と、歴史の総括の二面から考察する。弁証法の仮説の一つによると、歴史と論理は、大まかには一致する。ヘーゲルは、物事は自らの持っている論理どおりに発展していくと考えた。実際にこのヘーゲルの命題が成り立つ長い時間粒度がある。
論理的に、対象化の反対概念が一体化であることも、大きな発見であった。
歴史の中で、対象化が農耕によってはじまり、たまたま、物々交換の発生によって所有という一体化、神への一体化が起こる。後に一体化概念をおこす対象化概念が、人の発生後の殆どの時間を経過したのち、農耕によって起こったことも偶然、それから数千年たって一体化の原型が起こったのも偶然である。そして今、対象化による様々な不具合が起こっている。以前の不完全な一体化を完全な一体化にしながら、対象化と一体化の統一が求められる時代になった。一体化が、対象化をも新しい段階にしていく。これが今の問題を解決する。

FIT2016などで書いて、説明不十分だった内容の裏付けの一部が、FIT2017でできた。また、一体型矛盾は必ずしもお互いを発展し続けるとは限らず悪化し続けることも分かったので、一体型矛盾の記述を変更している。
スライドでは、論文に書ききれなかった根源的網羅思考の概要をやや詳しく述べた。また根源的網羅思考と矛盾は定式化が簡単で、抽象化などをAIに取り入れることができることも触れている。

 

2.2  電子情報通信学会IEICE総合大会で発表

[37] [IEICE2016] 高原, “地球の弁証法論理, 電子情報通信学会総合大会, 九州大学, A-12-1, 2016.
    和文論文1ページ Taka-37-IEIE2016-jP-160416.pdf
    スライド12ページ Taka-37-IEIE2016-jS-160331.pdf 

IEICE総合大会「技術と社会・倫理」のセッションで論文発表を行った。以下に登録された「抄録」を示す。

抄録:  地球人は、いずれ、宇宙の知的生命に遭遇する。彼らがどのように生きているかは、単に興味深いだけでなく、彼らとの対応は、地球と地球人の未来と相手の宇宙人の未来に、大きく影響する。
宇宙人、地球人の生き方や、彼らの論理を推測する準備として、地球の論理の前提となる自然条件などを整理し、地球,月,太陽の属性、運動、地球人,地球上の生命の属性、エネルギーの状況としての農業革命、産業革命を述べ、それを受けた地球の弁証法論理の現状をまとめた。

[43] [IEICE2018] 高原, “矛盾モデルと根源的網羅思考による人類史の論理と価値実現”, 電子情報通信学会総合大会, A-12-1, 東京電機大. 2018.
     和文論文1ページ Taka-43-IEIC2018-jP-180407.pdf
     スライド32ページ Taka-43-IEIC2018-jS-180407.pdf

IEICE総合大会「技術と社会・倫理」のセッションで論文発表を行った。このセッションでの発表は2016年に続き二回目である。司会をして頂いた神奈川大学森住哲也先生(企業の技術者から大学に移られた方である。哲学者ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」についての発表もある異色の技術者だった)と事前にまた当日発表で、本稿の前提となる「矛盾と粒度」について説明し議論することができた。いつも、矛盾と粒度の二つの説明に時間を取ってしまう。森住哲也先生には粒度は新しい概念を開くものかもしれないと言われた。スライドでもその概要をまとめている。

客観世界で数学のラングランズ問題など各分野を統合する検討がある。価値を実現する人間世界でも同様の統合理論があり得る。ユバル・ノア・ハラリは「サピエンス全史」で人類史を総括した。ジャレット・ダイヤモンドも同様の理論的検討をしている。中川徹の「自由と愛の矛盾は人類文化の主要矛盾である」という発言もその成果を表現している。本稿ではこの中川の言についてのコメントと言ってもいいかもしれない。

人の、火と道具のある利用段階という技術の発展時期が、地球の多様な自然条件、氷河消失に重なり、一万年前に農業革命を起こし、本格的に対象化を開始した。その後の生産物増加による物々交換開始と同時の「所有」開始が一体化の始まりである。これから人類の対象化(自由)と一体化(愛)の矛盾の運動が始まる。
今、1.対象化と双方向一体化のそれぞれを完成させながら統一する態度と行動、2.多様化と単一化を統一する態度、行動、管理の二つの一体型矛盾が同時に必要になった時代を迎えている。
全歴史、全世界の問題解決が進みつつある客観と、そこへの参加の主観が得られ、人は始めて幸福を感じることができるようになる。
人工知能が、思考、議論を支援することができる。

2.3  情報処理学会全国大会で発表

[40] [IPSJ2017] 高原, “大きな問題の解決方法”, 情報処理学会IPSJ全国大会, 名古屋大学, 7F-02, Mar. 2017.
    和文論文 2ページ Taka-40-IPSJ2017-jP-170113.pdf
    スライド32ページ Taka-40-IPSJ2017-jS-170327.pdf  

一回で解が出てそれで解決する問題はある。それについてはTRIZを含め様々な「問題解決法」「発想法」が答えを検討している。実際は、この他に、1.解き続ける構造を持った問題、2.複雑な構造を持ち複数の解を出さないといけない問題がある。
本稿は、後者の課題の解決方法を検討した。FIT2016で扱った「生きていく構造の変更」の問題がこの例であった。

問題を、構造分割とその構造内の矛盾を解くことに分ける。FIT2016では、一体化と対象化の一体型矛盾と時間直列構造が同時に得られた。この後検討すべき課題を述べているが、その後も進展していない。

2.4  電気・情報関連学会中国支部連合大会で発表

[39] [CGK2016] TAKAHARA Toshio, “A Note on Energy and Post-Capitalism”, CGK, R16-07-17, 広島大,  2016.

高原利生: 「エネルギーとポスト資本主義について

    Paper in English 2 pages eTaka -39-JCGK2016-eP-180407.pdf
    Slide in English 10 pages eTaka-39-JCGK2016-eS-160827.pdf
    和文スライド12ページ Taka-39-JCGK2016-jS-18040.pdf7

電気・情報関連学会の支部連合大会で、発表言語は、うまくない英語である。
下線で示した内容は、論文にはない
今回登録したのは電気学会のエネルギーセッションだった。発表は日本語で行った。

全体の論理展開は、粒度、オブジェクト、網羅という最小の基本概念を使い、根源的網羅思考で進めている。
オブジェクトは、存在(ものと観念)と、関係(運動)からなる。関係は、エネルギーによって運動となる。

8千年前からに限れば人類の歴史を主導したのは、農業革命、産業革命という技術革命だった。農業革命、産業革命は、いずれもエネルギー革命という技術革命である。今後も、人類を主導するのは技術革命だろう。
この進展には、基本的に対象化が必要であった。例えば、農業革命では、太陽エネルギーと植物の生育についての対象化が必要であった。一方で、農業革命の進展は、その精神を全員へ行き渡らせるには、人類史上初めて、法や宗教による一体化を必要とした。
農業革命の進展の中で、法や宗教の誕生に先立って、物々交換が産まれる。(最初の偶然の物々交換)→(物々交換という等価交換の普及)→(等価原理の成立)という順序で、等価原理ができる。おそらく、この等価原理成立と同時に、労働量、エネルギーが、価値の大きさを測る基準となって現在に至っている。
化石エネルギーを利用する産業革命では、ものを操作するための対象化が特に発展した。

人は、食物を食べてエネルギーを得る。食物は、すべて太陽エネルギーの蓄積物である。
人の行動のためのエネルギーは、1) 太陽エネルギー、 2) 太陽エネルギーが蓄積された化石燃料、3) 原子力か燃料電池のような人工物から得る。
主電源として、気候変動リスクのある太陽エネルギーは使えない。それに地表や水面は光合成や動物のためにある。地球ではマントル運動をエネルギーとして利用したいが、これは地球内に限られる。また化石燃料はいずれ枯渇する。
あらゆる場所、空間で、十分なエネルギーが必要でありその可能性がある

今後の革命は、新しいエネルギー革命という技術革命と、それに対応する制度革命の二つからなるであろう。
もし、原子力主体の十分なエネルギーが得られる時代になれば、エネルギーが価値の基準であることを止める。
その時、対象化と一体化を統一した、努力する人間が新しい価値と真理を求め続ける。

[42] [CGK2017] TAKAHARA Toshio, “Radical Enumerative Thinking and Contradiction as the Way of Life”, CGK, R17-25-07, 岡山理大, 2017.

高原利生: 「生き方としての 根源的網羅思考と矛盾

    Paper in English 2 pages  eTaka-42-JCGK2017-eP-180407.pdf
    スライド和文26ページ  Taka-42-JCGK2017-jS-180407.pdf 

「2.1 矛盾   2.2 根源的網羅思考(1)」
「3. 根源的網羅思考の原理(2)」
「4. 生き方としての根源的網羅思考と矛盾(3)」
という順に、
「2.1 矛盾  2.2 根源的網羅思考(1)」で、矛盾、根源的網羅思考とは何かを述べ、
「3. 根源的網羅思考の原理(2)」で根源的網羅思考の要素から出てくる使い方を述べ、
「4. 生き方としての根源的網羅思考と矛盾(3)」で矛盾と根源的網羅思考の展開を述べた。

このように体系的に三段階で、根源的網羅思考の思想を述べたのは、はじめてのことであった。

2.5  TRIZホームページに発表

[THPJ2018]の四

高原利生: "矛盾モデルと根源的網羅思考による人類の生き方の基本原理についてのノート --未完成の哲学ノート(2018 年)"
(中川徹TRIZ ホームページへの投稿 [THPJ2018/1-4])   原稿提出:2018. 4. 8; 改訂稿提出: 2018. 6.13; 『TRIZホームページ』 掲載 2018. 8.30  
全体ページ(概要、構成、おわりに、文献)     

第一部「根源的網羅思考」と第二部「矛盾モデル」で論理(方法)、第三部で世界観を述べ、第四部で 当面必要な課題を述べる。論理(方法)と世界観が哲学で、この二つが人類の生き方を決めると考える。 2018 年時点で、分かったこと、分かっていないことを書いた未完成の哲学ノートである。

本編の一部は、電子情報通信学会100周年記念論文募集で人工知能の将来を論じたものがもとになった。(投稿したが落選した)
以下の四篇は、全体がA4で80ページを超えるものになったので、四つに分けた。章は全体の通し番号になっているが、個々に別々でも読めるようにした。そのため篇毎に繰り返しがある。矛盾や根源的網羅思考についての最新報告が第一部第二部である。第三部は本論で、ページ数も多い。第四部は展開である。
これだけで分かるようにしたが、[THPJ2015]の三篇の中心をなす中川徹先生の「六箱方式」の(別表現の)内容は繰り返していない。

[44] [THPJ2018/1] 高原利生、”根源的網羅思考(2018年3月):ノート2018/1第一部”、『TRIZホームページ』掲載2018年8月30日;10月10日。  和文 HTMLページ 
    Taka-44-THPJ2018-Part1_jP-180916.pdf 
     

根源的網羅思考について今までに分かった成果をまとめた。 目次を以下に示す。

1.前書き:価値を実現するために生きる
2.根源的網羅思考
   2.1 粒度と網羅
2.2 根源的網羅思考とは?その1:全体を指向する思考
2.3 生きることの全体
2.4 価値の全体
2.5 根源的網羅思考とは?その2:仮説設定=正しい命題変更を行う思考
2.6 根源的網羅思考のまとめと使い方

[45] [THPJ2018/2] 高原利生、”矛盾(2018年3月):ノート2018/2 第二部”、『TRIZホームページ』掲載2018年8月30日;10月10日。  和文 HTMLページ 
     Taka-45-THPJ2018-Part2-jP-180916.pdf    

矛盾について今までに分かった成果をまとめた。目次を以下に示す。

3.前書き
4.矛盾
4.1 矛盾とは?
4.2 差異解消矛盾と両立矛盾
4.3 両立矛盾から一体型矛盾への発展
4.4 原動力
4.5 矛盾の種類(まとめ)

[46] [THPJ2018/3] 高原利生、”対象化(自由)と一体化(謙虚さ、愛)を生んだ世界観と価値:ノート2018/3 第三部”、『TRIZホームページ』掲載2018年8月30日。 

   和文HTMLページ 
       Taka-46-THPJ20183-jP-180819.pdf 

目次を以下に示す。

5.前書き:価値を実現するために生きる
6.望ましい状態を一度作る簡単な価値実現
6.1 検討態度
6.2 簡単な問題の解法
7.対象化(自由)と一体化(謙虚さ、愛)の矛盾による価値実現
7.1 弁証法論理と歴史の結果
7.2 物々交換の開始までの歴史
7.3 物々交換の開始とその後の歴史:四段階
7.4 物々交換の開始とその後の歴史:対象化と一体化の矛盾
7.5 文化;科学、技術、制度、芸術

客観世界と人類の生き方を比較し、人類の統合理論を構築する試みを行った。対象化と一体化、自由と愛、謙虚さと弁証法的批判の統一が、歴史におけるある粒度から得られたことを述べた。

対象化と一体化、自由と愛、謙虚さと弁証法的批判の統一のために、個と生産物の多様化が重要な役割を果たしていることに気づき、課題も明らかになった。問題を提起したので考えていただきたい。

[47] [THPJ2018/4] 高原利生、”人工知能、宇宙論理学、人類の統一理論、ポスト資本主義の準備:ノート2018/4 第四部”、『TRIZホームページ』掲載2018年8月30日;10月10日。  和文 HTMLページ(全) 

    和文HTMLページ (11章、12章:2018.8.30; 8-10章:2018.10.10)(全) 
     和文PDFページ (全) Taka-47-THPJ2018-Part4-jP-180916.pdf  

目次を以下に示す。

8.前書き
9.人工知能
9.1 人工知能の現状と欠点
9.2 今後の人工知能の可能性
10.宇宙論理学
10.1 地球の具体的前提:地球人の論理を成り立たせる外界と主体の前提
10.2 宇宙人の論理の前提
10.3 地球人の弁証法論理
10.4 将来のあり得る宇宙人の論理の具体的前提、将来のあり得る宇宙人の論理の具体的例
11.人類の統一理論
11.1 エネルギー
11.2 客観世界の統一理論
11.3 人類の統一理論
12.ポスト資本主義
おわりに

第三部までを受け、今後の展開の課題を述べる。人工知能(AI)、宇宙論理学、人類の統合理論、ポスト資本主義を扱った。それぞれを説明する。

生きることは、無意識に生きていることと、意識的に生きることからなり、ほとんどの行動が無意識に行われ、問題の解も殆ど潜在意識下で得られる。無意識に行われている判断は定式化されていない。定式化されれば必ずAI化される。その繰り返しが永遠に続くだろう。
価値と現実の「問題」と(AIと人の協同)の相互作用という形で人と共存していくだろう。

宇宙論理学の宇宙論理とは、宇宙の知的宇宙人の論理のことである。正確には、宇宙比較論理学である。いつか必ず必要になる宇宙の知的宇宙人の論理を検討しておく。宇宙人の感じ方は難しい。感じ方を除いた考え方、論理は分かるかもしれない。ひょっとしたらその理解が人類の将来を決めるかもしれない。

中川徹の「自由と愛の矛盾は人類文化の主要矛盾である」という表現も、「TRIZのエッセンス」も人生の統合理論の要約である。ユバル・ノア・ハラリ、ジャレット・ダイヤモンドは、一種の人類の統一理論の試みをしていると理解できる。本稿の第三部はこの人類の生き方の統合理論のあり方の一部を示した。第一部、第二部はそのための予備知識であった。

おそらく、ポスト資本主義は、物々交換から生まれた「所有」を基にせず、お金が経済の原動力でない制度である。新しい生き方は、対象化と一体化、自由と愛、謙虚さと批判の統一を、根源的網羅的に行う生き方である。この二つは同時に生まれるという仮説を持つ。しかし、よく分からない。
そこで、ポスト資本主義、新しい生き方を作る以前に、あるいはこれと同時に解決されるべき重要な課題がある事だけ述べることにした。
多くの課題も明らかになった。問題を提起したので考えていただきたい。

 

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[38] FIT2016 根源的網羅思考と一体型矛盾 [41] FIT2017 世界観 ,態度と論理 [44-47] THPJノート 全体ページ 

[44] THPJ ノート第一部:根源的網羅思考 

[45] THPJ ノート第二部:矛盾  [46] THPJ ノート第三部:対象化と一体化  [47] THPJ ノート第四部:(全)  

 

総合目次  (A) Editorial (B) 参考文献・関連文献 リンク集 TRIZ関連サイトカタログ(日本) ニュース・活動 ソ フトツール (C) 論文・技術報告・解説 教材・講義ノート   (D) フォーラム Generla Index 
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最終更新日 : 2018.10.10    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp